E628 – IFLA,政府機関図書館のためのガイドライン策定へ

カレントアウェアネス-E

No.103 2007.03.28

 

 E628

IFLA,政府機関図書館のためのガイドライン策定へ

 

 2007年3月5日,“政府機関図書館のためのガイドライン”(Guideines for Libraries of Government Departments)の草案(Version1.0)が公開された。このガイドラインは,国際図書館連盟(IFLA)の政府機関図書館分科会,政府情報と官庁出版物分科会,議会のための調査サービス分科会が,2004年から2年以上かけて作成を進めてきているものであり,4月ウェールズ(英国)での会議での審議を経て,8月ダーバン(南アフリカ)で開催されるIFLA大会での承認を予定している。

 政府機関図書館は,政策立案者,政府職員等政府関係者を主たる奉仕対象とする図書館であり,必要とされる情報の収集・提供を行うものである。中央の立法・行政・司法機関に設置された図書館のほか,国立図書館や地方議会に設置された図書館等も含まれる。しかし国・地域によっては,整備が遅れていたり,また政府関係者からその役割に関する認識を十分に得られていない場合もある。このガイドラインは,政府機関図書館の組織編成,責務,評価に関する世界の優良事例を集約し,政府関係者がその重要性に対する認識を深めるための,またサービス対象者のニーズに効果的に対応するための方策を共有するための指針となることを目指している。

 草案は,序文と結論を含む17章から構成されており,各種の機能と役割をもつ政府機関図書館を包括的に取り扱うものとなっている。収集,保存,提供等の章では,特に電子情報の登場により新たな課題が登場していることに言及し,変わり続ける環境に対応する重要性を指摘している。また13章は,政府機関図書館の役割に関するアドヴォカシーに割り当てられており,政府情報の保存とアクセスの保証,政府図書館の継続的支援,政府情報の法定納本の政策と実践等に関するアドヴォカシーの重要性に言及している。

 なお現時点でレファレンスサービスや予算,人事に関する章など計6章が未稿であり,完成が待たれるところである。

Ref:
http://www.ifla.org/VII/s4/pubs/Guidelines-Gov-Lib_Draft.pdf
http://www.ifla.org/VII/s4/index.htm
http://www.ifla.org/VII/s4/conf/s4_2007Wales-Programme.htm
http://www.ifla.org/VII/s4/annual/s4-AnnualReport2004.pdf
http://www.ifla.org/VII/s4/news/glmin04b.pdf