E524 – ティーンエイジャーのインターネット利用傾向−欧州9か国調査の結果から

カレントアウェアネス-E

No.88 2006.08.02

 

 E524

ティーンエイジャーのインターネット利用傾向−欧州9か国調査の結果から

 

 欧州連合(EU)は,インターネットのより安全な利用を促進するアクションプラン“Safer Internet Plus”を2005年〜2008年の4か年計画として進めている。このアクションプランの一環として,ヨーロッパの若者のインターネット利用の傾向に関する調査が2005年1月から2006年6月にかけて行われ,その結果が発表された。  

 この調査は,ヨーロッパ9か国(ベルギー,デンマーク,エストニア,フランス,ギリシャ,イタリア,ポーランド,ポルトガル,英国)とカナダ・ケベック州の12〜18歳の9,000人を対象に行われた。回答者の94%は既にインターネットの利用経験があり,中には3歳,4歳からインターネットを利用しているという回答もあった。特に広く利用されているのは検索エンジン,電子メール,SMS(ショート・メッセージ・サービス)であり,チャット,音楽や動画などのダウンロードがこれに続く。いずれの国でも学校よりも自宅でインターネットを利用することが多いようで,学校で週に複数回インターネットを利用している人は回答者の約26%,特にイタリア,ベルギー,フランスではそれぞれ7%,9%,10%と少なかった。このほか,不用意に個人情報を明かさないなど,インターネットから身を守るための知識も一定程度有していることも明らかになっている。  

 本報告書をとりまとめたのは,フランスの情報メディア・教育連絡センター(CLEMI)である。そのこともあってか,調査対象となった9か国のうちフランスについては,別に誌面を設けて調査結果の詳細なレビューがされているが,こちらも上に述べたのと同様の傾向が見られる。CLEMIは2000年にもフランスの12〜17歳の若者を対象として同様の調査を行ったが,そのときと比べて若者のインターネット利用状況は大きく変化したという。

Ref:
http://www.clemi.org/international/mediappro/Mediappro_b.pdf
http://urfistinfo.blogs.com/urfist_info/2006/07/lecole_et_linte.html
http://europa.eu.int/information_society/activities/sip/programme/index_en.htm