E342 – 「子どもに見せたくない」図書の扱いが議会の話題に(米国)

カレントアウェアネス-E

No.60 2005.06.15

 

 E342

「子どもに見せたくない」図書の扱いが議会の話題に(米国)

 

 米国図書館協会(ALA)では,性的描写,過激な表現や思想,暴力的描写を含み,図書館の利用者から多くの批判を受けた子供向け図書を「批判の多かった図書トップ10」として紹介している。2004年のリストには,同性愛をテーマにした図書が3タイトル含まれているが,そのうちのひとつ,絵本“King & King”について読者の声を見ると,子どものうちからこのような本を読むと健全な成長が阻害されるといった否定的意見や,多様な考えを知るためにまずは読んでみるべきといった評価など,賛否が分かれている。

 しかし,図書館などで子どもにとって不適切な図書が簡単に読める現状を問題視する声も多く,米国では,このような図書を子どもから遠ざけるための法律案や決議案の提出といった動きが,2005年に入ってからアラバマ州,オクラホマ州,ルイジアナ州の3つの州で見られる。例えば,ルイジアナ州では5月19日,「図書館において,同性愛を扱ったものや,性的描写を含む図書を置く場所には子どもを入れない」ほか,「このような図書に公の資金をつぎこまない」ことを定める決議案が提出された。この決議案は5月24日に否決されたが,決議案の提出者は,「検閲を行う」のではなく,「子どもがこのような図書を選ぶのを防ぐ仕組みを作る」必要があると述べている。

Ref:
http://www.ala.org/ala/pressreleases2005/februarya/2004mostchallengedbook.htm
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/2005abc/may2005ab/oklagay.htm
http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/detail/-/1582460612/qid=1118048348/sr=8-1/ref=pd_csp_1/104-3991659-8990360?v=glance&s=books&n=507846
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/2005abc/june2005a/lanixgay.htm