カレントアウェアネス-E
No.114 2007.09.26
E696
第1回大韓民国図書館フェスティバル
韓国では2007年9月12日から13日まで,文化観光部と国立中央図書館が主催する第1回の「大韓民国図書館フェスティバル」が,ソウルで開催された。これは,2007年を図書館発展の一大転機となる元年と位置付け,21世紀の知識情報社会を牽引する図書館の意義と役割とを国民に伝えることを目的に開催されたものであり,2007年で第44回となる韓国図書館大会(10月,済州で開催)とは別個のものである。
このフェスティバルのテーマは「全世界に小さな図書館」であった。「小さな図書館」とは地域密着型の小規模読書施設(文庫なども含む)のことで,国立中央図書館では2004年から,全国の邑・面・洞(日本で言えば郡・市・特別市の区の下位にある町・村・大字などに相当する行政区分)に最低1か所以上作るべく,民間とも協同して政策を推進している。開幕式で,クォン・ヤンスク大統領夫人が祝辞とともに,身近にあり誰もが気軽に行ける小さな図書館を増やし,知識と情報にアクセスできるようにすることの重要性を訴えかけたほか,会場には小さな図書館のモデルハウスも設置された。またこのフェスティバルと連動して,小さな図書館を利用した子どもとボランティアメンバー向けの「小さな図書館文化・体育探訪プログラム」や,有識者・政策関係者が小さな図書館の持続可能な発展方法について討論する「小さな図書館ワークショップ」も開催されている。
このフェスティバルには,国立中央図書館のほか16の市・道の代表図書館,すでに設立された小さな図書館,各地の子ども図書館や民間のプロジェクトによる「奇跡の図書館」(CA1504参照),政府機関の資料室,外国の大使館,障害者図書館・障害者関連団体,デジタル化関連団体,出版社など合計86機関が参加し,あわせて108の室内展示ブース,53の屋外展示テントが設けられた。会場では,国立中央図書館が所蔵する古書・貴重書の影印本の展示や,韓国点字図書館による点字図書の紹介,書籍の即売会や作家のサイン会・講演会,野外での舞踊・アンサンブルなども行われた。
なお,このフェスティバルは継続して開催される予定であり,来年度の第2回は「未来のデジタル図書館」がテーマとされている。
Ref:
http://event.naver.com/2007/09/libraryevent/
http://www.nl.go.kr/notice/board_info/view.php?bbs=board_info_clob&no=418
http://www.nl.go.kr/notice/board_info/view.php?bbs=board_info_clob&no=419
http://www.nl.go.kr/notice/board_info/view.php?bbs=board_info_clob&no=420
http://www.president.go.kr/cwd/kr/archive/archive_view.php?meta_id=report_data&id=0155ef6463dafe62bff8b3cd
CA1504