CA1755 – 研究文献レビュー:学校図書館をめぐる連携と支援:その現状と意義 / 岩崎 れい

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カレントアウェアネス
No.309 2011年9月20日

 

CA1755

研究文献レビュー

 

学校図書館をめぐる連携と支援:その現状と意義

 

1. 学校図書館の充実施策の変遷

 本稿は、学校図書館と公共図書館の連携および公共図書館による学校図書館への支援についての文献レビューを目的とするものであり、初めに、行政施策の流れを概観することによって、文献の動向が整理できるものと考えている。本来は、連携と支援の両者について十分なレビューを行いたいところであるが、実際には連携に関する研究や事例報告は非常に少なく、支援に重点を置く結果となったことをおことわりしておく。

 1997年の学校図書館法改正以来、学校図書館の充実のためにいくつかの施策が実施されてきた。財政支援としては、「学校図書館図書整備5か年計画」「新学校図書館図書整備5か年計画」「地域活性化交付金(住民生活に光をそそぐ交付金)」などがある。

 「学校図書館図書整備5か年計画」(1)では、2002~2006年度(平成14~18年度)に総額約650億円を学校図書館資料の増加冊数分として地方財政措置が行われたが、不十分であったため(2)、2007~2011年度(平成19~23年度)の「新学校図書館図書整備5か年計画」(3)に基づく5年間には増加冊数分だけではなく更新冊数分も含め約1,000億円の財政措置が行われた(4)。これらの施策の背景には、2001年に制定された「子どもの読書活動の推進に関する法律」の具体化のために作成された2002年8月の「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」(5)と2008年3月の「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画(第二次)」に、国がこの計画の実施のために財政措置を講ずるよう努めることが明記されていることがある。

 「住民生活に光をそそぐ交付金」(6)は2010年度の政府の補正予算として計上されたものであり、学校図書館に限定した予算措置ではないものの、片山総務大臣の記者会見(7)においてもこの交付金の使途の一例として図書館が挙げられており、さらに、都道府県教育委員会生徒指導担当課と都道府県教育委員会学校図書館担当課にはこの交付金の利用方法のひとつとして積極的に学校図書館を充実するよう促す文書(8)も送られていることから、実際にこの交付金を学校図書館に利用し始めた自治体も見受けられる(9)

 このような財政支援が実施されても、その支援の内容の多くは図書購入費や設備の向上の費用など基本的な整備に使うので手一杯の状態であり、実際に学校図書館を充実させていくには財政措置だけでは不十分なため、他の機関からの支援を受ける必要がある。また、現在学校図書館として不十分な部分を補うという目的のためだけではなく、本来の学校図書館の機能をよりよく発揮して児童生徒への読書や学習の支援を行っていくためには、学校図書館が公共図書館等と連携していくのが望ましい。また、今回のテーマとはずれるので詳しくは述べないが、博物館も博物館法第3条の11で「学校、図書館、研究所、公民館等の教育、学術又は文化に関する諸施設と協力し、その活動を援助すること」(10)が求められ、また、生涯学習審議会答申(11)や学習指導要領(12)で学校との連携が求められていることからも、将来的には学校教育を支援する機関として博物館との連携も模索していく必要があるだろう。

