CA873 – 利用者ガイダンスのあり方:調査研究プロジェクト活動報告(3) / 田村俊作

カレントアウェアネス
No.164 1993.04.20


CA873

利用者ガイダンスのあり方
−調査研究プロジェクト活動報告 3)−

図書館研究所が組織した調査研究プロジェクト(CA836参照)の一つ,「不特定多数を対象とした図書館における利用者ガイダンスのあり方」は昨年10月に発足した。

国立国会図書館や公共図書館など,利用者層が限定されず,多様な目的と利用経験とを持った人々をサービス対象とする図書館では,その所蔵資料やサービスと利用者とをいかに結びつけるべきかという問題は,効果的なサービスを実施するうえで非常に重要であり,同時に難しい問題である。そこで,本研究では,サインシステムや利用案内など,利用者と資料・サービスを効果的に結びつける方策を検討し,どんな方策をどのように組み合わせて実施すれば,利用者の資料やサービスへのアクセスの改善に効果があるかを明確にする。さらに,利用者ガイダンスの組織的な実施が,利用者の図書館像の形成や資料探索方略の理解にいかに貢献できるか,利用者教育や情報リテラシー教育と呼ばれるものとどのように関係するのかについても考えてみたいと思っている。

本年度は利用者ガイダンスを考える際の視点について検討し,その範囲と内容,さらには問題点などについて考察することにより,来年度以降の研究のための理論的基盤を作ることに主眼をおいた。その検討結果を発表し,現場の問題や利用者教育の理論とどのように係わるかを議論するために,次のようなシンポジウムを計画した。

図書館情報学シンポジウム(第1回)
テーマ:図書館における利用者ガイダンスと利用者教育
日時:平成5年5月14日(金)午後1時半
場所:国立国会図書館新館3階研修室
シンポジウムの詳細は,国立国会図書館図書館研究所(電話03-3581-2331内線5013)まで

田村俊作(たむらしゅんさく)