E570 – JLA,『図書館からの政策提言』を発表

カレントアウェアネス-E

No.95 2006.11.22

 

 E570

JLA,『図書館からの政策提言』を発表

 

 日本図書館協会(JLA)は2006年10月,『豊かな文字・活字文化の享受と環境整備: 図書館からの政策提言』を発表した。

 JLAは,2005年7月に公布・施行された「文字・活字文化振興法」に関し,法案審議の段階から,公立図書館の不足,資料費の不足,専門職員の不足といった図書館の現実を踏まえた十分な議論を求めていた。そして同法が施行された後の2005年10月,JLA政策企画委員会名で「文字・活字文化振興法を実効あるものにするための政策事項(素案)」が提案され,会員から意見募集を行われた。今回発表された政策提言はこのような流れを受けたもので,文字・活字文化振興法を積極的に活かす政策提言を「図書館振興に責任を負う団体の立場」から提起する,とされている。

 本文書は,(1)公立図書館の整備,(2)学校図書館の整備,(3)大学図書館の充実,(4)出版文化の振興,(5)活字文化からの疎外をなくす,(6)図書館の連携協力の6章,全32項目からなる。各項目では,具体的な問題状況を踏まえつつ,図書館の数を増やす,運営経費・資料費を増やす,司書・司書教諭・学校司書など専門職員の配置を増やす,出版文化・活動を振興する,障害者や在住外国人が出版物を利用できる機会を保障する,館種を超えた図書館の連携協力を促進する,といった提案が具体的になされている。

 JLAは,これらの提言について,多くの関係者に見てもらい,議論・検討を重ねて補強していく必要性があるとしながら,このような議論によって,より豊かな文字・活字文化の施策に資することを強く期待する,としている。

Ref:
http://www.jla.or.jp/kenkai/mojikatuji200610.pdf
http://www.jla.or.jp/kenkai/mojikatuji.html
http://www.jla.or.jp/mojikatsuji2.pdf