 上記の財政支援だけでは学校図書館の充実がなかなかはかどらないため、政府はさらに以下のようないくつかの事業を実施している。

 1995~2000年度の間に3回に分けて「学校図書館情報化・活性化推進モデル地域事業」(13) (14)が実施され、学校における情報通信ネットワークの充実がはかられた。2001~2003年度に実施された「学校図書館資源共有型モデル地域事業」(15)では、蔵書情報のデータベース化および学校図書館のネットワーク化による蔵書等の共同利用化を進め、蔵書を効果的に利用した教育実践の在り方などを模索することを目的として、学校図書館資源共有型モデル地域を指定(46地域)し、調査研究を実施するという内容で事業計画が立てられ、子どもの読書活動の推進や司書教諭の配置の促進と共に、学校図書館の充実施策のひとつとして位置づけられた。2004~2006年度には「学校図書館資源共有型モデル地域事業」の廃止に伴う新事業である「学校図書館資源共有ネットワーク推進事業」(16)によって、公共図書館との連携や学校図書館同士の連携による地域連携型ネットワークを推進し、教育活動を充実させることが施策に盛り込まれた。この構想では、資源共有化を基盤に教育方法等の共有をはかっていくために、公共図書館との連携・協力を重視する学校図書館支援センター機能(17)を確立していくことも想定している。2006~2008年度の「学校図書館支援センター推進事業」(18)は、学校図書館間の連携や各学校図書館の運営、地域開放に向けた支援等を行う学校図書館支援スタッフを学校図書館支援センターに配置し、さらに指定地域内の各学校に、支援スタッフと連携・協力の下で諸事務にあたる協力員を配置することによって、学校図書館の機能の充実・強化を図る事業である。2009~2012年度には「学校図書館の活性化推進総合事業」(19)によって、児童生徒の読書習慣の確立や読書指導の充実、最新の学習指導要領に示された図書館利用の学習の実現などのために、公共図書館を中心とする地域との連携による児童生徒の自発的・主体的な学習活動の支援、教員のサポート機能の強化等をはかっている。

 この15年の流れを見ると、コンピュータの設置や情報ネットワークの充実による基盤整備から具体的な学校図書館機能の充実へと施策の内容が変化していることがうかがえる。本稿では、これらの施策のうち具体的な学校図書館機能の充実が重点的に行われるようになってからの時期を中心に、過去約10年間の学校図書館と公共図書館の連携および公共図書館による学校図書館への支援についての研究論文および事例報告についての研究文献レビューを行う。多くの図書館間あるいは館種間においては、その館種または地域性などにより、各館あるいは各館種がその得意とするところを提供し合い、互いのサービスを向上させるという連携が中心であるが、日本の学校図書館については、その蔵書やサービスの貧弱さゆえに、公共図書館等と連携を結ぶには至っておらず、一方的に支援を受けなければならない状態も、かなりの割合で見られるといえるだろう。しかし、将来的には一方的に支援を受けるだけではなく、連携による学校図書館の役割の発展を示唆する文献もあることから、本稿では連携・支援のいずれの視点を持つ文献も取り扱うこととする。

 

2. 学校図書館との連携や学校図書館への支援に関する研究論文とその萌芽

 公共図書館と学校図書館との連携や学校図書館への支援についての研究は比較的少ない。その視点は次の3点に整理できる。

 1つめは、学校図書館支援の方法の模索である。平久江祐司(20)は、1960年代後半からの学校図書館と公共図書館の連携の歴史を土台に、学校図書館支援センターが教育委員会内に設置された場合と、公共図書館内に設置された場合のそれぞれにおいて適した支援の方法があるとし、それを十分に生かすことによる今後の学校図書館支援の方法を提示している。河西由美子(21)は、情報リテラシーや学習スキル育成の視点から、情報化の促進や情報教育の充実をはかるにあたって情報関係の部署と学校図書館が密接な関係を持ちうることが学校図書館の発展につながることを示唆し、玉川学園の事例をふまえて、学校図書館の学習支援機能の理念を提案している。

 2つめは、文部科学省の施策としての学校図書館の機能促進に関する事業の分析である。例えば中村由布(22)は、学校図書館支援センター推進事業に関するアンケート調査の結果から、学校図書館支援センターが、読書力の向上や授業支援だけではなく、公共図書館との連携の促進の役割を求められているにもかかわらず、センタースタッフが専任とは限らないことで、このセンターが十分に機能していないことを指摘した。よってこの事業の課題は、センターの支援スタッフも各学校に派遣される協力員も雇用条件が十分でないことであると分析している。この推進事業の流れについて森田盛行は、2006年度までの一連の施策の結果、学校図書館における情報ネットワークの利用については促進され、学校図書館の担当者によるコンピュータへの違和感も払拭されたものの、人の問題はまだ解決されておらず、学校図書館に専門職が常駐することやその専門職が教科教諭を支えることができるように学校図書館における読書や学習の指導法を確立することの重要性を示唆している(CA1698参照)。

