E863 – 全米でイベント「図書館でゲームをする日」が開催される

カレントアウェアネス-E

No.140 2008.12.10

 

 E863

全米でイベント「図書館でゲームをする日」が開催される

 

 2008年11月15日,図書館でテレビゲームやカードゲームなどを楽しんでもらうイベント「図書館でゲームをする日(National Gaming Day @ your library)」が,全米各地の図書館で開かれた。米国図書館協会(ALA)の呼びかけで初めて開催されたもので,600以上の図書館に,大人から子どもまで計約14,000人が集まり,他の図書館にいる参加者とオンラインゲームで対戦したり,各図書館内で開かれたボードゲーム大会に参加するなどして交流した。

 ALAによると,ゲームは娯楽としてだけでなく読み書き計算の習得に役立ち,その提供は現代の図書館において,利用者の期待にこたえるための重要なサービスの一つに位置づけられるという。ALAは,「本やライブラリアンに囲まれてゲームをすることで,子どもたちがさまざまな仲間と交流して親交を深め,知識を共有できる」と,図書館でゲームをすることの意義を説明している。

 イベントに際し,玩具メーカーのHasbro社によりボードゲーム“Pictureka!”とカードゲーム“Top Trumps”が,Wizards of the Coast社によりロールプレイングゲーム「ダンジョンズ&ドラゴンズ」とカードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」が全国の図書館に寄贈された。“Pictureka!”は約5,500人,「ダンジョンズ&ドラゴンズ」と「マジック:ザ・ギャザリング」は約1,100人が楽しむなど,好評だった。

 また今回のイベントでは,ALAが全米テレビゲームトーナメントを企画した。このトーナメントには,18州から約30の図書館が参加し,音楽ゲーム“Rock Band”や対戦アクションゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズ」といったゲームで,利用者がそれぞれの腕を競った。なお全米でのこのトーナメントの開催は,これまでも様々なテレビゲームイベントを開催してきたアナーバー地域図書館(E693参照)がゲームイベント用に開発したソフトウェア“GT System”を提供したことにより,可能になった。

 この日,多くの子どもたちとゲームを楽しんだALAのレッティグ(Jim Rettig)会長は「より多くのテレビゲームやボードゲームを導入することで,図書館は利用者に対する教育の機会を創造し,かつ促進し続け,また家族全体のコミュニティセンターとして役に立ち続ける。『ゲームをする日』は,あらゆる世代の人たちがどのように図書館で読み,学び,遊ぶことができるかを示すほんの一例である」と話している。

 2009年の「図書館でゲームをする日」は,11月14日に開催予定である。

Ref:
http://www.ala.org/ala/newspresscenter/news/pressreleases2008/november2008/CampaignNGD.cfm
http://gaming.ala.org/resources/index.php?title=Ngd2008
http://ilovelibraries.org/gaming/
http://wiki.gtsystem.org/ngdinfo
http://wiki.gtsystem.org/
http://www.ala.org/ala/newspresscenter/news/pressreleases2008/november2008/ngdcelebrate.cfm
http://www.ala.org/ala/newspresscenter/mediapresscenter/presskits/nationalgamingday/nationalgamingday2008_press_kit.cfm
E693