5.1. 日本の情報政策の展開

 本章では,「子どもの情報行動」に関係する各種施策のうち,特に(1)子どもの読書活動推進,(2)違法・有害コンテンツ規制,(3)インフォメーションリテラシー・情報活用能力の涵養の3つを取り上げて,背景,経緯,動向について紹介する。その上で,これらの施策のもと,学校や図書館,図書館類縁機関がどのような活動を行っているのかについて,現況を紹介する。

 これに先立ち本稿では,これら個別の施策に通底する,府省を横断した政府全体の情報政策,戦略スキーマについて,1990年代後半から時系列で概観する。個別の施策については,特に「子どもの情報行動」に関係のあるものについて,その概要を紹介する。ただし各種審議会での議論及び答申については,本稿では取り扱わない。

 なお本稿では,金容媛に倣い,情報政策の概念を「政府が,情報社会の実現のため設定した,情報生産・情報流通・情報応用・情報制度などの目標達成のため行うすべての促進的または規制的計画・活動」と定義する1。IT(Information Technology)政策,ICT(Information and Communication Technology)政策などと呼ばれるものも包含して紹介する。

5.1.1. 高度情報通信社会推進に向けた基本方針(1995~1998年)

 日本政府による高度情報通信社会のための政策は,1994年8月に内閣に高度情報通信社会推進本部を設置したことを嚆矢とする。米国でクリントン大統領・ゴア副大統領が就任し,全米情報基盤(National Information Infrastructure),情報スーパーハイウェイ(Information Superhighway)構想を掲げた1993年の1年後である。同本部は翌1995年に「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」2(平成7年2月21日 高度情報通信社会推進本部決定)を発表し,情報通信インフラ整備の必要性を提起するとともに,その実現に向けた課題と対応策,そのための行動原則,官民の役割,政府の取組の在り方などを示した(高度情報通信社会推進本部 1995)。「子どもの情報行動」に関するものとしては,当面対応すべき具体的な政策課題「公共分野の情報化等」の中で学校・大学等における情報機器・ソフトウェア等の整備が,また同じく「人材の育成」の中で児童生徒の情報処理・活用能力の向上が,必要な施策として挙げられている。なお,この1995年基本方針には,行政の情報化,防災の情報化,情報化の進展に対応した著作権等の施策の展開,セキュリティ対策,プライバシー対策,相互運用性・相互接続性の確保,ソフトの供給など,後に実現する,又は重要な課題として議論される政策課題が数多く盛り込まれており,興味深い。

 この1995年基本方針から3年後の1998年,「想定し得なかったスピードで経済・社会の諸分野におけるネットワーク化が進展してきている」ことを受けて,改訂版の「高度情報通信社会推進に向けた基本方針」(平成10年11月9日 高度情報通信社会推進本部決定)が策定された(高度情報通信社会推進本部 1998)。この基本方針では,当面の目標として(1)電子商取引普及,(2)電子的な政府の実現,(3)情報リテラシー向上,(4)情報通信インフラ整備の4つが掲げられた。また1995年基本方針で挙がった各課題に加え,電子商取引等推進のための環境整備及びハイテク犯罪への対策の必要性が特記されている。「子どもの情報行動」に関する観点からは,情報リテラシー向上が目標として明記されたこと,電子商取引等推進のための環境整備の1つとして「違法・有害コンテンツ対策」の必要性が提起されていることが注目に値する。後者については,コンテンツの充実という項目においても,青少年の健全な育成に配慮したコンテンツの制作・利用体制の整備が必要とされている。

 1995年基本方針で掲げられた情報社会実現のための政策課題は,「子どもの情報行動」に関するものに限れば,金の言う「促進的計画・活動」のみであった。これに対し,1998年基本方針では,違法・有害コンテンツ対策という「規制的計画・活動」が加わっている。以後,促進/規制の両面での政策展開・議論が行われていく。

5.1.2. 基本方針アクション・プラン及びミレニアム・プロジェクト(1999~2000年)