 3つめは教育理論等に基づいた学校図書館の活動の可能性の示唆である。例えば木幡智子(23)は、学校図書館と公共図書館の連携事例をもとに、ソビエト心理学から生じた活動理論を教育学に応用した場合の枠組みを利用して、子どもの学習権を保障するために、どのような連携ができ、またどのような課題があるかを提示している。枝元益祐(24)は、学校図書館と公共図書館との連携を主眼においた研究ではないが、いくつかの教育理論を土台に、成人教育的アプローチからの学校図書館の学習支援のありかたを示し、その中で、学校図書館が他機関との連携の中で、生涯学習時代の学習の土台を築く機関となりうることを示唆している。

 この他、海外の学校図書館と公共図書館サービスとの連携を研究した鈴木守(25)の論文があり、今後の日本の連携のありかたを考えるにはよい示唆となる。この文献では、米国教育協会(National Education Association:NEA)と米国図書館協会(American Library Association:ALA)が学校と公共図書館との協力に関する原則をいかに確立したかをその報告書作成の経緯の分析によって明らかにしている。その結果、学校図書館が必要であることだけに焦点を当てるのではなく、学校図書館サービスの責任は学校教育を管理する責任を有する教育委員会にあること、そして、公共図書館が学校と連携していくことは不可欠だが学校図書館の代わりではなく独立した機関として学校と連携していくことに価値があることを明示している。すなわち学校図書館サービスと公共図書館サービスはそれぞれ別の役割をもつ必要な存在であり、かつ連携の必要性があることが盛り込まれたことに、学校教育の中心的な機関であるNEAと図書館サービスに関する中心的な機関であるALAが報告書を共同で出したことの意義を見出しているのである。

 また、複数の雑誌で関連の特集が組まれている。1999年以前にも特集は見られるが、2000年以降に限定すると、次のような特集がある。2004年には『こどもの図書館』で「公共図書館と学校(図書館)の連携」(26)という、事例報告を中心とした特集が組まれている。2008年には、『学校図書館』で「学校図書館支援センター」(27)という主に先進的な支援センターの事例を中心に紹介する特集を組んでいる。2010年の『図書館雑誌』の特集「学校図書館と協働する―チーム学校図書館」(28)では、事例報告や調査結果が中心で、現状が抱えている課題についても触れているが、同時に公共図書館や学校図書館支援センターとの連携や学校図書館同士のネットワーク化を進めることによって、学校図書館のサービスを向上させられることを示唆している。

 それだけではなく、2002年の全国学校図書館研究大会では「学校図書館支援システムをどう構築するか」(29)という研究討議が、2004年の第34回の全国学校図書館大会では、「公共図書館との連携をどう進めるか」(30)というテーマで合同討議が行われた。さらに、学校図書館への支援や学校図書館との連携に焦点を当てた特集ではないが、2002年の『学校図書館』の特集「地域との連携・協働を図る」(31)、2010年の『学校図書館』の特集「家庭・地域と連携した読書推進活動」(32)、2011年の『学校図書館』の特集「言語活動と学校図書館」(33)などが、それぞれの特集のテーマに関連の深い題材として連携への提言や連携の事例を取り上げている。

 このように、研究そのものはまだ少ないものの、雑誌や大会で研究・提言・事例の混在する形ではあれ、学校図書館との連携や学校図書館への支援に関するテーマが比較的多く設定されていることは、図書館界における関心が特にこの数年高まっていることを示していると言え、今後の研究の発展の萌芽ともなりうるだろう。

 

3. 学校図書館との連携や学校図書館への支援に関する事例

 公共図書館と学校図書館との連携や学校図書館への支援の事例を見ると、資料・人的資源・設備の貧弱な学校図書館を公共図書館が全面的にバックアップしている事例が圧倒的に多く、連携というより支援という方がふさわしい。文部科学省の施策もあり、学校図書館支援センターを設けている自治体もあるが、そのセンターの多くは教育委員会内または公共図書館内に設置されている。教育委員会内に置かれている場合は、学校図書館が学校教育のカリキュラムとの深い関連を持つことを示唆するような事業の方向性を持っていることがうかがえる。公共図書館内に置かれている場合は、学校図書館サービスの向上に力点の置かれた支援となっていることが多い。その両者が上手に組み合わさって充実した支援が行われているケースもあるが、必ずしもバランスのとれた支援内容とはなっていない場合も多い。そのこともふまえ、ここでは、事例報告を公共図書館や学校図書館支援センターから受けている支援の内容で分類し、その傾向を考察する。

