年間13万ドルの経費削減に成功した米国の公共図書館(記事紹介)

2011年7月7日付けのLibrary Journal誌で、米国カンザス州のジョンソン郡図書館が業務・サービスの合理化などによって13万ドルの年間経費節約に成功したというエピソードが紹介されています。これは都市図書館協議会(Urban Libraries Council)が選んだイノベーション事例の一等として選ばれたそうです。記事では館長のローファー(Donna Lauffer)氏へのインタビューを通じてその秘密を探っています。

同館では、地元のコミュニティカレッジから生産コンサルタントを雇って、整理、貸出、選書業務のメカニズム手順を評価してもらうなどし、業務プロセスを入念に見直したそうです。全部で13の分館を擁する同館では、そのそれぞれで異なった手順を採用しており、まったく標準化されてないと指摘されたそうです。

それを受けて同館が実施した合理化策の例は以下の通りです。

・それまではがきで行っていた延滞図書の督促をメールと電話に変えた。年配の利用者からわずかな反発があったが電話というオプションを用意して対応。
・返却図書は次に借りられるまでそのまま分館に置いておくようにし、配送便で運ぶ図書を29%減らした。
・図書館への寄贈図書のうち実際に受け入れるものの選別をボランティアに任せるようにした。
・除籍の基準を標準化してボランティアでも処理ができるようにした。
・Huber & Associates社に貸出業務のワークフローを再設計してもらい、分館によらないよう業務を標準化した。
・延滞罰金の回収のためUnique Management Serviceを採用。
・図書館相互貸借(ILL)担当部署を受入担当部署と統合した。大量の書類作業が減り、また、ILLでリクエストされた資料のうち自館の蔵書に加えるべきものはどれかといったスタッフ間コミュニケーションがしやすくなった。
・図書館システムの受入システムを郡の財政システムと連動させた。

How One Library Saved $130,390 (Library Journal 2011/7/7付け記事)
http://www.libraryjournal.com/lj/home/891244-264/how_one_library_saved_130390.html.csp

Johnson County Library
http://www.jocolibrary.org/

Urban Libaries Council
http://www.urbanlibraries.org/

J. Huber & Associates
http://jhaconsults.com/Libraryservices.htm

Unique Management Service
http://www.unique-mgmt.com/