 翌1999年には,1998年基本方針に基づく情報通信関連施策全体の進捗状況を測る指標として,また関係省庁の施策推進に資するものとして,「高度情報通信社会推進に向けた基本方針: アクション・プラン」(平成11年4月16日 高度情報通信社会推進本部決定)が策定された(高度情報通信社会推進本部 1999a)。これは,基本方針の4つの当面の目標と,その他の課題との各々に対し,具体的な施策事項とその目的や期待される効果,措置内容,連絡先省庁を示したものである。「子どもの情報行動」に関係するものとしては,「違法・有害コンテンツ対策」として郵政省・通商産業省・警察庁などの施策が,「情報リテラシーの向上および人材育成」「教育の情報化」「コンテンツの充実」として文部省・郵政省・通商産業省などの施策が挙げられている。例えば「教育の情報化」においては,2001(平成13)年度までにすべての公立学校をインターネットに接続する,公立学校においては小学校で22台(児童2人に1台で指導),中学校・普通科高等学校で42台(生徒1人に1台で指導)の教育用コンピュータを整備する,と年限を明記した形で,施策事項とその目標設定がなされている。なおこのアクションプランにおいて,警察庁による「少年に有害な情報に関する研究」として情報と少年非行との関連についての実態把握・分析が,郵政省による「青少年と放送に関する調査研究」としてメディア・リテラシーに関する議論の蓄積が,各々必要だと提起されていることにも目を向けておく必要があろう。

 アクションプランで掲げられた施策事項のうち,「教育の情報化」など4つの事項(他は自動車保有関係手続のワンストップサービス,政府調達手続の電子化,行政事務のペーパーレス化)については,1998年12月に設けられた内閣総理大臣直轄の省庁連携タスクフォース「バーチャル・エージェンシー」によるプロジェクトとして検討が進められ,1年後の1999年12月,内閣総理大臣に対して最終報告が行われた(バーチャル・エージェンシー 1999)。「教育の情報化プロジェクト」の報告では,世界的な趨勢を見ても「教育の情報化は,日本の教育における最重要課題」であるという認識のもと,情報化の推進によって「子どもたち」「授業」「学校」がどのように変わっていくのかという姿を目標として設定するとともに,その目標を達成するための具体的な取り組みと,それを進めていく上で配慮すべき事項が提示されている。ここでは,「主体的に学び考え,他者の意見を聞きつつ自分の意見を論理的に組み立て,積極的に表現・主張できる」ように「子どもたちが変わる」ための前提として, (1)情報に関するモラルやルール等のための教育の実施,(2)心の教育の充実,(3)教育のための技術の研究開発の3点に配慮しながら,2005年を目安として,ハード・ソフト両面での具体的な取り組みを施策として推進すべきと提言している。また「教育情報ナショナルセンター」を整備する必要性も提言されている。

 なおこの報告には,「情報化の「影」の部分への対応」という表現が登場する。情報化により,子どもたちのコミュニケーション能力が飛躍的に高まる一方で,「子どもたちがバーチャルな空間に埋没することによって,自然体験・社会体験の不足,人間関係の希薄化,現実感の欠如を招くなど,いわゆる情報化の「影」の部分も懸念される」とする。そして,この事態に対応するために,より一層の「心の教育」の充実,子どもたちに自然にネチケットを身に付けさせていくことが重要だとされている。この「情報化の「影」の部分への対応」という表現は,以後の文部科学省による「教育の情報化」施策の方針にも登場し続けている。

 このバーチャル・エージェンシーによる報告を受けて同1999年末,「バーチャル・エージェンシーの検討結果を踏まえた今後の取組について」(平成11年12月28日 高度情報通信社会推進本部決定)が発表された(高度情報通信社会推進本部 1999b)。これは各施策について,目的・目標,具体的な方策,実施に当たっての課題,スケジュール,推進体制等を定めるものであった。内容はほぼ,報告の提言に従うものであったが,以下の3つの事項についてスケジュール(年限)が具体的に示されたことに注目したい。

  1. 平成13年度(2001年度)までに,すべての公立小中高等学校等がインターネットに接続でき,すべての公立学校教員がコンピュータの活用能力を身につけられるようにする。
  2. 平成14年度(2002年度)に,我が国の教育の情報化の進展状況を,国際的な水準の視点から総合的に点検するとともに,その成果の国民への周知を図るため,国内外の子供たちの幅広い参加による,インターネットを活用したフェスティバルを開催する。
  3. 平成17年度(2005年度)を目標に,すべての小中高等学校等からインターネットにアクセスでき,すべての学級のあらゆる授業において教員及び生徒がコンピュータを活用できる環境を整備する。