 公共図書館や学校図書館支援センターの支援の内容はいくつかの段階に分けられるが、ここでは、(1)開始したばかりの初歩的な支援のみを行っている段階、(2)支援がある程度進んでその支援の内容が人材の育成などを含む基本的な学校図書館サービスをするのに役立っている段階、(3)支援が進んで今後より先進的な学校図書館サービスを確立していくのに役立つ段階の3段階に大きく分類する。

 最も初歩的な支援は、貧弱な学校図書館資料を補うために、公共図書館が学校図書館に団体貸出を行うことである。授業のカリキュラムに合わせて関連する資料を貸し出すタイプの支援の事例として、北海道苫小牧市(34)、島根県雲南市(35)、鳥取県鳥取市(36)、宮城県大崎市(37)などの事例報告が見受けられる。

 基本的な学校図書館サービスを確立することのできる支援の段階として、以下の事例を挙げることができるだろう。例えば、北海道恵庭市(38)は、学校司書の配置が遅れている学校図書館に対して公共図書館の司書が出張して学校図書館の利用ガイダンスを行う他、担当教師などに図書館業務の説明会を実施するなどのサポートを始めている。栃木県宇都宮市(39)は、教育委員会内の学校教育課と公共図書館が連携して、学校図書館を支援しており、学年ごとに幅広い分野の資料を揃えたパックの提供、学校の希望に応じて授業のテーマに関連して選書した資料の提供の他に、学校司書業務嘱託員と学校読み聞かせボランティアの研修を行っている。千葉県柏市(40)では、公共図書館による支援は事例報告で見るところ資料の貸出のみであるが、教育委員会指導課が中心となって、学校図書館アドバイザーによる図書館業務から学習支援の方法に至るまでの多岐にわたる支援、図書館業務の基本だけではなく、各校の実践を共有し合う場も持てるような職員の研修、公共図書館・地域などとの連携、学校図書館同士のネットワークの形成などが行われている(41)。このような研修の事例で多いのは、司書教諭だけではなく学校図書館担当者を対象とする研修会、教科の教諭を対象とする学校図書館利用に関する研修会、授業支援や学習支援の方法を指導するタイプの支援などである。

 そして、現在最も充実している支援として以下の事例を挙げることができるだろう。東京都荒川区(42) (43)では、区が統括して、教育委員会の指導室長、統括指導主事、主任学校図書館指導員を配置した学校図書館支援室を設け、荒川版学校図書館ノート(44)の作成、各校の蔵書構成や環境整備のアドバイス、指導員ハンドブックの作成、指導員研究会の開催、学校図書館を活用した指導案作成の支援、学校図書館を活用したモデル授業の実施・授業支援などを行っている。学校教育カリキュラムにまで踏み込んだ実質的な支援の事例といえるだろう。千葉県市川市(45) (46) (47)では、学校図書館支援センターが授業での学校図書館活用のレベルアップを目的に、学校図書館活用に関する調査研究、支援スタッフによる学校図書館支援、物流ネットワークや情報ネットワークの整備、各種研修会の実施、学校図書館や教師への資料提供、学校図書館に関するデータの集約と分析などを行っており、研究的な視点も持ちながら将来を見据えた事業に取り組んでいる事例といえるだろう。静岡県浜松市(48)では、公共図書館に学校図書館支援センターを設置し、司書教諭・教育委員会指導主事・市立図書館職員などで構成される「学校と市立図書館連携のための検討委員会」を置き、支援の方法として、資料の貸出の他、利用ガイダンス、児童生徒のための学校図書館利用のための手引きの作成、学校図書館担当者の研修を実施しており、公共図書館が深く関わっている事例といえるだろう。福岡県小郡市(49) (50)では、児童生徒の学習支援を明確な目的とした図書館利用案内や調べ学習等資料集の作成を行っているところに特徴がある。その他、大阪府箕面市(51)や石川県白山市(52)、神奈川県座間市(53)などの事例が報告されている。

