E534 – 戦禍の中のレバノン図書館界を知るブログ

カレントアウェアネス-E

No.90 2006.09.06

 

 E534

戦禍の中のレバノン図書館界を知るブログ

 

 7月に行われたイスラエル軍による爆撃により,レバノンでは南部を中心に大きな被害を受けている。図書館も例外ではなく,レバノン国内に70館ある図書館のうち33館が全壊したか,閉鎖に追い込まれている。こうしたなか,レバノン人,フランス人の図書館員有志が,文化施設,特に図書館の現状について情報を収集し,図書館ネットワークを守る活動への支援を働きかけることを目的としたブログ“Bibliban”を開設した。  

 8月末現在,投稿されている記事はまだ少ないが,爆撃を受けて閉鎖に追い込まれた図書館の地図をはじめ,電力・空調のカットによりレバノン国立図書館の資料が危機に瀕している旨の紹介,IFLA大会参加者へのアピール(国の文化や多様性を破壊するような行為に対して反対の立場を取るよう求める,など),今般の紛争により危機にさらされている文化遺産に関するブルーシールド国際委員会(ICBS)の記者発表,被災した図書館への支援を呼びかけるコメント,出版業界の被害状況(現時点で7,500万ドル以上の被害が出ているという),といった記事が並んでおり,紛争の被害を受けたレバノン図書館界の現状が把握できるようになっている。

Ref:
http://bibliban.over-blog.com/
http://libraryjuicepress.com/blog/?p=118
http://www.livreshebdo.fr/actualites/DetailsActuRub.aspx?id=257