カレントアウェアネス-E
No.27 2003.12.03
E148
「欧州図書館」に向けたメタデータの研究開発
欧州において,各国の国立図書館が持つ幅広い情報資源へシームレスにアクセスできる仮想図書館の構築を目的に,メタデータの研究開発が行われている。これは,英国図書館やオランダ国立図書館等の国立図書館が共同で行っていた「欧州図書館(The European Library: TEL)」プロジェクト(CA1415参照)における取組みの一つで,9月に,その成果として複数の報告書がホームページ上で公開された。
それによると,TELでは,まずプロジェクトに参加している国立図書館におけるメタデータを対象に現状をレビューし,それに基づいてTELのメタデータモデルに求められる機能要件を検討している。機能要件に関する報告書では,基本のダブリンコアを図書館用に拡張したLAP(Library Application Profile)を基に集合レベルの情報について記述可能なモデルを採用するなどTELの現状により適したメタデータを作成するとともに,将来の仕様変更に対応する仕組みとしてメタデータの項目名や機能などを登録し保管しておくレジストリの構築を提案するといった検討結果が報告されている。
なお,TELは既にプロジェクト段階を終了し,2005年1月の開始を目指して実際の構築作業に入っている。