カレントアウェアネス-E
No.65 2005.09.07
E374
ゲイツ財団,2005年は「ボート図書館」に授賞
8月15日,国際図書館連盟(IFLA)オスロ大会において,ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(E210参照)による2005年の「学習へのアクセス賞」(E245,E366参照)の受賞者が発表された。今年は,バングラデシュ北部の洪水多発地帯で,伝統的なボートを改造して移動図書館と学校を運営しているNGO,Shidhulai Swanirvar Sangsthaが選ばれ,賞金100万ドル(約1億円)が贈られた。
バングラデシュ北部には何千もの河川があり,モンスーン(季節風)の時期には洪水のため,3〜4か月間も周囲から孤立してしまうような地域である。貧困対策のために教育を施そうとしても,情報資源にアクセスすることができない。また女子に対しては,人々が家から遠く離れた学校へ通わせたがらなかった。そこで,このNGOは人々になじみのある伝統的なボートに注目した。12台のボートに発電機や太陽電池を載せ,本やマルチメディア,さらにはコンピュータと携帯電話でのインターネットへのアクセスなどを提供して河川を移動する「ボート図書館」「ボート学校」「インターネット・ボート」を運営したところ,人々に大好評で迎えられた。学校教育やコンピュータのレッスンだけでなく,近代農業や漁業の技術も提供し,生活水準の向上にも成果を発揮しているという。なお,利用者の70%以上は,これまで十分に学習機会を与えられなかった女性が占めている。
Ref:
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/2005abc
http://www.gatesfoundation.org/Libraries/InternationalLibraryInitiatives
http://www.gatesfoundation.org/Libraries/InternationalLibraryInitiatives
http://www.interconnection.org/sss/index.htm
E210
E245
E366