 この他に、特別支援学校の学校図書館に対する支援の事例(54) (55)が見られる。野口武悟(56)よると基本的な学校図書館の役割は変わらないものの、特別なニーズを持つ児童生徒が対象であり、よりきめ細やかなサービスが必要であるにもかかわらず、学校図書館の発展が遅れ気味であることがうかがえ、今後の課題といえるだろう。

 また、公共図書館以外に大学図書館による学校図書館支援の事例(57)も見られた。所蔵資料の種類もかなり異なることもあり、まだ珍しい事例ではあるが、大学の地域貢献が求められる時代の中で、同じ教育機関の図書館として、新しい可能性を探っていくこともできるだろう。

 これらの事例報告の動向をみるとこの2~3年の事例報告が圧倒的に多く、学校図書館支援にあたり、学校教育カリキュラムにも深くかかわる形での連携が急速に増加してきているといえるだろう。この背景には、学校図書館支援センターの設置の増加があり、この動向が続けば、公共図書館は図書館サービスそのものを支える立場から、教育委員会は学校教育を支える立場からの支援を共に行うことで、学校教育カリキュラムにより資することのできる学校図書館支援が実施でき、今後の学校図書館の発展につながるといえるだろう。

 

4. 支援や連携の意義

 学校図書館に対する支援は、学校図書館が児童生徒の読書や学習、および学校教育のカリキュラムをよりよい形で支援するために行われる。いわば「支援」を充実させるための「支援」である。

 公共図書館が学校図書館を支援することは、現状の分析や事例報告から見ると、学校図書館が本来のサービスを行うための基本的な部分をまずはカバーすることが目的となっていることがうかがえる。しかし、一部においては、より発展的な支援を行うことによって、よりよい学校図書館サービスを追い求めたり、教育委員会が学校図書館支援センターを設置して公共図書館がそのセンターの中で支援の役割を果たしたりしている事例も見られる。このような公共図書館の支援は、学校教育のカリキュラムとさらに密接な関係を持ったり、児童生徒への読書や学習の支援における新しい方法を模索したりすることでもあり、現在の学校図書館の不足部分を補うだけではなく、今後新しい形の学校図書館サービスの充実につながっていく。その可能性を現在の研究や実践の動向は示唆しているのではないだろうか。学校図書館の現状ではもちろんのこと、今後学校図書館が今より充実したとしても、学校図書館が公共図書館等の他機関から支援を受けること、またその先に互いに連携することは、今後の学校図書館の発展にとっておおいに意義のあることだといえるだろう。

京都ノートルダム女子大学:岩崎 れい(いわさき れい)

 

(1) “平成18年度文部科学白書”. 文部科学省.
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab200601/index.htm, (参照 2011-07-01).

(2) 文化審議会. “これからの時代に求められる国語力について”.文部科学省. 2004-02-03.
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/toushin/04020301/015.pdf, (参照 2011-07-01).
この答申にも「しかしながら、『学校図書館図書標準』の通知が平成5年に出て、学校図書館図書整備5か年計画によって地方交付税措置が講じられていながら、いまだに図書標準を満たしている学校が3割程度にとどまっているというように、計画はあっても現実がそうなっていないことが大きな問題である」と書かれている。

(3) “平成19年度文部科学白書”. 文部科学省.
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab200701/index.htm, (参照 2011-07-01).
その他平成18年度版第2部第2章第1節などにも「学校図書館図書整備5か年計画」の財政措置によっても学校図書館の蔵書の充実にはまだ不十分であることについての記述がみられる。

(4) “「新学校図書館図書整備5か年計画」について”. 文部科学省.
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo7/shiryo/07051701/001/008.pdf, (参照 2011-07-01).

(5) “子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画”. 文部科学省. 2002-08.
http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/dokusyo/hourei/cont_001/003.pdf, (参照 2011-07-01).
第4章2に以下のように記載されている。
(1) 国は、本計画に掲げられた各種施策を実施するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努める。
(2) 国は、地方公共団体が地域の実情に応じて自主的に実施する子どもの読書活動の推進に関する施策のための費用について、必要な財政上の措置を講ずるよう努める。

(6) “地域活性化交付金(住民生活に光をそそぐ交付金)の概要”. 内閣府.
http://www8.cao.go.jp/hanzai/pdf/info221209-gaiyo.pdf, (参照 2011-07-01).

