米国の法律図書館等が、引用したウェブ情報を永久保存するサービス「Perma.cc」の開始へ

法律分野の引用したウェブ上のコンテンツを永久保存するサービス「Perma.cc」の開始に向けて、ウェブサイトが立ち上がっています。またLibrary Journal誌やTimes Higher Educationなどが、このサービスに関する記事を掲載しています。

Perma.ccは、ハーバード・ロースクール図書館(Harvard Law School Library)が、他の大学の法律図書館や、Internet Archive、DPLA(米国デジタル公共図書館)などのウェブ情報の保存に取り組む組織とともに開発しているサービスです。

サービスの流れとしては、著者が論文に含むウェブサイトのURLをPerma.ccのサイトに登録すると、その論文を掲載するジャーナルのスタッフが永久保存を“付与”(vest)することで、Perma.ccのシステムにアーカイブされ、将来のアクセスが可能となるというもののようです。

背景としては、特に法律分野のジャーナルで引用されたウェブ上のコンテンツのリンク切れ(link rot)が顕著な状況が指摘されています。調査によると、ハーバード大学の3つの法律ジャーナル12年分に含まれたリンクの70%が切れており、また米国の最高裁判所の判決に含まれたリンクの50%が切れていたとのことです。

ウェブサイト(FAQs > Librarian FAQs)では、図書館がこの事業のパートナーとなることを希望する場合の連絡先なども掲載されています。

About Perma
http://www.perma.cc/about
※概要紹介、パートナー機関のリスト

FAQ
http://perma.cc/faq

Perma CC
http://www.perma.cc/
※ベータアクセスのリクエスト

Libraries combine to preserve vanishing sources online(Times Higher Education, 2013/10/10付け)
http://www.timeshighereducation.co.uk/news/libraries-combine-to-preserve-vanishing-sources-online/2007952.article

Perma.cc Aims to Bring Staying Power to Online Legal Citations(Library Journal, 2013/10/2付け)
http://lj.libraryjournal.com/2013/10/academic-libraries/perma-cc-aims-to-bring-staying-power-to-online-legal-citations/

Perma: Scoping and Addressing the Problem of Link and Reference Rot in Legal Citations(2013/9/21付け、ドラフト版)
http://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2329688
※ハーバード大の法律ジャーナルのリンク切れの状況についての調査レポート