E399 – 公共セクターのコンテンツにCCライセンスを(英国)

カレントアウェアネス-E

No.69 2005.11.02

 

 E399

公共セクターのコンテンツにCCライセンスを(英国)

 

 図書館や美術館,学術機関などの公共セクターは,自機関で作成したデジタル・コンテンツをできるだけ広く利用してもらえるよう努力する必要がある。しかし,現実には,利用条件が分かりにくい,許諾交渉が面倒であるなどの問題があり,利用者にとっては必ずしも利用しやすくなっていない。

 そこで,英国情報システム合同委員会(JISC)や教育技能省(DfES),英国図書館(BL),英国放送協会(BBC)などは,こうした問題を解決するためにCommon Information Environment(CIE)を結成し,予め著作者がライセンス(利用許諾条件)を作品に表示する方法,中でも世界的に普及の進むクリエイティブ・コモンズのライセンス(CCPL;E275参照)を採用することが適切かどうかを調査してきた。この結果を纏めた報告書が10月11日に公表された。

 CIEは,コンテンツの提供者・権利者,大学などの利用者とそれぞれワークショップを開催し,利用・再利用のニーズと懸念,ライセンス表示の妥当性などについて意見を聴取した。その結果,CCPLは条件の組み合わせの柔軟性やアイコン表示の分かりやすさ,普及度などの面で,公共セクターが採用するのに適当であると結論づけられた。報告書は,今後,公共セクターはコンテンツの利用・再利用を促進させるための方針を定めること,その方針にはできる限り制約を課さないこと,枠組みを共通化するためできるだけCCPLを採用することなどを提案している。

Ref:
http://www.common-info.org.uk/news/archives/2005/10/suitability_of.html
http://www.jisc.ac.uk/index.cfm?name=cie_creativecommons
http://creativecommons.org/weblog/entry/5673
http://www.intrallect.com/cie-study/
E275