CA962 - LCの管理職人事 / 久保宮恭子

カレントアウェアネス
No.181 1994.09.20


CA962

LCの管理職人事

1987年にビリントンが館長に就任する以前のLCでは,職員の採用や昇進など人事政策の面で停滞の感がまぬがれなかった。また,業務面でも大量の滞貨が生じる等の問題が起こり,人事の停滞との関連も取りざたされていた。

ビリントンは館長に就任するとLCの機能を合理化し,さらに環境の変化に対応した新しい業務体制作りをするため,大幅な機構改革を断行した。しかもそれは単なる機構いじりというのではなく,従来の部局をサービス・ユニットというチーム型の組織へと作り変えるとともに,人心の一新を目指したものであった。そのために,副館長をはじめ局長クラスの管理職の多くを事実上解任し,2,000人に及ぶ職員の配置替えもおこなった。

2000年までのLCの改革の方向を定めた戦略計画(1992年発表: CA917参照)のなかでも人的資源についての戦略目標が掲げられ,1993年5月には人材育成に関する「6か月計画」(CA930参照)がスタートするなど人事政策の改善は順調に進められている。

さて,ビリントンは副館長をはじめ局長クラスの管理職を解任した後,直ぐに後任の人事を行わず,アクティング・ディレクター制度を採用していたが,1994年に入るとそれらの人々の中から次々に局長クラスの管理職の任命を行った。主な人事を紹介すると,著作権局次長(局長が空席なので著作権局の実質上の責任者)にメアリー・ B.レバリング(Mary B. Levering),法律図書館長にルーベンス・メディーナ(Rubens Medina),CRS局長にダニエル・マルホラン(Daniel Mulhollan)が任命された。

さらに6月には,一連の幹部人事の止めとして,ビリントンは1988年10月以来不在だった副館長にハイラム・デイビス(Hiram Davis)を任命した。デイビスは1943年生まれの黒人で,各地の大学図書館で働き,1984年に図書館学の博士号を取得した。1989年からはミシガン州立大学図書館長として300人の職員を監督し,情報への電子的アクセスや多文化コレクションを奨励した。デイビスの副館長抜擢は,これらの業績が認められた結果であるが,アファーマティブ・アクション(積極的な雇用差別是正措置)への配慮もうかがわれる。いずれにせよ一連の人事には,LCの館内に留まらず優秀な人材は広く図書館界から求めようとする人事の方針が表われているようである。

久保宮恭子(くぼみやきょうこ)

Ref: LC Inf Bull 53 (3) 39, 1994.2.7; 53(9) 169-171, 1994.5.2; 53(12) 235, 1994.6.13