カレントアウェアネス-E
No.70 2005.11.16
E403
書籍デジタル化市場に続々参入
書籍のデジタル化,書籍本文検索市場に参入を表明する企業・団体が続々と現れている。マイクロソフト社は10月末,書籍のデジタル化プロジェクト”MSN Book Search”の開始とOCA(E392参照)への参加を発表した。次いで11月4日,”MSN Book Search”のパートナーとして英国図書館(BL)の名を挙げ,2006年にBLの蔵書約10万冊(約2,500万ページ)をデジタル化し,無料公開すると発表した。なお,OCAには米国研究図書館グループ(RLG)やスミソニアン協会図書館なども参加を表明している。
一方で,同じく11月4日には,出版関連企業からの参入も明らかとなった。Amazon.com社は,ページ単位や章単位でデジタル書籍を購入できる”Amazon Pages”と,追加料金で電子版へのアクセス権を購入できる”Amazon Upgrade”の2サービスを新たに開始すると発表した。出版大手のランダムハウス社も,オンライン書店や検索エンジンを通して,ペイ・パー・ページ・ビュー(ページ単位支払い制)で電子本を販売する計画を発表した。
これらのプロジェクトの最大のライバルはGoogle社であるが,そのGoogle社は11月3日,Google Print Library Project(CA1564参照)でミシガン大学図書館などの蔵書からデジタル化した著作権切れの書籍の提供を開始したと発表した。また,一時中断していたスキャニング作業も再開すると明らかにしている。
Ref:
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/2005abc
http://www.bl.uk/news/2005/pressrelease20051104.html
http://www.infotoday.com/newsbreaks/nb051031-1.shtml
http://www.libraryjournal.com/article/CA6281010.html
http://www.google.com/press/pressrel/print_publicdomain.html
E392
CA1564