日本情報

E2304 - フランスの図書館ではどのような本が読まれているのか?

2020年6月5日,フランス文化省は2019年版の“ Baromètre des prêts et des acquisitions dans les bibliothèques de lecture publique”を発表した。これは,公共図書館における資料の貸出・購入実績の年次動向調査の報告書であり,2014年に開始された同調査の6回目にあたる。なお,本稿では「公読書のための図書館(les bibliothèques de lecture publique)」を便宜上「公共図書館」と意訳した。「公読書(lecture publique)」とは,市民の読書の機会保障を国や自治体の責務として位置づけるフランス行政独自の概念であり,その主な担い手は公共図書館である。

米・ミシガン大学出版局、アジア研究関連の重要書籍100タイトルのコレクションをオープンアクセス(OA)により公開

2020年9月2日、米国のミシガン大学出版局(University of Michigan Press)は、アジア研究関連の重要書籍100タイトルのコレクション“Michigan Asian Studies Open Access Books Collection”をオープンアクセス(OA)により公開したことを発表しました。

東京文化財研究所、江戸時代版本のコレクション「織田文庫」をGetty Research Portalで公開

2020年9月1日、東京文化財研究所(東文研)が、収蔵する江戸時代の版本のコレクション「織田文庫」を、Getty Research Portalで公開したことを発表しました。

同研究所は、米国のゲッティ研究所との共同事業として、同ポータルとの連携を進めています。「織田文庫」は、石版画家の織田一磨が収集した葛飾北斎の絵入り版本を中心としたものであり、発表によると、同文庫の135タイトル318冊全てがデジタル化され、同ポータルサイト上で書誌情報とPDFによる電子図書がオンラインで公開されました。

また、今後も同研究所が所蔵する江戸時代版本のデジタル化を進める予定であることが述べられています。

新着情報(東文研)
https://www.tobunken.go.jp/index_j.html
※2020年9月1日付で、「ゲッティ・リサーチ・ポータルでの江戸時代版本(織田文庫) 公開のお知らせ」という新着情報が掲載されています。

韓国国立中央図書館(NLK)、過去10年間の夏季休暇期間(7月から9月)における公共図書館の貸出データの分析結果を公表

2020年7月28日、韓国国立中央図書館(NLK)が、過去10年間(2010年から2019年)の夏季休暇期間(7月から9月)における全国1,048館の公共図書館の貸出データ2億4,171万6319件分の分析結果を公表しました。

まず、貸出量は当該期間が最も多く、1月から3月、10月から12月、4月から6月、と続きますが、これは、児童生徒の夏休みや社会人の休暇による読書量の増加によるものとしています。

次に、貸出上位100件を分析した結果、申京淑『母をお願い』が最も多く貸し出され、東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』、チョン・ユジョン『七年の夜』と続きます。

文学分野では韓国文学の人気が高く、エッセイや散文などは2010年代後半以降より多く読まれるようになったとしています。海外文学では2010年代初頭には英米文学とフランス文学が主流を占め、2017年・2018年は日本文学の人気が目立つが2019年にやや減少したとしています。

韓国・国会図書館(NAL)、人工知能(AI)を活用した日本法の自動翻訳サービスの開発に関し、NAVERと協定を締結

2020年7月20日、韓国・国会図書館(NAL)が、人工知能(AI)を活用した日本法の自動翻訳サービスの開発に関し、NAVERと協定を締結したと発表しています。

NALが保有する約1万2,000件の外国法の翻訳資料のデータをAIの学習資料としてNAVERに提供し、NAVERがこのデータを活用して日本法の分野に特化したAI翻訳システムを開発するものです。

同館に対する、国会議員や立法支援機関からの、世界的な法制や海外の立法事例に関する照会が毎年拡大していること受けてのもので、今回の協定締結により、国会内でリアルタイムに翻訳サービスを提供できる環境を構築することで、これまで少なくとも3日から20日かかっていた翻訳サービスの期間を短縮することが期待されています。

また、自動翻訳サービスは一定期間の国会内での試験サービスの後、NALのウェブサイトで提供されます。

オーストラリア国立図書館、新たな収集戦略とコレクション構築方針を公表

2020年7月1日、オーストラリア国立図書館(NLA)は、新たな収集戦略“Collecting Strategy 2020-21 – 2023-24”と、コレクション構築方針“Collection Development Policy”を公表しました。これらの戦略・方針は、2020年4月にオーストラリア国立図書館評議会(National Library of Australia Council)での承認を経たものであり、2020年7月1日から実施されます。

