E684 - 全米電子新聞プログラム(NDNP)の進展

カレントアウェアネス-E

No.112 2007.08.29

 

 E684

全米電子新聞プログラム(NDNP)の進展

 

 米国議会図書館(LC)と全米人文科学基金(NEH)とが協同で実施している全米電子新聞プログラム(NDNP;CA1577参照)が,順調に進展している。

 2007年3月,NDNPの成果を提供するウェブサイト“Chronicling America”のベータ版が,LCのウェブサイトで公開された。NDNPの目的は(1)歴史的価値のある新聞のデジタル化支援,(2)ウェブサイトを通じた成果物へのパブリックアクセスの促進,(3)デジタルリポジトリの構築による成果物の長期保存の3点であり,Chronicling Americaはこのうちの(2)(3)を実現するものである。

 Chronicling Americaのウェブサイトでは,2005〜2007年のNDNP第一期の助成対象として選定された6機関がデジタル化した,1900〜1910年刊行の歴史的な新聞(2007年8月時点で約31万ページ分)を画像で見ることができる。また,同様にNEHの助成のもと,1982年から行われている全米新聞プログラム(USNP;CA1577参照)の助成で作成された,1690年から現在までの新聞のダイレクトリ(2007年8月時点で書誌情報14万件,所蔵情報90万件)も提供されている。

 またChronicling Americaはウェブサイトに加え,OAIS参照モデルに基づく長期保存・データ提供を実現するためのデジタルリポジトリ機能も有している。D-Lib Magazine誌の2007年7/8月号には,このデジタルリポジトリ構築にあたりLCの担当チームが経験した,長期保存の脅威になりかねなかった4領域(メディア,ハードウェア,ソフトウェア,オペレータ)の欠陥・エラーについて考察した論考が掲載されており,失敗を乗り越えながら着実に開発を続けている様子がうかがい知れる。

 なお2007年6月には,NEHからNDNP第二期(2007〜2009年)の助成対象として,カリフォルニア大学リバーサイド校など8機関を選定したことが発表されている。各機関は1880〜1910年に刊行された新聞をデジタル化事業を行うことになっており,このための助成金として合計約258万ドル(約3億円)が拠出されている。また2007年8月には,第三期(2008〜2010年)の助成対象として,1880〜1922年に刊行された新聞のデジタル化事業を行う機関の公募も始まっている。

 NDNPによる新聞のデジタル化事業は,今後およそ20年をかけて段階的に拡大し,最終的には1836年から1922年までの間に各州・準州(territory)で刊行された歴史的価値のある新聞のデジタル情報源を構築することが目標とされている。この目標に向かって,NDNPは第二期,第三期と着実に歩みを進めている。

Ref:
http://www.loc.gov/ndnp/
http://www.neh.gov/projects/ndnp.html
http://www.loc.gov/chroniclingamerica/
http://www.loc.gov/chroniclingamerica/about.html
http://www.loc.gov/today/pr/2007/07-057.html
http://www.loc.gov/today/pr/2007/07-132.html
http://www.neh.gov/grants/guidelines/ndnp.html
http://www.dlib.org/dlib/july07/littman/07littman.html
CA1577