E202 – 変革を迫られるGPO

カレントアウェアネス-E

No.37 2004.06.02

 

 E202

変革を迫られるGPO

 

 米国政府印刷局(GPO)は印刷事業から政府情報の提供・普及に活動の焦点を移すべきである,との提言を盛り込んだレポートを米国会計検査院(GAO)が4月28日公表した。レポートでは,GPOにおける印刷物の部数,売上,収入いずれもが近年減少してきている一方,政府情報はGPOのポータルサイト(GPO Access)から利用されることが多くなってきていると指摘した上で,こうした状況変化を踏まえGPOは誰もが必要とする政府情報にアクセスできるように,GPO Accessを強化する方向で事業計画を立て直すべきであると提言している。

 一方で,これまでにもGAO等から見直しを迫られてきた(CA1474参照)GPOは,新しい事業計画案「最後の拠り所としてのコレクション(Collection of Last Resort)」をまとめ,GAOレポート公表に先立つ4月6日に発表している。同案では,政府刊行物を紙媒体と電子的媒体の両方で長期に保存するダーク・アーカイブ(注)を作ると同時に,政府刊行物への市民のアクセスを保障するため連邦政府刊行物寄託図書館制度(FDLP)で所蔵する220万タイトルを3〜5年の間に電子化することを目指すとしている。

(注)専ら保存することに特化した、利用を前提としないアーカイブ。

Ref:
http://www.libraryjournal.com/article/CA416205
http://www.gao.gov/new.items/d04729t.pdf
http://www.access.gpo.gov/su_docs/fdlp/pubs/clr.pdf
CA1474