 1999年10月19日,「新しいミレニアム(千年紀)の始まりを目前に控え,人類の直面する課題に応え,新しい産業を生み出す大胆な技術革新に取り組む」プロジェクト「ミレニアム・プロジェクト」の基本的な枠組みと構築方針が,内閣総理大臣決定により発表された(内閣総理大臣 1999a)。そして同年12月19日,「ミレニアム・プロジェクト(新しい千年紀プロジェクト)について」(平成11年12月19日 内閣総理大臣決定)として正式に始動した(内閣総理大臣 1999b)。これは,「我が国経済社会にとって重要性や緊要性の高い情報化,高齢化,環境対応の三つの分野について,技術革新を中心とした産学官共同プロジェクトを構築し,明るい未来を切り拓く核を作り上げるもの」であり,特に情報化の分野においては,教育の情報化,電子政府の実現,IT21(情報通信技術21世紀計画)(仮称)の推進と,高度情報通信社会推進本部によるアクション・プラン(1999年)と深く関連する3つのテーマが定められている。

 ミレニアム・プロジェクトにおける「教育の情報化」プロジェクトの目標は,上述の「バーチャル・エージェンシーの検討結果を踏まえた今後の取組について」(1999年)の内容とまったく同じである。このミレニアム・プロジェクト「教育の情報化」の推進体制として,内閣内政審議室,文部省,通商産業省,郵政省,自治省の関係局長レベルからなる「教育の情報化ミレニアム関係省庁連絡会議」が,また評価・助言機関として,有識者等で構成する「教育の情報化評価・助言会議」が設置された。バーチャル・エージェンシーの体制に引き続き,ミレニアム・プロジェクトの枠組みで行う事業を遂行すべく,省庁横断的な連携体制が構築されたのである。

 なお翌2000年5月には,高度情報通信社会推進本部がアクション・プランに対するフォローアップを行っている(高度情報通信社会推進本部 2000a, 2000b)。ここでは,アクション・プランの進捗状況の評価とともに,アクション・プラン策定時以降の状況変化と新たに生じた課題の整理が行われているが,とりわけ,行政機関等のサーバーに対する攻撃が行われた事件などを背景として,ハイテク犯罪・セキュリティ対策の必要性が特記されている。「教育の情報化」については,バーチャル・エージェンシーでの検討成果とそれを受けたミレニアム・プロジェクトの枠組みで具体的な施策目標が設定されたとし,最終目標である2005年度に向け,着実に実施すること,とされている。

5.1.3. IT基本戦略及びIT基本法(2000~2001年)

 2000年7月7日,閣議決定により,高度情報通信社会推進本部が廃止され,新たに内閣に情報通信技術(IT)戦略本部が設置された。あわせて,この本部の下に,「IT革命の推進について,戦略的かつ重点的に検討を行う」ため,有識者によるIT戦略会議が設けられた。この両者が6回にわたり合同会議を行い,2000年11月27日,IT戦略会議名の戦略スキーマ「IT基本戦略」を発表した(IT戦略会議 2000)。

 この戦略はまず,コンピュータや通信技術の急速な発展とともに世界規模で進行するIT革命により,「世界は知識の相互連鎖的な進化により高度な付加価値が生み出される知識創発型社会に急速に移行していく」という認識から始まる。そして,インターネットの普及率が主要国の中で最低レベルにあるなど,IT革命への取り組みにおいて世界各国から遅れを取っているとし,5年以内に世界最先端のIT国家となることを目指すべく,国家戦略の必要性を説く。それは,知識創発型社会を目指すべき社会とし,これを実現するための新しいIT国家基盤として,(1)超高速ネットワークインフラ整備及び競争政策,(2)電子商取引と新たな環境整備,(3)電子政府の実現,(4)人材育成の強化,の4つを重点政策分野に集中的に取り組む,というものである。

 この戦略の中で,「子どもの情報行動」に関連する施策は「人材育成の強化」の中に盛り込まれている。「小中高等学校及び大学のIT教育体制を強化するとともに,社会人全般に対する情報生涯教育の充実を図る」という目標のもと,「情報リテラシーの向上」を実現すべく,政府は以下の方策を講ずるとしている。

 ミレニアムプロジェクト「教育の情報化」を早期に達成し,小中高等学校のインターネット接続の環境を整備し,ITを利用した教育を可能にする。また,図書館,公民館等の公共施設にインターネット接続可能な環境を整備するとともに,教育用コンテンツの充実を図る。

 ITを使った授業やITの倫理・マナー教育を充実する。インターネット時代にますます重要となる英語教育を充実させるとともに,数学や理科などの科目を重視して論理的思考力を育てる。同時に,自己表現能力を培い,創造力の涵養に努める。

