カレントアウェアネス-E
No.7 2003.01.15
E039
フィルターソフトは有害情報遮断に有益か?−米調査報告−
インターネット上の有害情報を遮断するためのフィルターソフトが,設定する制限レベルによっては,有益な保健衛生情報をも遮断してしまうことが明らかになった。これは,主要な6つのフィルターソフトを対象に行われたカイザーファミリー財団の調査が明らかにしたもので,この種の調査としては初めてその成果が研究論文として,査読付きの科学技術学術誌に掲載されている。それによると,最も厳しい制限レベルでは,ポルノなどの有害情報が91%遮断できるが,その一方で,同時に,25%ちかくの保健衛生関連サイトもブロックされてしまうという。
現在米国では,学校や公共図書館にフィルターソフトの導入を求めた「子どもをインターネットから保護する法律(CIPA)」が論議を呼んでおり(CA1473,E030参照),今回の調査結果についても大きな反響が寄せられている。