(7) “片山総務大臣閣議後記者会見の概要(平成22年10月26日)”. 総務省. 2010-10-26.
http://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/36590.html, (参照 2011-07-01).

(8) 文部科学省初等中等教育局児童生徒課. “地域活性化交付金について”. 全国学校図書館協議会. 2010-12-06.
http://www.j-sla.or.jp/pdfs/news/news20101210.pdf, (参照 2011-07-01).
但し、事務連絡文書であるため、参照先は全国学校図書館協議会ホームページである。

(9) 学校図書館への交付金の利用については、いくつかの事例が見られる。以下に挙げたのはそのうちの一部である。
“平成22年度一般会計3月補正予算(案)の概要”. 福岡県みやま市.
http://www.city.miyama.lg.jp/file/temp/9375116.pdf, (参照 2011-07-01).
みやま市では、この交付金によって学校図書館に2,500万円の予算をつけている。
“平成23年3月市議会定例会に提出する補正予算(案)の概要”. 長野県須坂市.
http://www.city.suzaka.nagano.jp/gyousei/zaisei/yosan/pdf/h22/h2303-1.pdf, (参照 2011-07-01).
須坂市では、この交付金によって、小中学校入学時に児童生徒に配布する読書活動ファイル1,896,000円、小学校図書館図書購入費1,650,000円、中学校図書館図書購入費800,000円などを計上している。
“平成22年度2月補正予算について”. 大阪府大阪市.
http://www.city.osaka.lg.jp/zaisei/page/0000110920.html, (参照 2011-07-01).
大阪府大阪市では、内訳が不明だが、学校図書館・地域図書館等の充実のために、81,000,000円が計上されている。

(10) “博物館法”. 総務省.
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S26/S26HO285.html, (参照 2011-08-11).

(11) 生涯学習審議会. “社会の変化に対応した今後の社会教育行政の在り方について”. 文部科学省. 1998-09.
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/12/shougai/toushin/980901.htm#02, (参照 2011-08-11).

(12) “小学校学習指導要領”. 文部科学省.
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/index.htm, (参照 2011-08-11).
学習指導要領では博物館の活用が求められており、例えば「第5章 総合的な学習の時間」では、「学校図書館の活用、他の学校との連携、公民館、図書館、博物館等の社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携」に配慮すべきとしており、同じく学校教育を支援する機関としての連携がさらに求められていくことになるだろう。

(13) “情報化の進展に対応した教育環境の実現に向けて”. 文部科学省.
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/002/toushin/980801p.htm, (参照 2011-07-01).

(14) 文部省初等中等教育局小学校課. 特集, 情報化の進展と学校教育: 学校図書館情報化・活性化推進モデル地域指定事業について. 教育委員会月報. 1995, 47(3), p. 30-34.

(15) “平成13年度文部科学白書”. 文部科学省.
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpab200101/index.html, (参照 2011-07-03).

(16) “学校図書館資源共有ネットワーク推進事業(学校図書館を支援するセンター機能)”. 文部科学省.
http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/dokusyo/suisin/04090802.pdf, (参照 2011-07-01).

(17) 学校図書館支援センターについては、学校図書館界の基礎的な考え方が以下の文献に記されている。
森田盛行. 特集, 第34回全国学校図書館研究大会(びわこ・くさつ大会)研究集録: 研究主題 ひろがる、つながる、学びを変える学校図書館: 学校図書館支援センターがめざすもの(合). 今日の学校図書館. 2004, (34), p. 238-247.
森田盛行. 特集, 第35回全国学校図書館研究大会(郡山大会)研究集録: 研究主題 未来を拓き、豊かな学びの中核となる学校図書館: 学校図書館支援センターの役割. 今日の学校図書館. 2006, (35), p. 187-190.

(18) “学校図書館支援センター推進事業”. 文部科学省.
http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/kekka/05090202/015.pdf, (参照 2011-07-01).

(19) “16.学校図書館の活性化推進総合事業(新規)【達成目標2-1-2】”. 文部科学省.
http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/kekka/08100105/020.htm, (参照 2011-07-03).

(20) 平久江祐司. 学校図書館支援センター担当者の地域の学習コーディネーターとしての可能性. 日本生涯教育学会年報. 2009, (30), p. 135-143.