 学校単位でインターネットを活用した国内外の他地域の学校との交流を促進し,異なる文化・立場を持つ人々とも協働できるような人材を育てる。

 このIT基本戦略から遅れること2日,2000年11月29日に,「情報通信技術の活用により世界的規模で生じている急激かつ大幅な社会経済構造の変化に適確に対応することの緊要性」を背景に,高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する基本理念,施策の策定に係る基本方針を定めることなどを目的とした「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(平成12年12月6日法律第144号)」が成立した。通称「IT基本法」と呼ばれるこの法律は翌2001年1月6日に施行され,高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)が内閣に設置された。これは,内閣総理大臣を本部長,内閣府特命担当大臣(科学技術政策担当),内閣官房長官,総務大臣,経済産業大臣を副本部長とし,内閣官房情報通信技術(IT)担当室が事務を担当する体制である。なお同日,中央省庁の再編が行われるとともに,内閣府に「重要政策に関する会議」の一つとして科学技術に関する総合的かつ基本的な政策の企画立案及び総合調整を担う総合科学技術会議が設置されている。

5.1.4. e-Japan戦略及び関連する重点計画(2001~2002年)

 IT戦略本部は2001年1月22日,IT基本戦略とほぼ同内容の「e-Japan戦略」を発表し(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部 2001),次いで同年3月,この戦略を具体化し,高度情報通信ネットワーク社会の形成のために政府が迅速かつ重点的に実施すべき施策の全容を明らかにするものとして「e-Japan重点計画: 高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する重点計画」を策定した(IT戦略本部 2001a)。このe-Japan重点計画では,必要とされる制度改革や施策を2001年からの5年間に迅速かつ重点的に推進するとしている。中でも,(1)世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成,(2)教育及び学習の振興並びに人材の育成,(3)電子商取引等の促進,(4)行政の情報化及び公共分野における情報通信技術の活用の推進,(5)高度情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保の5つを,集中的に取り組む重点政策分野として挙げている。

 このうち,「子どもの情報行動」に関連する施策は,主に「教育及び学習の振興並びに人材の育成」に含まれている。その冒頭は現状と課題の分析であるが,ここで小中高等学校等でのパソコン,インターネットの普及状況の遅れに対する危機意識が強く表明されている。「小中高等学校及び大学等のIT教育体制を強化するとともに,社会人全般に対する情報生涯教育の充実を図る」という目標のもと,「学校教育の情報化等」として,ア)学校のIT環境の整備,イ)IT教育の充実等,ウ)IT指導力の向上,エ)教育用コンテンツの充実,オ)教育用ポータルサイトの整備等の5つについて,具体的施策が示されている。各々,「2001年度中に,すべての公立小中高等学校,盲・ろう・養護学校等がインターネットに接続できるようにし,2005年度までに,すべての小中高等学校等が各学級の授業においてコンピュータを活用できる環境を整備するとともに,授業や家庭・地域・他校とのコミュニケーションへのネットワークの積極的活用を支援する。」などの,年限・数値を明示した目標が設定されている。数が多い(e-Japan重点計画全体で220項目)ため,本稿ではすべては紹介しないが,学校におけるインターネットの整備,情報・コンピュータ・著作権・インターネット上のモラルや倫理に関する授業の実施,教員のコンピュータ・リテラシーの向上,教育用デジタルコンテンツの整備などについて,目標が設定されている。このほか重点政策分野に横断的な課題として,学校のバリアフリー化,青少年の健全育成,違法・有害情報の流通への対応も挙がっている。

 同2001年6月にはIT戦略本部が,e-Japan戦略及びe-Japan重点計画の内容を各府省の2002年度の施策に反映する年次プログラムとして「e-Japan2002プログラム: 平成14年度IT重点施策に関する基本方針」を策定している(IT戦略本部 2001b)。これは,2002年をマイルストーンとした一種の中間目標の設定と位置づけられている。さらにIT戦略本部は,2001年秋の段階で各施策の進捗状況をレビューするとともに,一層の加速・前倒し措置を行う「e-Japan重点計画,e-Japan2002プログラムの加速・前倒し: IT関連構造改革工程表」を2001年11月の会議で取りまとめた(IT戦略本部 2001c)。この会議の議事録では,事務局からの進捗状況の説明の例として,「公立学校のインターネット接続率」が挙げられている。2001年度中に100%に持っていく計画であるが,2000年3月の段階で57%,2001年3月の段階で81%まで進んできており,補正予算も含めて実施をして,目標を実現できるよう企画しているとされている3

