E330 – 英国公共図書館の利用状況−最新の統計から

カレントアウェアネス-E

No.59 2005.06.01

 

 E330

英国公共図書館の利用状況−最新の統計から

 

 英国公会計公認会計士協会(Chartered Institute of Public Finance and Accountancy:CIPFA)は,イングランド,スコットランド,ウェールズ208か所の図書館行政庁を対象とした2003年度の統計をまとめ,5月20日に発表した。

 これによると,公共図書館の来館者数は前年度比4.3%増と2年続けて増加を示したが,貸出者数,図書貸出冊数はそれぞれ6.5%,5.5%減少したとのこと。また,蔵書については,図書が3.3%減少したのに対して,その他の資料(雑誌,AV資料,電子資料など)は2.2%の増加を示した。CIPFAは,公共図書館におけるコンピュータとインターネットへのアクセスの整備が進んだこと(E236参照)などから,「従来とは異なる目的(インターネットやAV資料の利用など)で図書館を使う人が増えている」ためと考察している。

 この結果を受けて,博物館・図書館・文書館評議会(MLA)の担当者は,「貸出の減少に対応するため,利用者のニーズに合った蔵書の構築が必要」と述べるとともに,「老朽化した図書館施設を改修し,人々が訪れたくなるような場所にする」必要性にも触れている。また,蔵書の減少については,英国のラミー(David Lammy)文化担当大臣からも「MLAとともに原因を調査したい」とのコメントが出ている。

Ref:
http://www.guardian.co.uk/uk_news/story/0,3604,1489034,00.html
http://www.cipfa.org.uk/press_show.cfm?news_id=23979
http://www.mla.gov.uk/news/press_article.asp?articleid=808
E236