カレントアウェアネス
No.266 2001.10.20
CA1431
LC,電子情報資源の書誌コントロールに関するアクションプランを発表
2001年6月,米国議会図書館(LC)は「Web情報資源の書誌コントロールに関するアクションプラン」を発表した。前年開催された国際会議での議論を受けて作成されたものである。プランは大きく以下の6点に分かれ,優先順位が示されるとともに,それぞれに担当部局と関連・協力機関が明記されている。
(1)電子情報資源には,一定基準に基づき選択的に書誌情報を付与し,利用できるようにする。典拠および主題情報の整備,既成メタデータの再利用,選択基準の整備,保存対策を進める。
(2)書誌情報の検索・表示を多種多様なシステム間で可能にするため,システムおよびインタフェースの仕様を確定する。書誌情報の粒度(granularity:集合レベルの情報に対して内容細目レベルの情報といった,情報の詳細さの程度)を高め,検索手段を強化して,アクセスを向上させる。
(3)メタデータの標準化に向けて関連機関との調整を行う。最近の様々な規格を集約し,既存の英米目録規則第2版やMARC21等の規則をいかに反映させるかについて検討する。
(4)メタデータの生成・管理・保存を自動的に行う手段を開発し,関連機関等で採用されるべく働きかける。
(5)メタデータに関する適切な研修を提供・支援する。また,公開フォーラム等を開催して,開発成果の普及をはかる。
(6)上記事項を達成するために必要な研究開発を,LC内で,または関連機関を支援して進める。
プランが打ち出された背景には,全米科学アカデミー(National Academy of Science)により「電子情報への対応の遅れを早急に取り戻すべき」と提言されたこと(CA1343参照),OCLCなど国内の他機関が次々と新たな取り組みを開始しているなかで,国立図書館として主導権を確保したいという思惑のあることが挙げられよう。今後の具体化が注目される。
Ref: LC. Bibliographic control of Web resources: a Library of Congress action plan. [http://lcweb.loc.gov/catdir/bibcontrol/draftplan.html] (last access 2001. 9. 12)
村上泰子 図書館界とメタデータ 情報の科学と技術 51(8) 402-408,2001