 続く2002年には,2001年のe-Japan重点計画で策定された220の具体的施策のうち,2001年度内に実施されなかった117施策と,新たに加えた201の施策について,いつまでに誰が何を行うのかを明示的に打ち出した「e-Japan重点計画-2002」が,6月18日にIT戦略本部で決定された(IT戦略本部 2002)。重点政策分野は,e-Japan重点計画と同じ5つであるが,「教育及び学習の振興並びに人材の育成」分野においては,「学校のインターネット接続」から「教室の高速インターネットへの常時接続」へと情報インフラ整備の目標が深化するとともに,障害のある子どもへの配慮の必要性や,子どもの情報利活用能力の育成についての記載が増加するなど,施策内容が少し変化している。また,「情報リテラシー」という表現が,「情報活用能力」「IT活用能力」といった表現に置き換わっている。なおe-Japan重点計画-2002においても,e-Japan重点計画同様,各々に対し,年限・数値を明示した具体的な目標が設定されている。

5.1.5. e-Japan戦略II及び関連する重点計画(2003~2005年)

 2003年7月2日,IT戦略本部はe-Japan戦略に続く第二期のIT国家戦略として「e-Japan戦略II」を策定した(IT戦略本部 2003a)。これは,e-Japan戦略以来の2年間で,ネットワークインフラの普及と電子商取引・電子政府に関連する制度的な基盤整備の両面において,IT基盤整備がなされてきたことを評価するとともに,その基盤を活かして今後は社会・経済システムの変革に取り組むべく,ITの利活用へと戦略を進化させるものである。これは,「IT の利活用による,「元気・安心・感動・便利」社会の実現を目指して」という副題が端的に表している。具体的には,国民にとって身近で重要な7つの分野,(1)医療,(2)食,(3)生活,(4)中小企業金融,(5)知,(6)就労・労働,(7)行政サービスにおいて「民を主役に官が支援する」形で先導的取り組みを行い,着実に成果を出して改革を推進していく,とされている。この背景としては,ITを駆使することで既存の仕組みの無駄を排除し,経営資源を有効活用する「構造改革」を行いつつ,同時にこれまでに無い新たな産業や市場を創り出す「新価値創造」を行うという戦略思想が示されている。ここで取り上げられている「知」とは,「育て!人材,進め!コンテンツ立国 日本発の「知」が世界を駆けめぐる」という標語が示すように,コンテンツの創造,流通,デジタル化・アーカイブ化を促進するとともに,ITを活用した遠隔教育により知識の向上が効率的・低廉にできる環境を整備するというものである。この背景としては,前年に成立し,2003年3月1日に施行された知的財産基本法(平成14年12月4日法律第122号),及び同日に内閣に設置された知的財産戦略本部の存在があると考えられる。ここでは,「子ども」には特に言及されていない。

 e-Japan戦略IIはこのようなIT利活用と同時に,IT基盤の整備をさらに推進する必要があることにも言及している。そのための施策として,①次世代情報通信基盤の整備,②安全・安心な利用環境の整備,③次世代の知を生み出す研究開発の推進,④利活用時代のIT 人材の育成と学習の振興の4つが掲げられている。この「利活用時代のIT人材の育成と学習の振興」において,学校のIT環境の充実,良質なネットワーク型の学習コンテンツを流通させる環境の整備,国の学習情報ポータルサイト機能の確立などが方策として挙げられている。

 このe-Japan戦略IIを踏まえ,IT戦略本部を中心に政府が一丸となって迅速かつ重点的に実施すべき施策を具体的に取りまとめたのが,2003年8月8日に発表された「e-Japan重点計画-2003」である(IT戦略本部 2003b)。e-Japan戦略で示された5つの重点政策分野,e-Japan戦略IIで示された7つの先導的取り組みの施策を推進して,高度情報通信ネットワーク社会を実現することが目指されている。この中で「子どもの情報行動」に関するものとしては,重点政策5分野の1つ,「人材の育成並びに教育及び学習の振興」において,「小中高等学校及び大学等のIT 教育体制を強化するとともに,社会人全般に対する情報生涯教育の充実を図る」という目標が掲げられている。その具体的な指標としては,「公立学校におけるインターネットに接続できる普通教室」の割合が挙げられており,韓国では100%であるのに対して,日本では21.1%(2002年3月時点)でしかない,という状況に危機感が示されている。また有害情報への対応に関する施策の必要性が強く,また具体的に言及されている点は,過去の計画には見られない,e-Japan重点計画-2003の特徴として挙げられよう。

