情報アクセス

徳島県、「徳島県読書バリアフリー推進計画(骨子案)」に対するパブリックコメントを実施中:読書バリアフリー法第8条第1項に基づく計画策定

徳島県が2021年3月10日から4月9日まで、「徳島県読書バリアフリー推進計画(骨子案)」に対するパブリックコメントを実施しています。

2021年1月、徳島県は、視覚障がい者等の読書環境を整備・充実させることにより、全ての県民が等しく文字・活字文化の恵沢を享受できる社会の実現を図るため、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)」第8条第2項に基づいて学識経験者・福祉関係者・障がい者団体等関係者・教育関係者・ICT関係者・図書館関係者・ボランティア関係者で構成する「徳島県読書バリアフリー推進協議会」を設置しました。徳島県教育委員会は、同協議会の協議・提言等を取り入れながら、同法第8条第1項に基づく徳島県における読書バリアフリー推進計画の策定を進めています。

公開された同計画の骨子案は、計画の概要・視覚障がい者等の読書に係る現状・計画の基本方針・施策の方向性などを示しています。

米国のシンクタンク・ニューアメリカ、パンデミック下の米国における公共図書館サービスの利用に関する調査報告書を公開:オンラインリソースの利用に焦点を当てた調査

2021年3月1日、米国のシンクタンク・ニューアメリカは、パンデミック下の米国における公共図書館サービスの利用に関する調査報告書“Public Libraries and the Pandemic:Digital Shifts and Disparities to Overcome”を発表しました。

ニューアメリカは、新型コロナウイルス感染症の流行前後における、公共図書館とそのオンラインリソースに関する利用・アクセスの変化を把握するため、定量的・定性的な手法を用いた調査を行いました。一つ目の調査は、米国の成人を対象にしたオンラインの標本調査(2020年9月~10月に実施、回答者数2,620人)、二つ目の調査は教育者を対象としたオンライン調査(2020年12月に実施、回答者数118人)です。これらの調査では、図書館に対する意識や態度、図書館が提供するオンラインリソースの利用状況、パンデミックが利用パターンに与えた影響が調査対象となりました。また、図書館側の指導者層を対象としたインタビュー調査も実施しています。

米国の非営利団体“Fight for the Future”、デジタル出版時代のアクセシビリティ・利用可能性の不平等を可視化するウェブサイト“Who Can Get Your Book?”を公開

2021年2月24日、デジタル時代の権利擁護を目的として活動する米国の非営利団体“Fight for the Future”は、デジタル出版の展開に伴う書籍のアクセシビリティ・利用可能性の不平等の存在を可視化するツールとして、ウェブサイト“Who Can Get Your Book?”を公開したことを発表しました。

“Fight for the Future”は、高額なライセンス契約・Amazonの流通独占等のため、電子書籍やオーディオブックのようなデジタルフォーマットによる出版が、公共図書館・公教育機関・独立系書店等の提供を妨げ、結果として視覚障害者や低所得者の情報アクセスを制限し、アクセシビリティ・利用可能性に関する不平等を拡大していることを指摘しています。

公開された“Who Can Get Your Book?”では、紙書籍・電子書籍・オーディオブックそれぞれの出版方法について、著者・出版社を想定したクイズを提供しています。クイズの回答内容により、公共図書館・公教育機関・独立系書店に対するアクセシビリティ・利用可能性の評価、及び総合評価が与えられます。

機関がOA方針を採択する要因:2校の研究大学を対象とした調査(文献紹介)

2021年2月25日付で、Pacific University Librariesが刊行するオープンアクセス(OA)査読誌“Journal of Librarianship and Scholarly Communication”に、研究論文“The Factors Significant to the Introduction of Institutional Open Access Policies: Two Case Studies of R-1 Universities”が掲載されました。著者は米・ペンシルベニア州立大学のLeo S. Lo氏です。

この論文は、機関がOA方針を採択する要因を理解することを目的としています。調査は、過去5年以内にOA方針を実装したカーネギー分類でR1(最高度の研究活動)に分類される米国の大学2校を対象として実施されました。調査方法として、ステークホルダへのインタビュー等の定性分析が採用されています。

国際学術会議、デジタル時代の学術出版に関する報告書を公開

2021年2月22日、国際学術会議(International Science Council:ISC)が報告書“Opening the record of science: making scholarly publishing work for science in the digital era”を公開しました。このレポートは国際学術会議の進行中のプロジェクト「学術出版の未来」の最初の成果であり、学術出版システムの原則と優先事項についての共通の見解を確立することを目的としています。レポートでは、下記について述べられています。

・学術出版の根底にあるべき一連の規範的原則の提案
・現在の出版の概観とその軌跡
・原則の遵守状況の調査
・原則を実現するために取り組む必要のある課題の特定

学術出版の原則として下記を挙げているほか、その原則についての課題・取り組むべき事項も示しています。

オーストラリア図書館協会(ALIA)、Facebookがオーストラリア国内のユーザーに対するニュース共有・閲覧制限措置として公衆衛生関連ニュース等を削除したことに反発

2021年2月18日、オーストラリア図書館協会(ALIA)は、前日17日付でFacebookがオーストラリア国内のユーザーに対するニュース共有・閲覧制限措置として、ニュース記事の削除を行ったことを受けて声明を発表しました。

