E422 – OCLC,図書館の認知に関するレポートを発表

カレントアウェアネス-E

No.73 2005.12.21

 

 E422

OCLC,図書館の認知に関するレポートを発表

 

 OCLCは,12月6日,『図書館と情報資源についての認知度』と題するレポートを公開した。このレポートは,『2003 OCLC Environmental Scan』(E177参照)を受けて,情報消費者(information consumers)の情報探索行動,図書館に対する意識を調査したもので,英語を公用語とする6か国約3,300人にオンラインでアンケートを取った結果をまとめている。

 結果の主要な論点を紹介すると,情報検索の際84%の人はまず検索エンジンを使い,また90%はその性能に満足していると答えている。人々は情報の評価を自分の知識に基づいて,あるいは複数のサイトを比較参照することで行い,他人の手を借りることを好まない。さらには,無料の情報と有料の情報に信頼性の差はないと感じており,検索エンジンはライフスタイルに合っていると答えている。多くの人は図書館も利用したことがあるが,インターネットが普及してからは利用は減ったと答えている。図書館は「紙の本を借りるところ」というブランドイメージが定着しており,図書館のウェブサイトやそこから豊富な電子資源を提供していることはあまり知られていない。

 レポートは,これらの結果を踏まえた上で,図書館は伝統的な「本」のブランドイメージに安住することなく,印刷物とデジタル資源の両方をサービスする機関としてデザインし直す必要があるとまとめている。なお,自由記述のコメントも多く寄せられており,場所としての図書館(CA1580参照)についての利用者の要望を散見することができ,興味深い。

Ref:
http://www.oclc.org/news/releases/200527.htm
http://www.oclc.org/reports/2005perceptions.htm
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/2005abc/december2005ab/oclcsurvey.htm
E177
CA1580