 続く2004年2月6日には,「e-Japan戦略II加速化パッケージ」が新たな戦略スキーマとして策定された([IT戦略本部] 2004a)。ここでは,政府として取り組むべき重点施策として,(1)アジア等IT分野の国際戦略(A:Asia),(2)セキュリティ(安全・安心)政策の強化(B:Block and Back-up: Security),(3)コンテンツ政策の推進(C:Contents),(4)IT規制改革の推進(D:Deregulation),(5)評価(E:Evaluation),(6)電子政府・電子自治体の推進(F:Friendly e-government and e-local government)のA~F,合計6分野が挙げられている。このうちの「コンテンツ政策の推進」では,ブロードバンド上におけるコンテンツ流通の促進やコンテンツ製作基盤の強化について,知的財産戦略本部において積極的に検討するよう要請するとしているなど,政府の知的財産戦略との連動の必要性がより明確に意識されている。

 このe-Japan戦略II加速化パッケージを含むこれまでの戦略を踏まえ,2005年の目標達成への施策の重点化・体制整備に係る計画と,2006年以降に向けての布石を打つ重点計画を定めたのが,2004年6月15日に発表された「e-Japan重点計画-2004」である(IT戦略本部 2004b)。2005年の目標達成への施策の重点化としては,e-Japan戦略II加速化パッケージで定められた6分野のうち評価を除く5分野(加速化5分野),e-Japan戦略IIで取り上げられたIT利活用を先導的に推進する7分野(先導的7分野)とインフラについて,2006年以降に向けての布石としては,①国際政策,②情報セキュリティ,③人材・教育,④電子商取引等,⑤コンテンツ,⑥行政の情報化,⑦研究開発,⑧インフラの8つについて,それぞれ具体的な目標が提示されている。さらにこれに加えて,e-Japan戦略で示された重点政策5分野,分野横断的な課題についても,各々に目標が提示されている。もっとも,同一の目標が複数の箇所(たとえば,加速化5分野と重点政策5分野の両方,など)に登場していることも多い。「子どもの情報行動」に関する具体的な施策は,基本的に従来のものと同様であるが,「インターネット上の違法・有害情報対策」が分野横断的な課題の中の「社会経済構造の変化に伴う新たな課題への対応」の一つとして独立した項目の扱いになり,フィルタリングシステムの導入などに関する記述が具体化している点は重要である。

 e-Japan戦略以来,マイルストーンとされてきた2005年。この目標年にあたり,「取組を緩めることなく,利用者の視点でラストスパートをかけるとともに,引き続き世界最先端であり続けるための取組を行ってゆく」べく,2005年2月24日に策定されたのが「IT政策パッケージ-2005: 世界最先端のIT国家の実現に向けて」である(IT戦略本部 2005)。A4判30ページと,これまでの戦略や重点計画と比べ分量は少ないが,(1)行政サービス,(2)医療,(3)教育・人材,(4)生活,(5)電子商取引,(6)情報セキュリティ・個人情報保護,(7)国際政策,(8)研究開発の8分野にわたり,具体的な目標が年限(その多くは「2005年度末」)を示して列挙されている。「子どもの情報行動」に関するものとしては,「学校教育の情報化の推進」として,これまでの重点計画で挙がっていたのと同様,①学校のIT環境の整備の推進,②情報モラル教育の推進,③教育用コンテンツの整備と活用に関する目標が設定されている。このほか,生涯学習の推進として,「地域の情報拠点としての図書館機能の検討」という目標が挙がっていること,「別紙」の形で上記以外に重点的に取り組むべき施策として取りまとめられた中に,「初等中等教育へのオープンソースソフトウェアの導入」が挙がっていることが注目される。オープンソースソフトウェアそのものについては,すでにe-Japan重点計画-2003,2004において,研究開発,利活用の推進が目標として掲げられていたが,子どもの利用に関しては,IT政策パッケージ-2005で初めて記載された。

