E558 – 電子情報環境下における大学図書館機能に関する研究“REFORM”(日本)

カレントアウェアネス-E

No.93 2006.10.18

 

 E558

電子情報環境下における大学図書館機能に関する研究“REFORM”(日本)

 

 アクセス契約した電子ジャーナルのコンテンツを,図書館内はもとより,大学キャンパス内外にいる研究者・学生に提供する。このような例に見られるように,これまで大学図書館が扱ってきた学術情報の流通システムは,情報技術の急速な発展に伴い大きく変化してきている。

 この状況を踏まえて,学術情報の(1)マネジメント,(2)サービス,(3)発信の3つの観点から大学図書館機能を再検討し,基準やガイドライン,マニュアルなどの形で大学図書館の将来像について提案する試み“REFORM”(Reengineering of the functionalities of research libraries in thedigital milieu; 電子情報環境下における大学図書館機能の再検討)が,土屋俊(千葉大学文学部)教授を代表とする研究グループで進められている。このほど,2005年度の研究報告が“REFORM”のウェブサイトで公開された。

 この“REFORM”プロジェクトは,2004年度から2006年度までの3か年計画で行われており,初年度の2004年度は準備作業として,大学図書館に関連する学術情報流通政策・施策の整理,大学図書館におけるILLのデータ分析計画の策定,機関リポジトリの動向レビューなどが実施された。これを受けて2005年度には,大学図書館政策と大学図書館の予算・サービス・資源についての分析,NACSIS-ILLおよび医学図書館数館のILLデータの分析,オープンアクセス全般に関する動向調査などが行われた。

これらの成果を踏まえ,3か年計画の最終年度である2006年度,どのような提案がなされるかが大いに注目される。

Ref:
http://cogsci.l.chiba-u.ac.jp/REFORM/