ALIAは、Facebookからの削除対象に、ALIAを含むオーストラリア国内の美術館・図書館・文書館・博物館等の主要団体が発行したニュース記事や、公衆衛生・安全衛生等を所管する政府機関発行のニュース記事が含まれていることを指摘しています。そして、営利企業であるFacebookは取り扱いするコンテンツの選択が可能であるとはいえ、外部機関が制作したコンテンツに依拠して事業を展開し、ユーザーもFacebookから重要な情報へアクセスできることを期待している以上、そのような情報へのリンクを維持する社会的責任が存在するなどの理由により、削除コンテンツの再掲載を求めています。

ALIAはこの声明への追記として、2月19日の朝時点で大半の情報の再掲載を確認したものの、今後も状況を注視する旨を説明しています。

国際図書館連盟(IFLA)、ミャンマー国軍のインターネット遮断による情報アクセス制限に対して会長・事務局長名で深い憂慮を表明

2021年2月9日、国際図書館連盟(IFLA)は、ミャンマー国内でインターネット遮断などの情報アクセス制限が行われているという報道を受けて、マッケンジー(Christine Mackenzie)会長とライトナー(Gerald Leitner)事務局長の連名で深い憂慮を示した声明を発表しました。

声明では、情報アクセスは権利と発展の原動力であるという確信が図書館活動の根底にあり、これを制限することは、短期的な弊害を生み出すとともに、長期的にも傷跡を残し進歩を遅延させるとして、深刻な問題であることを指摘しています。その上で、インターネット遮断による情報アクセス制限は、図書館が自らの使命を果たすための機能を阻害し、経済・社会・文化・市民参加に著しい制限をかける措置であるとして、ミャンマー国内の図書館の国際的な基準に沿った自由な運営と、図書館利用者の情報アクセス権の行使の支援について、ミャンマー政府がこれを保証するように要求しています。また、ミャンマー国民の情報に関わる権利行使の保証に、最大限の努力が図られることを求めています。

報道等によると、2021年2月1日にクーデターで政権を掌握したミャンマー国軍は、市民による抗議活動の組織化の阻止のため、2月6日から7日にかけて国内のインターネット接続の遮断を実施しました。

フィンランド国立図書館、2021年から2030年までの新戦略を発表

2021年2月2日、フィンランド国立図書館は、2021年から2030年までの同館の新戦略を発表しました。

フィンランド国立図書館は、オープンサイエンスの推進や運営・サービス開発等における「オープン(Openness)」、図書館サービスの質・利用者志向性・公平性の改善などの「刷新(Renewal)」、情報への平等なアクセスと学術研究成果の普及を基盤とした「教養(Bildung)」を2021年から2030年までの図書館運営の基礎にすることを、同戦略の中で表明しました。オープンな図書館運営で、様々な領域で刷新を図ることにより、フィンランド社会における教養の地位の強化を目指して、次の4領域を戦略的選択と開発に取り組む分野としています。

1. 公共の利益のための文化遺産
2. 学術コミュニティの中心としての国立図書館
3. 教養・学習基盤としての国立図書館
4. ネットワーク連携を通した強靭な専門知のハブの創出

新戦略の全文は、フィンランド国立図書館が運営するリポジトリ“Doria”で公開されています。

視覚障害者等が手で触れて歴史を理解する展示:香港城市大学図書館によるデジタルメディアを活用した取組(文献紹介)

2021年2月に刊行された、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries News”のVol.82, no.2に、香港城市大学邵逸夫(Run Run Shaw)図書館のSteve Ching氏と“Lighthouse Heritage Research Connections”プロジェクトのBrad New氏による記事“Touching history: Activating historical materials and enhancing inclusivity in the library”が掲載されています。

同館では、学生や市民に香港のアーカイブ資料に触れてもらう機会を増やすためのプロジェクトとして、香港の歴史の大部分を占める「海洋史」をミクロな観点からもグローバルな観点からも明らかにする事ができる「灯台」に焦点をあてた“Lighthouse Heritage Research Connections(灯台遺産研究コネクションズ)”プロジェクトに取り組んでいます。

ストラスクライド大学(スコットランド)、新型コロナウイルス感染症の影響による英国の公共図書館の変化をテーマとした研究プロジェクトを実施中

2021年1月28日付のお知らせとして、スコットランドのグラスゴーに所在するストラスクライド大学(University of Strathclyde)が、同大学のコンピューター・情報科学部(Department of Computer & Information Sciences)の研究者を中心とした研究プロジェクト“Downloading a new normal”の実施について発表しています。

同プロジェクトは、英国研究イノベーション機構(UKRI)の「新型コロナウイルス感染症緊急対応プログラム(COVID-19 Rapid Response programme)」の下で、英国芸術・人文科学研究会議(AHRC)の助成により、2020年12月から2022年2月までの期間に取り組まれています。英国の公共図書館において、新型コロナウイルス感染症の拡大が紙資料の利用から電子資料の利用への移行を加速させたことを受けて取り組まれるプロジェクトです。情報提供・オンラインフォーカスグループ・図書館ウェブサイトの分析・委託による全国調査などを組み合わせて、電子資料の利用に関連した利用者のプライバシーに対する懸念の問題、デジタルディバイド解消のための対応、利用者の情報行動の変化等に関する研究が行われる予定です。

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