カレントアウェアネス-E
No.13 2003.04.16
E073
「E-rateプログラム」再検討の動き(米国)
3月12日,公共図書館や初等中等学校でのインターネット導入を促進してきた「E-rateプログラム」(注)の廃止を求める法案(H.R.1252)が連邦議会に提出された。同プログラムは米国のデジタルデバイド縮小に成果をあげた一方で,浪費や不正の温床となっているという指摘がされている。これに対し米国図書館協会(ALA)は,E-rateの変わらぬ重要性を主張し,継続を求めている。またE-rateを支えてきたUniversal Service Administrative Company社では,E-rateを再検討するタスクフォースを結成し,今夏には最終報告書を提出する予定である。
なお,2000年12月に成立した「子どもをインターネットから保護する法律(CIPA)」(CA1473,E030参照)はE-rateの取得条件としてフィルターソフトの導入を挙げている。E-rateの議論の行方は,現在その合憲性が問われて裁判となっているCIPAにも波紋を広げそうだ。
(注)一定の条件を満たす学校や図書館などでのインターネット接続費用等の割引制度。ユニバーサル・サービス基金の補助により2割から9割引される。1998年1月から実施されている。
Ref:
http://www.sl.universalservice.org/
http://panflute.p.u-tokyo.ac.jp/~koga/text/2000_E_rate.html
CA1473
E030