(21) 河西由美子. 特集, 学校図書館と情報教育: 学校図書館の学習支援機能. 学習情報研究. 2009, (211), p. 6-9.

(22) 中村由布. 学校図書館と公共図書館の連携: 学校図書館支援センター推進事業指定地域へのアンケート調査を実施して. 図書館界. 2009, 61(1), p. 30-39.

(23) 木幡智子. 生涯学習社会における公共図書館と学校図書館の在り方: 活動理論応用の可能性. Journal of Library and Information Science. 2009, (23), p. 13-31.

(24) 枝元益祐. 学校図書館における学習支援: 教育者中心の教育観から学習者中心の教育観への展開. 学校図書館学研究. 2009, (11), p. 25-40.

(25) 鈴木守. NEA・ALA合同委員会報告書(1941)における学校図書館サービスの原則: 学校と公共図書館との関係に関する原則を中心に. 日本図書館情報学会誌. 2007. 53(2), p. 90-102.

(26) 特集, 公共図書館と学校(図書館)の連携. こどもの図書館. 2004, 51(11), p. 5-11.

(27) 特集, 学校図書館支援センター. 学校図書館. 2008, (695), p. 15-48.

(28) 特集, 学校図書館と協働する: チーム学校図書館. 図書館雑誌. 104(3), p. 133-153.

(29) 庄司三喜夫ほか. 特集, 第33回全国学校図書館研究大会(横浜大会)研究集録: 主題「学びのネットワークを拡げる学校図書館」: 研究討議 学校図書館支援システムをどう構築するか(合). 今日の学校図書館. 2002, (33), p. 274-276.

(30)佐藤志保ほか. 特集, 第34回全国学校図書館研究大会(びわこ・くさつ大会)研究集録: 研究主題 ひろがる、つながる、学びを変える学校図書館: 公共図書館との連携をどう進めるか(合). 今日の学校図書館. 2004, (34), p. 436-439.

(31) 特集, 地域との連携・協働を図る. 学校図書館. 2002, (615), p. 17-36.

(32) 特集, 家庭・地域と連携した読書推進活動. 学校図書館. 2010, (715), p. 36-57.

(33) 特集, 言語活動と学校図書館. 学校図書館. 2011, (695), p. 15-48.

(34) 鈴木祐亮. キラリ!司書教諭(78): 新しい環境で考えた司書教諭と学校図書館. 学校図書館. 2010, (719), p. 76-78.

(35) 別所久美子. 特集, 家庭・地域と連携した読書推進活動: 子どもの学びを支える学校図書館づくり: 保護者・地域との連携を大切にして. 学校図書館. 2010, (715), p. 36-39.

(36) 吉田陽子. 特集, 家庭・地域と連携した読書推進活動: 学びの場を支える学校図書館の環: 保・幼・小・中の連携を通して. 学校図書館. 2010, (715), p. 40-42.

(37) 橋本明美. 特集, 家庭・地域と連携した読書推進活動: 地域とつながる学校図書館: 宮城県松山高等学校の実践. 学校図書館. 2010, (715), p. 50-52.

(38) 辻和代. 子ども・本・地域 学校図書館出会いの場(30): 北海道の学校図書館 恵庭から(2)公共図書館が支援する意味とその重さ…. 子どものしあわせ. 2002, (619), p. 70-73.

(39) 花村幸子. 特集, 子どもたちに生きる力と喜びを: 読書で拓く未来(児童・青少年部門研究集会): 学校図書館へお届けします!: 宇都宮市立図書館の支援事業. 全国公共図書館研究集会報告書. 2008, p. 64-66.

(40) 渡辺暢恵. 柏市の学校図書館: 市内すべての学校図書館活性化に向けて. 学校図書館. 2010, (717), p. 51-54.

(41) 柏市の活動の記録は、以下のサイトで見ることができる。
“学校図書館の活用”. 学校図書館online. 柏市.
http://www.edulab.kashiwa.ed.jp/tosyo/shidouan.htm, (参照 2011-07-18).

(42) 藤田利江. 特集, 学校図書館と情報教育, 学校図書館支援センターの意義と役割. 学習情報研究. 2009, (211), p. 34-37.

