文部科学省、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」案のパブリックコメントを実施中

2014年7月3日、文部科学省は、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」案を公開し、これについて2014年8月1日までの期間、意見を公募しています。

文部科学省では、「研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース」(2013年9月26日に中間取りまとめを公開)や、「「研究活動の不正行為への対応のガイドライン」の見直し・運用改善等に関する協力者会議」による検討(2014年2月3日に審議のまとめを公開)を重ねてきました。今回意見が公募されているガイドライン案は、これらの検討を踏まえ、新たに策定されたものとのことです。

このガイドラインの見直しの基本的な方向としては、文部科学大臣決定として、新たなガイドラインを策定すること。また、従来、研究活動における不正行為への対応が研究者個人の責任に委ねられている側面が強かったことを踏まえ、今後は、大学等の研究機関が責任を持って不正行為の防止に関わることにより、対応を強化したことが挙げられるとのことです。

ガイドライン案では、例えば、不正行為の事前防止のための取組みとして、研究機関における一定期間の研究データの保存・開示については、不正行為が行われたと確認された事案について、文部科学省にて一覧化し公開することや研究活動における特定不正行為の疑惑が生じたときの調査手続や方法等に関する規程等を整備し、公表することなどが示されているようです。

なお、このガイドラインは、2015(平成27)年4月1日から適用が予定されているとのことです。第3節「研究活動における不正行為への対応」及び第4節「特定不正行為等の違反に対する措置」については、2015(平成27)年度当初予算以降(継続を含む。)における文部科学省の予算の配分又は措置により行われる全ての研究活動を対象とするとのことです。2015(平成27)年3月31日までがガイドラインの適用のための集中改革期間とされており、関係機関において実効性のある運用に向けた準備を集中的に進めることが求められているようです。

「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」案のパブリックコメント(意見公募手続)の実施について(e-Gov)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000698&Mode=0

公正な研究活動の推進に向けた「研究活動の不正行為への対応のガイドライン」の見直し・運用改善について(審議のまとめ)(文部科学省, 2014/2/3付)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/021/houkoku/1343910.htm

研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース 中間取りまとめ (文部科学省、2013/9/26付)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/25/09/__icsFiles/afieldfile/2013/09/26/1339981_02_1.pdf

参考:
文部科学省、「研究活動の不正行為への対応のガイドライン」を見直し、各研究機関における一定期間の研究データの保存・公開を義務付ける案を提示
Posted 2014年1月31日
http://current.ndl.go.jp/node/25392

文部科学省、『研究における不正行為』『研究費の不正使用』に関するガイドラインの見直し等に係る説明会を開催
Posted 2014年3月19日
http://current.ndl.go.jp/node/25724