5.1.6. IT新改革戦略及び重点計画-2006(2006年)

 e-Japan戦略を推進してきた5年が終了した2006年1月19日,IT戦略本部は「IT新改革戦略: いつでも,どこでも,誰でもITの恩恵を実感できる社会の実現」を策定した(IT戦略本部 2006a)。この戦略は,①構造改革による飛躍,②利用者・生活者重視,③国際貢献・国際競争力強化の3つを基本理念とし,「世界に先駆けて2010年度にはITによる改革を完成し,我が国は持続的発展が可能な自律的で,誰もが主体的に社会の活動に参画できる協働型のIT社会に変貌する」ことを宣言している。そして,(1)「いつでも,どこでも,何でも,誰でも」使えるユビキタスなネットワーク社会を,セキュリティ確保やプライバシー保護等に十分留意しつつ実現する,(2)それによって世界最高のインフラ・潜在的な活用能力・技術環境を有する最先端IT国家であり続ける,の2つが,目指すべき姿として掲げられている。

 このIT新改革戦略には,2004年に総務省が策定した「u-Japan政策パッケージ」(総務省 2004)及びその後の総務省のu-Japan政策が大きく影響していると考えられる。u-Japanの「u」は,「至るところに存在する」という意味のラテン語「ユビキタス(ubiquitous)」を意味し,「いつでも,どこでも,何でも,誰でも」ネットワークに簡単につながる社会を目指すというものである。2006年に策定された「u-Japan推進計画2006」では,①ユビキタスネットワーク整備,②ICT利活用の高度化,③利用環境整備,の3つが方向性と示されている(総務省 2006)。

 IT新改革戦略では,今後重点的に取り組む政策を,(1)ITの構造改革力の追求,(2)IT基盤の整備,(3)世界への発信,の3群に分けている。「ITの構造改革力の追求」では医療・環境など21世紀に克服すべき社会的課題への対応,防災・治安・食・道路交通など安全で安心に暮らせる社会を実現するための取り組み,電子行政・IT経営など21世紀型社会経済活動の実現が,「IT基盤の整備」ではユニバーサルデザイン・ユビキタスネットワークなどによるデジタル・ディバイドのないIT社会の実現,情報セキュリティ対策の徹底・違法・有害情報への適切な対処・サイバー犯罪の撲滅など安心してITを使える環境の整備,次世代に向けたIT人材育成や研究開発が,「世界への発信」では日本の魅力の発信,国際競争力の確保,コンテンツITによるアジア諸国等への貢献などが謳われている。各々,政策のキャッチフレーズ,現状と課題の分析,年限を明確にした具体的な目標,具体的な目標の実現に向けた方策,評価指標が示されている。

 このうち,「子どもの情報行動」に関するものとしては,以下のものが挙げられている。特徴的なのは,教育の情報化・ITを活用した教育よりも,「ITを活用した子どもの安全確保」や違法・有害情報への対策の方が前面に出ている点である。もっとも,新規項目の「ITを活用した子どもの安全確保」を除いては,これまでの戦略と大きな違いはない。

 なお違法・有害情報への対策に関しては,政府は前年の2005年2月,内閣官房に「インターネット上の違法・有害情報等に関する関係省庁連絡会議(IT安心会議)」を設置し,安全・安心なIT基盤の整備を推進している。このIT安心会議が2005年6月30日に取りまとめた「インターネット上における違法・有害情報対策について」では,(1)フィルタリングソフトの普及等,(2)プロバイダ等による自主規制の支援等,(3)違法・有害情報対策に関するモラル教育の充実,(4)相談窓口の充実等の4つを,関係府省が連携して取り組む対策として示している(IT安心会議 2005)。これらについては,IT新改革戦略においても多くの記述がある。

 このIT新改革戦略から半年後の2006年7月26日,IT新改革戦略に基づき政府が迅速かつ重点的に実施すべき施策について,担当する府省と年限の全容を明らかにした「重点計画―2006」が策定された(IT戦略本部 2006b)。ここでの新しい施策として,IT新改革戦略で提起されたITを活用した子どもの安全確保がある。また,情報モラル教育の推進に関しては,記述が大幅に追加されている。警察庁が「子どもを取り巻く性や暴力に関する情報の氾濫やゲームやインターネットにのめり込むことの弊害について幅広く議論し,問題点を整理して社会に問題提起するとともに,その改善策を探ろうとする」ために2006年4月10日に設置した「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」が,携帯電話と子どもの関係,子どものインターネット,ゲーム依存等について幅広く議論を行い,2008年夏を目途に論点の整理を行うことも明記されている。

 このほか,「児童・生徒3.6人当たり1台の教育用PCの整備」「初等中等教育におけるマルチプラットフォーム化の推進」(IT政策パッケージ-2005では「オープンソース」と表記されていた内容)など,学校におけるIT 基盤の整備の推進に関する施策に加えて,公立図書館等におけるITを活用したサービスの向上,図書館の情報化の必要性等について啓発を行うことを内容とした「図書館の情報化の促進」など,図書館に関する施策も何点か盛り込まれている。

