国立国会図書館では2009年3月9日、東京本館において、2008年度に「図書館及び図書館情報学に関する調査研究」として実施した「電子書籍の流通・利用・保存に関する調査研究」の報告会を開催しました。また同時に、関西館にテレビ中継を行い、東京本館・関西館あわせて、図書館関係者、印刷・出版・ITといった電子書籍関連業界関係者など300名以上が参加しました。
本調査研究は、電子書籍を提供する新しい図書館サービスの登場、「ケータイ小説」の流行、電子書籍市場の急速な伸びといった背景を踏まえて、日本における電子書籍の流通・利用・保存の現況について、図書館とのかかわりも視野に入れながら実態を把握しようと行ったものです。各種統計や歴史的経緯の分析に加え、出版社へのアンケート調査、電子書籍関連事業者(印刷、出版、携帯電話通信、コンテンツ作成・配信等)へのインタビュー調査、国立国会図書館職員へのアンケート調査を行いました。
報告会では、長尾真・国立国会図書館長のあいさつの後、調査研究の実施に当たって組織した研究会の委員が、講師として研究成果の報告を行いました。そして最後に、参加者からの質問に答える質疑応答を行いました。
このページでは、報告会の講演の発表資料等を公開いたします。
なお、調査研究報告書につきましては、こちらをご覧ください。
プログラム:
14:05~14:15
・ごあいさつ(長尾真・国立国会図書館長)
14:20~14:40
・電子書籍概論(湯浅俊彦・夙川学院短期大学准教授)
・資料
14:40~15:00
・電子書籍の流通(萩野正昭・株式会社ボイジャー代表取締役)
・資料
15:00~15:20
・電子書籍の利用(北克一・大阪市立大学大学院教授)
・資料
15:20~15:40
・電子書籍の保存(中西秀彦・中西印刷株式会社専務取締役)
・資料
(※なお当日はこのほかに補足資料として、アスキー・メディアワークス社から許諾をいただきまして、
寺島令子「コピー誌みたいなもんですかね(同人誌かよ)の巻」
(『日常の量り売り』第273回。『週刊アスキー』2009年2月24日号掲載)
を配布いたしました。)
16:00~16:20
・まとめ(湯浅俊彦・夙川学院短期大学准教授)
・資料
・補足資料(※報告書の抜粋)
16:20~16:40
・質疑応答
・以下のような質問に、各講演講師から回答いただきました。
・Googleブック検索の動向、出版界への影響
・欧米と日本の電子書籍の相違(特に電子書籍用の読書端末について)
・現在多く利用されている電子書籍コンテンツと、図書館所蔵資料とのギャップ
・電子書籍利用者を広げるための方法
・電子書籍によるユニバーサル・サービスの可能性
参考:
図書館調査研究リポートNo.11 電子書籍の流通・利用・保存に関する調査研究
http://current.ndl.go.jp/report/no11
(報告書のページ)
2008年度国立国会図書館 調査研究報告会「電子書籍の流通・利用・保存」を開催します
http://current.ndl.go.jp/node/11595
(開催案内のページ)