カレントアウェアネス-E
No.90 2006.09.06
E537
LCの大学生向けインターンシップ
米国議会図書館(LC)では毎年,数多くのインターンシップ事業を実施している。その中でもユニークなのが,夏休みに行われる大学生向けインターンシップ“Junior Fellows Summer Internships”である。
このプログラムは,LCが1991年から行ってきた“Junior Fellows Program”を発展させたものである。2005年からは,LCの多様な業務を一通り実習した後,LC内に設置されている米国著作権局の非図書資料を「発掘」するというカリキュラムで行われている。
1870年,米国著作権局がLCに設置されて以来,LCは合計で3千万点を超える作品を,著作権登録のために受け入れている。ところが,米国の創造性の証とも言うべきこれらの資料のすべてが整理されているわけではなく,多くの「宝」が埋もれてしまっている。そこで,図書館職員,キュレーターと協同して,埋もれている宝をインターン生に発掘・整理してもらうというのである。
インターン生が掘り出したものはバラエティーに富んでいる。2005年には,マリリン・モンローがゴルフをしているホームムービー(1954年),アン・サリヴァンによる「ヘレン・ケラーの教育」と題する講演テキスト(1913年),チャーリー・チャップリンの映画「黄金狂時代」の台本(1925年)などが発見されていたが,2006年にも,プロ野球チームの写真(1906年ごろ),ホワイトハウス拡張計画の青写真(1900年),映画「猿の惑星」の楽譜(1968年)などが新たに発見された。インターン生の中には,これまで英語学を専攻してきたが,このインターンシップで興味を抱き,図書館情報学の大学院に進み司書を目指したいとインタビューに答えた学生もおり,好評を博しているようである。
Ref:
http://www.loc.gov/today/pr/2006/06-044.html
http://www.loc.gov/today/pr/2006/06-148.html
http://www.loc.gov/loc/lcib/0510/trove.html
http://www.axcessnews.com/modules/wfsection/article.php?articleid=10906