カレントアウェアネス-E
No.17 2003.07.02
E096
NLMが電子雑誌論文の出版・保存・交換に関する標準モデルを発表
米国医学図書館(NLM)は,6月10日,雑誌論文の電子的な出版・保存・交換に係る標準モデルとして「雑誌出版DTD」と「保存・交換DTD」の2つのDTD(文書型定義,注1)を発表した。「雑誌出版DTD」は「保存・交換DTD」に基づいて作られ,どちらもXMLに準拠している。これらは著作権が放棄されているため,自由な実装が可能である。NLMは,PubMed Central(注2)諮問委員会の下に,これらのDTDを維持管理する作業グループを設置するとしている。
NLMは,前者をPubMed Centralの投入データ用フォーマットとして採用するよう出版社側に促していくとしており,これらのDTDが多くの出版社で用いられる標準的なフォーマットとなることを期待している。電子雑誌に関してはこれまで共通のフォーマットは存在せず,出版社は独自のフォーマットを用いていた。フォーマットの共通化によって,出版社は電子アーカイブへの投入作業を簡素化でき,アーカイブは電子論文の保存・交換をより正確に行えるようになるという。
(注1)Document Type Definition。汎用マークアップ言語であるSGMLやXMLは,どのような要素をどのようなタグを用いてマークアップするかは用途に応じて任意に決められる。それを決めるのがDTDの役目である。(参考:アスキー デジタル用語辞典)
(注2)生命科学分野の雑誌論文を対象とした電子アーカイブで,NLMが運用している。
Ref:
http://www.nlm.nih.gov/news/press_releases/dtd_ncbi03pr.html
http://dtd.nlm.nih.gov/
http://yougo.ascii24.com/gh/78/007847.html