新たな戦略・方針における特徴の一つとして、国外発行資料の収集に関し、数十年前からの減少傾向が今後も続くことが示されています。収集戦略では、中国・インドネシア・太平洋地域(パプアニューギニア、ソロモン諸島、バヌアツ、フィジー、ニューカレドニア、東ティモールを含む)の優先順位が高く設定されており、それら以外の国・地域の資料収集はリソース上の制約から減らす必要がある、と述べています。

日本を含むアジア関係資料の収集範囲縮小をもたらす内容であるため、2020年5月には、オーストラリアの日本研究者や東亜図書館協会(CEAL)から再考を求める声明も発表されていました。

オーストラリア国立図書館によるアジア関係資料の収集範囲縮小への批判(記事紹介)

日本資料専門家欧州協会(EAJRS)のウェブサイトに、2020年5月28日付けで“National Library of Australia's Asia collection”という記事が掲載されています。筆者はオーストラリア国立大学名誉教授のテッサ・モリス=スズキ氏であり、オーストラリア国立図書館(NLA)によるアジア関係資料の収集範囲縮小とアジア閲覧室の閉鎖に関し、NLA館長に再考を求めるための署名活動への参加を呼びかけています。

NLAは、数十年にわたる資料収集によりアジア関係資料の優れたコレクションを所蔵していますが、同記事によれば、国外で出版された日本・北朝鮮・韓国・東南アジア本土に関する資料収集を中止し、潜在的には中国・インドネシア・太平洋地域に関する資料の収集も大幅に削減するという新たな方針を決定しました。

同記事では、NLAのコレクションが利用できることを前提として、多くの国内の大学でアジア関係資料の収集が大幅に縮小されていることを指摘し、そのような状況を踏まえた上で今回のNLAによる方針変更を考える必要がある、としています。

米・プリンストン大学と京都大学、京都大学総合博物館蔵「淡輪文書」をデジタル化し各大学で公開:両大学による共同事業

米・プリンストン大学と京都大学との共同事業として、京都大学総合博物館蔵「淡輪(たんのわ)文書」がデジタル化公開されました。

2020年3月に正式に締結された、京都大学総合博物館、京都大学文学研究科、京都大学図書館機構及びTrustees of Princeton University on behalf of the Department of East Asian Studiesによる、京都大学総合博物館が所蔵する古文書のデジタルイメージの公開及び当該古文書の研究に関する協定によるものです。

同協定は、全世界において日本の歴史及び文化の知識及び理解が深められることを目的としています。

デジタル画像は、京都大学においては、「京都大学貴重資料デジタルアーカイブ」にて公開されています。

また、プリンストン大学では、東アジア研究部のコンラン(Thomas Conlan)教授の「古代・中世の日本史の史料」を受講する学生と聴講生が、同文書を翻訳し、ウェブサイトで公開しています。各文書の画像をクリックすると翻刻と翻訳を見ることができます。

国立公文書館アジア歴史資料センター、 米・スタンフォード大学フーヴァー研究所「邦字新聞デジタル・コレクション」搭載の『日米新聞』(The Japanese American News)が検索可能になったと発表

2020年3月30日、国立公文書館アジア歴史資料センターは、 米・スタンフォード大学フーヴァー研究所の「邦字新聞デジタル・コレクション」搭載の『日米新聞』(The Japanese American News)が検索可能になったと発表しています。

同紙は、1899年にサンフランシスコで創刊されたもので、1899年4月から1942年5月までの紙面を検索・閲覧することができます。

@JacarArchivesJP(Twitter, 2020/3/30)
https://twitter.com/JacarArchivesJP/status/1244792173205188609

国際日本文化研究センター、『世界の日本研究 2019』を刊行:全文をオンライン公開

2020年3月25日、国際日本文化研究センターは、『世界の日本研究 2019』の刊行を発表しました。

1990年に創刊された、海外の日本研究の動向に関する情報を掲載する不定期出版物『世界の日本研究』の最新号であり、同センターの研究成果を公開する学術リポジトリ「日文研オープンアクセス」で全文が公開されています。

トピックス一覧(国際日本文化研究センター)
http://topics.nichibun.ac.jp/pc1/ja/arrival
※2020年3月25日付けのトピックスに「『世界の日本研究 2019』を刊行しました」とあります。

世界の日本研究(日文研オープンアクセス)
http://publications.nichibun.ac.jp/pc1/ja/data/seni/

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