5.1.7. IT新改革戦略 政策パッケージ及び重点計画-2007(2007年)

 2007年1月に閣議決定された中期方針「日本経済の進路と戦略」では,「日本経済の負の遺産を取り除くための改革ではなく,新しい可能性を切り拓き,「創造と成長」による美しい国づくりを目指すこと」が掲げられた。これを受けてIT戦略本部は2007年4月5日,IT新戦略を加速しつつ「我が国の新しい可能性を切り拓く改革や創造のエンジンとなる政策」に関する基本的な方向性を取りまとめ「IT新改革戦略 政策パッケージ」として発表した(IT戦略本部 2007a)。全体の政策目標として (1)効率性・生産性向上と新価値の創出,(2)健全で安心できる社会の実現,(3)創造的発展基盤の整備の3つが挙げられているが,このうち「子どもの情報行動」に関するものとしては,「健全で安心できる社会の実現」において違法・有害情報への対策が,「創造的発展基盤の整備」において初等中等教育におけるITに関する能力の伸長・底上げが謳われている。

 このIT新改革戦略政策パッケージとそれに先立つIT新改革戦略の趣旨を踏まえ,2007年度以降の政府の重点的なIT施策を具体的に取りまとめたのが,2007年7月26日に発表された「重点計画-2007」である(IT戦略本部 2007b)。これは,「IT新改革戦略 政策パッケージを推進するための施策」と,「IT新改革戦略のその他の政策を推進するための施策」との二部構成からなり,それぞれの目標を実現するべく実際の施策展開を進めるにあたって,基本とすべき考え方を重点的取り組みと分野ごとに整理したものとされている。

 ここでは,重点政策「ネット上の違法・有害情報に起因する被害の抜本的減少を目指した集中対策の実施」として,フィルタリング導入の促進,有害サイト運営者による利用者の年齢確認方法,情報モラル教育の推進等の取組を実施するとともに,IT 安心会議において,集中対策を2007年9月を目途に取りまとめるとされている。このうち,フィルタリングに関しては,2007年3月までに認知率を70%に高める,児童の携帯電話へのフィルタリング導入を促進するなどの施策目標が,これまでにない新たなものとして掲げられている。

 また政策目標「創造的発展基盤の整備」の一部をなす重点政策「高度IT人材育成の好循環メカニズムの形成」において,「大学院等での実践教育の充実,構造改革等産業側における環境形成,学校教育の改革を総合的・集中的に実施し,高い収益力・社会的地位によって集まる優秀な人材が収益・社会価値をさらに高めていく人材育成の好循環メカニズムの形成を目指す」として,初等中等教育段階からの高度IT人材の育成などが掲げられている。

5.1.8. まとめ

 以上のように本稿では,1995年から2007年までの,情報政策に関する政府全体の戦略スキーマについて概観してきた。社会情勢や技術動向,当時の政権の方針などを反映しながら,時代を経るにつれその内容が変わってきていることがわかる。「子どもの情報行動」に関するものについては,教育の情報化など情報基盤の整備は引き続き推進されてはいるものの,政策の重点は情報を利活用する能力の育成,また安全・安心に情報を利用できる環境の整備といった事項に移ってきていると総括できよう。

 「子どもの情報行動」に関係のある個別の情報政策―この中には公共図書館,学校図書館,読書等に関する政策なども含まれよう―は少なからず,このような情報戦略を背景・基盤として展開されており,個々の情報政策と全体の情報戦略の関係,審議会等での議論やその折々に発生した事件・イベントなどの影響について,有機的に,さらに詳細な分析・研究を行うことが期待される。 (村上)

  1. 金容媛. 情報政策の枠組みに関する理論的考察. 文化情報学. 2003, 10(1), p. 18.
    http://www.surugadai.ac.jp/sogo/media/bulletin/Bunjo10-01_KIM.pdf, (参照2008-03-11).

  2. 印刷版のタイトルを採用した。なお,本稿の「参考文献・ウェブサイト」に記載したウェブサイトのタイトルは「高度情報通信社会に向けた基本方針」となっている。
  3. 第7回IT戦略本部(2001年11月7日) 議事録.
    http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/dai7/7gijiroku.html, (参照2008-03-11).

参考文献

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