よりリッチな電子書籍が教育効果も高めるとは限らない(記事紹介)

2014年4月4日に米国教育研究協会(AERA)で行われたJordan Schugar氏とHeather Ruetschlin Schugar氏による発表” Reading in the Post-PC Era: Students’ Comprehension of Interactive E-Books”について、2014年4月10日付けの米New York Times紙等で報じられています。

Schugar氏らの研究では中学生を対象に、印刷体との図書と同じ図書のiPad版を渡した場合を比較し、印刷体の方が読書時の集中力が高かったとしています。その原因を調べた調査では、電子書籍版では被験者はテキストを読み飛ばし、インタラクティブな映像機能ばかり使っていたことがわかったとしています。

報道ではインタラクティブ性を高めるなど、リッチな機能等を備えた電子書籍が必ずしも集中力を高めるとは限らないとしています。一方で、テキストに直接関係しない機能を盛り込むことは集中力を削ぐものの、テキストの内容にそった効果を加える等、集中力を高めるような機能もあり得るとし、保護者や教師に対してそうした電子書籍を選ぶことなどをアドバイスしています。

Students Reading E-Books Are Losing Out, Study Suggests(The New York Times、2014/4/10付け)
http://parenting.blogs.nytimes.com/2014/04/10/students-reading-e-books-are-losing-out-study-suggests/

Enhanced eBooks Don’t Necessarily Enhance Education(The Digital Reader、2014/4/14付け)
www.the-digital-reader.com/2014/04/14/enhanced-ebooks-dont-necessarily-enhance-education/

Reading in the Post-PC Era: Students’ Comprehension of Interactive E-Books(AERA Annual Meeting 2014)
http://convention2.allacademic.com/one/aera/aera14/index.php?program_focus=view_paper&selected_paper_id=687447&cmd=online_program_direct_link&sub_action=online_program