カレントアウェアネス-E
No.75 2006.01.18
E434
ドイツのナショナルライセンス,対象が拡大される
ドイツ研究協会(Deutsche Forschungsgemeinschaft:DFG)は去る12月,ドイツの大学図書館における電子出版物利用のナショナルライセンスに2,150万ユーロ(約30億円)の出資を行うことを決定した。
今回,ナショナルライセンス取得の対象となるのは,1世紀以上前に発行された雑誌のデータベースや15世紀以降のヘブライ語の書誌データベース,中国の学術雑誌,NetLibraryなど30のコレクションである。こうしたコレクションを個々の図書館で揃えることは費用面で困難であることや,科学技術資料の提供における大学間格差を解消する必要があることを受けたもので,ベルリン州立大学,フランクフルト市立・大学図書館など7館が,すでにライセンス取得に向けて出版社側との調整に入っている。これら7館へのアクセスをとおして,ドイツ国内の研究者,学生,研究機関は,オックスフォード大学出版局,エルゼビア社,シュプリンガー社など11の出版社が提供するデータベース,電子ジャーナルへ自由にアクセスできるようになる。
DFGの出資によるナショナルライセンス自体は2005年5月から開始されており,18のデータベースへの自由なアクセスが既に可能となっているが,2006年5月からは,大学内ネットワークまたは設置場所を特定した端末からの利用により,あわせて50弱のデータベース,電子ジャーナルへのアクセスが可能になる。
Ref:
http://www.dfg.de/en/news/press_releases/2005/press_release_2005_80.html
http://www.dfg.de/forschungsfoerderung/wissenschaftliche_infrastruktur
http://www.dfg.de/aktuelles_presse/pressemitteilungen/2005/presse_2005_21.html