カレントアウェアネス-E
No.351 2018.07.26
E2043
東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2018/7/20現在)
東日本大震災後の図書館等をめぐる状況について,本誌での既報(E2013ほか参照)に続き,2018年4月中旬から2018年7月中旬までの主な情報を紹介する。
●被災地の図書館等の活動
4月12日,東日本大震災で被害を受けた涌谷町(宮城県)の涌谷公民館図書室が,「ワクワク来(らい)ぶらり」と命名されて再開した。
https://www.facebook.com/town.wakuya.miyagi/posts/993374877495421
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201804/20180413_13052.html
6月10日,大槌町(岩手県)の町立図書館等を含む大槌町文化交流センター(おしゃっち)がオープンした。
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=241293019962919&id=237174400374781
http://www.town.otsuchi.iwate.jp/gyosei/docs/2018030500016/
http://www.town.otsuchi.iwate.jp/gyosei/docs/2018032900012/files/oshatti.pdf
●デジタルアーカイブに関する動き
6月7日,浦安市(千葉県)と米・ハーバード大学エドウィン・O・ライシャワー日本研究所が,「浦安震災アーカイブと日本災害DIGITALアーカイブの連携・協力に関する覚書」を締結した。
http://www.city.urayasu.lg.jp/shisei/koho/topics/1021530/1023263/1023311.html
国立国会図書館東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)に,以下のコンテンツが追加された。
- 被災者の体験談をまとめる内閣府の「一日前プロジェクト」により集められた地震・津波に関するエピソード(6月8日)
- 2017年に原子力規制委員会で行われた記者発表及び会議等の動画(7月19日)
http://kn.ndl.go.jp/static/2018/06/8
http://kn.ndl.go.jp/static/2018/07/19
●展示
3月1日から4月15日まで,奥州市立前沢図書館(岩手県)で資料展「東日本大震災2011.3.11 ―忘れない、ずっと伝える―」が行われた。
https://www.facebook.com/oshucity/posts/1711601962229536
3月1日から4月29日まで,宮城県図書館の展示コーナーで,一般展示「支えあい・助けあい」が行われ,東日本大震災以降に行われた復興支援,防災対策に関連する図書が展示された。同館の新聞・雑誌室では,3月1日から4月30日まで,ミニ展示「あの日から7年 復興の姿とこれからの備え」が行われ,県内被災地域の復興や防災・減災についての記事が展示された。また,3月10日から6月24日までは,同館の「東日本大震災文庫」で,東日本大震災文庫展VIII「震災ボランティアを知る」が行われた。
http://www.library.pref.miyagi.jp/latest/events/exhibition/1103-oshirase-tenji-20171226-20180304.html
http://www.library.pref.miyagi.jp/latest/events/exhibition/1092-2017-10-13-00-40-4.html
http://www.library.pref.miyagi.jp/latest/events/exhibition/1110-great-east-japan-earthquake-exhibition-8.html
3月3日から4月11日まで,福島県立博物館で,特集展「震災遺産を考える -災害の歴史と東日本大震災-」が行われた。同館が中心となって活動している「ふくしま震災遺産保全プロジェクト」が保全してきた震災遺産と,過去に起こった災害に関する資料が合わせて展示された。同期間中,同館では「はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト成果展「アートで伝える考える 福島の今、未来 at Fukushima Museum」」も行われた。
http://www.general-museum.fks.ed.jp/01_exhibit/kikakuten/2017/20180303_shinsaiisan/20180303_shinsaiisan.html
http://www.general-museum.fks.ed.jp/01_exhibit/kikakuten/2017/20180303_hamanakaaizu/20180303_hamanakaaizu.html
3月30日から4月20日まで野田村立図書館(岩手県)で,また5月24日から6月15日まで八戸市立南郷図書館(青森県)で,礒崎孝男写真展「東日本大震災と復興」が行われた。
http://blog.tsdo.net/article/458500921.html
http://blog.tsdo.net/article/459600094.html
5月3日から6月6日まで,福島県立図書館で,同県文化財センター白河館(まほろん)による移動展示「まほろん移動展 被災地の文化財 双葉高校史学部の歩み」が行われた。
https://www.library.fks.ed.jp/ippan/event/tenji/2018/30_05_futaba.html
5月23日まで,一関市立一関図書館(岩手県)で,東日本大震災で被災した同県陸前高田市,大船渡市,釜石市,宮古市の復興の歩みに関するパネル展示が行われた。
https://www.facebook.com/581391861972224/photos/a.594995277278549.1073741827.581391861972224/1510078415770226/?type=3&theater
6月17日まで,岡山市立幸町図書館で,展示「つながる・これまでも・これからも-3.11あの日を忘れない-」が行われ,岡山市と復興協定を締結している宮古市(岩手県)から借用した展示パネルや本のほか,東日本大震災からの復興の様子を伝える本などが展示された。また,6月2日・7日・9日・14日には,ドキュメンタリー映画「未来へわたす-東日本大震災から5年-」の特別上映会が行われた。
http://www.ocl.city.okayama.jp/news/old/info-old_h30.html
http://www.ocl.city.okayama.jp/news/info-tenji-sati-2018may.html
●イベント,講演会,講習会,研究会など
4月21日,郡山市民プラザ(福島県)で,ふくしま歴史資料保存ネットワーク主催のシンポジウム「ふくしまの未来へつなぐ,伝えるⅡ ―地元から立ち上がる資料保全と歴史叙述―」が開催された。
https://ja-jp.facebook.com/notes/ふくしま歴史資料保存ネットワーク/シンポジウム-ふくしまの未来へつなぐ伝えるII-地元から立ち上がる資料保全と歴史叙述/728503594021941/
4月30日,筑波大学東京キャンパスで,科学研究費補助金基盤研究(A)「防災と被災地復興の基盤を形成する地域災害資料・情報学の構築―国際比較の観点から―」研究グループ主催により,フォーラム「福島の震災遺産と震災アーカイブズの構築」が開催された。
http://www.slis.tsukuba.ac.jp/futaba-archives/archives/
http://www.slis.tsukuba.ac.jp/futaba-archives/wp-content/uploads/forum1804chirashi.pdf
6月30日,南相馬市立中央図書館(福島県)で,てつがくカフェ@南相馬により「震災と復興を考える」をテーマとした「てつがくカフェ」が開催された。
https://cafephilo-minamisoma.jimdo.com/
●刊行物
『デジタルアーカイブ学会誌』2巻3号(2018年6月)が,柴山明寛氏,北村美和子氏,ボレー・セバスチャン氏,今村文彦氏の「東日本大震災の事例から見えてくる震災アーカイブの現状と課題」を掲載した。
https://doi.org/10.24506/jsda.2.3_282
『カレントアウェアネス』336号(2018年6月)が,東京都立図書館による陸前高田市立図書館(岩手県)の被災資料修復の取組等に関する眞野節雄氏の記事「資料を守り、救い、そして残すために―東京都立図書館・資料保存の取組―」を掲載した。
CA1926
●被災地を支援する動き
公益社団法人全国学校図書館協議会が,第64回青少年読書感想文全国コンクール課題図書出版社とともに,東日本大震災被災地への支援の一環として岩手県・宮城県・福島県から同課題図書の寄贈を希望する学校を募集し,6月13日に寄贈先を発表した。
http://www.j-sla.or.jp/news/sn/kadaitosyo-kizou.html
関西館図書館協力課調査情報係