E421 – 図書館へのRFID技術導入に関する調査報告書を公開(米国)

カレントアウェアネス-E

No.73 2005.12.21

 

 E421

図書館へのRFID技術導入に関する調査報告書を公開(米国)

 

 CA1574でも紹介されたとおり,去る11月,米国サンフランシスコ公共図書館(SFPL)の図書館技術・プライバシーに関する諮問委員会(LTPAC)は,図書館におけるRFID技術の導入可能性に関する報告書を刊行した。蔵書等の管理が容易になることからバーコードに代えてRFIDタグを導入する図書館は増えているが,利用者のプライバシーが侵害されるのではといった懸念は依然として消えていない。報告書では,RFID技術について想定される長所(蔵書管理にかかる手間の削減,盗難防止など),短所(個人情報漏洩の危険性,コストの増加など)をまとめ,サンフランシスコの図書館でRFID技術を導入するには更なる事前調査が必要であると述べている。

 また,この報告書に関して11月下旬までに各種団体から寄せられたコメントも,ウェブサイト上で見ることができる。米国市民自由連合(ACLU)から,RFIDの導入に慎重になったことは評価するものの,プライバシーの保護に関する点があまり考慮されていないとの指摘がされているほか,図書館利用者協会,サンフランシスコ公共図書館職員組合などからも,RFID技術の導入に懸念を表明するコメントが寄せられている。

Ref:
http://sfpl.org/news/releases/rfidreport.htm
http://www.sfpl.org/librarylocations/libtechcomm/RFID-and-SFPL-summary-report-oct2005.pdf
http://www.sfpl.org/librarylocations/libtechcomm/rfidcomments1105.pdf
CA1574