(43) 藤田利江.「情報」と「人」をつなぐネットワークづくり, 学習情報研究. 2011, (219), p. 56-59.

(44) 荒川区では、独自に予算をつけて学校図書館活用ノートを作成し、伝統文化ノートなどと同様に児童の学習に役立てている。区全体の構想の中では、学校図書館整備や学力向上の事業において、学校図書館の予算がつけられ、推薦図書リストや読書ノートの作成が実施されていることがわかり、また区内の各小学校の事業に関する構想を見ると、学校図書館活用ノートなるものが存在していることがわかる。以下のサイト等には、それぞれ読書ノートや推薦図書リスト、学校図書館活用ノートなどの用語が登場する。
“荒川区予算案(平成23年度)の概要”. 荒川区. 2011-02.
http://www.city.arakawa.tokyo.jp/kusei/zaisei/yosan/23nendoyosannan.files/23yosanan.pdf, (参照 2011-08-10).
“平成22年度事務事業分析シート”. 荒川区.
http://www.city.arakawa.tokyo.jp/kusei/hyoka/22gyouseihyouka/h22bunsekikisodate.files/04-01-02.pdf, (参照 2011-08-10).
第六日暮里小学校. “平成23年度学校パワーアップ全体構想”. 荒川区.
https://www.city.arakawa.tokyo.jp/kurashi/kyoiku/kyoiku/gakuryokukojo/23spuup.files/rokuniti.pdf, (参照 2011-08-10).

(45) 小林路子ほか. 市川市学校図書館支援センターの支援体制とめざす学校図書館の実現: 学校経営に参画する学校図書館改造に関する実践を中心として. 学校図書館学研究. 2009, (11), p. 79-85.

(46) 小林路子. 学校図書館支援センターは授業を支える!. 学習情報研究. 2011, (219), p. 52-55.

(47) 小林路子. 特集, 学校図書館と情報教育: 行政による学校図書館整備・運営のアプローチ: 千葉県市川市. 学習情報研究. 2009, (211), p. 30-33.

(48) 高瀬理子. “浜松市立図書館における乳幼児サービスと学校図書館支援”. 関東地区公共図書館協議会研究集会報告書 2010年度. 2010, p. 7-9.

(49) 白根一夫. 公立図書館による学校図書館への支援サービス: 福岡県小郡市立図書館と島根県斐川町立図書館の比較を通して考える. 図書館学. 2008, 図書館学, (93), p. 32-38.

(50) 永利和則. 特集, 学校図書館と協働する: チーム学校図書館: 公共図書館の現場から: 公共図書館における学校教育支援と協働. 図書館雑誌. 2010, 104(3), p. 137-139.

(51) 高木享子. 特集, 学校図書館と協働する: チーム学校図書館: 公共図書館と「連携」すること. 図書館雑誌. 2010, 104(3), p. 140-141.

(52) 大橋留美子. 特集, 学校図書館と協働する: チーム学校図書館: ネットワークを生かした学校支援: 白山市学校図書館支援センターの取り組み. 図書館雑誌. 2010, 104(3), p. 142-143.

(53) 三村敦美. 特集, 学校図書館と協働する: チーム学校図書館: 公共図書館の現場から: 学校図書館との連携から子どもの読書環境を考える: 座間市の事例. 図書館雑誌. 2010, 104(3), p. 144-147.

(54) 松戸宏予. 千葉県5市の学校図書館にみる特別な教育的支援の現状と課題. 学校図書館学研究. 2008, (10), p. 5-22.

(55) 落合江美. 特集, 言語活動と学校図書館: 読書を子どもたちの生活の中に. 学校図書館. 2011, (726), p. 55-57.

(56) 野口武悟. 特別支援学校の分校における学校図書館の現状と課題: 全国悉皆調査の結果から. 学校図書館学研究. 2009, (11), p. 41-49.

(57) 中井えり子ほか. 大学図書館の学校図書館支援事業: 三重大学附属図書館の事例から. 大学図書館研究. 2006, (78), p. 105-113.

 


岩崎れい. 学校図書館をめぐる連携と支援:その現状と意義. カレントアウェアネス. 2011, (309), CA1755, p. 23-28.
http://current.ndl.go.jp/ca1755