ユーザーの所属機関がScienceDirectを購読している場合には、ScienceDirect上の“Access through your institution”ボタンをクリックすることで、所属機関の認証を経てアクセス環境を問わず購読中のScienceDirectのコンテンツへアクセスすることが可能となります。“SeamlessAccess.org”は、ユーザーの選択した機関情報を記憶し、米国情報標準化機構(NISO)の推奨基準に準拠しながら、プライバシーを保護しつつ別のサービス導入サイトへの安全な転送を行うため、一度機関認証を受けたユーザーは、サービスを導入したプラットフォームへ移動する際に認証を繰り返す必要はなく、「シームレスに」プラットフォーム間を移動できる、と案内しています。
2020年3月2日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、LIBERの下に設置された「図書館の連携認証管理(Federated Identity Management For Libraries:FIM4L)」ワーキンググループがシングルサインオン(SSO)認証実施のための10の推奨原則の草案を公開し、パブリックコメントを募集していることを発表しました。
SeamlessAccess.orgは、電子リソースのアクセス向上に関する国際STM出版社協会(STM)と米国情報標準化機構(NISO)による共同イニシアチブResource Access for the 21st Century(RA21)のガイドラインに基づいて構築された、簡便な電子リソースアクセス認証に関する新サービスです。NISO、STM、ORCID等の利害関係者がサービスを共同運営しています。複数の場所から複数の端末でアクセスするという利用形態の変化を背景に、十分に機能しなくなってきた既存のIPアドレスによる利用者認証に代わって、シングルサインオン(SSO)環境を活用した簡便で有効な利用者認証サービスの提供を目指しています。
また、ポート番号で中継先を振り分けするオプションEZproxy’s Proxy by Portについて、多くの一般的な電子リソースサイトとの互換性がないことから、2020年9月30日をもってサポートを終了することが合わせて発表されています。同オプションを利用している場合には、サポート終了後は中継先をホスト名で振り分けするように案内しています。