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アーカイブズにおける、利用者からのデジタル化の要望への対応:対応判断のワークフロー(文献紹介)

2021年6月1日付で、Journal of Copyright in Education and Librarianship誌のVol.5 No.1に、米国のノーステキサス大学図書館に所属するKevin S. Hawkins氏とJulie Judkins氏による論文“Formulating a Scalable Approach to Patron-Requested Digitization in Archives”が掲載されています。

論文の中では、同大学を含め、新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴い、利用者からの資料デジタル化・共有の要望が増えたことや、これまでに発表されたワークフローや方策等に触れています。そして、米国著作権法の規定に基づいたリスク評価を踏まえ、利用者から寄せられるアーカイブズ資料のデジタル化要望への対応を迅速に判断するためのワークフローを示しています。

また、コロナ禍以降においてもコレクションをリモートで提供できるようなポリシーの策定を行うため、専門家委員会を設置することを提案しています。

フランス・アンドル=エ=ロワール県文書館、クラウドソーシングによるインデックス作成プロジェクトを開始:1836年から1936年の国勢調査資料が対象

2021年5月31日、フランス・文化省が運営するポータルサイトFranceArchivesの公式Twitterアカウントに、アンドル=エ=ロワール県文書館が、クラウドソーシングによるインデックス作成プロジェクトを開始したと投稿されました。

対象は1836年から1936年までの国勢調査の資料であり、資料へのアクセスの容易化・促進、資料に関する記述の充実が目的とされています。

@FranceArchives(Twitter, 2021/5/31)
https://twitter.com/FranceArchives/status/1399336607245910017

韓国・ソウル特別市西大門区、一人暮らしの高齢者や福祉施設利用者にオーディオブック端末や電子書籍端末の貸出を行う「訪問型電子図書館事業」を開始

2021年5月31日、韓国・ソウル特別市西大門区が、6月から、一人暮らしの高齢者や、福祉施設の利用者を対象に、オーディオブック端末や電子書籍端末の貸出を行う「訪問型電子図書館事業」を実施すると発表しています。

一人暮らしの高齢者には、健康・文学・歴史分野のコンテンツが収録されたオーディオブック端末100台が貸出されます。高齢者でも使いやすい機器となっており、また、読み上げ機能もあるため、視覚障害者の利用も想定されています。

区内9つの福祉施設(高齢者・障害者・多文化支援)には電子書籍端末100台の貸出が行われます。端末搭載のコンテンツに加え、西大門区立図書館が提供する電子書籍も利用できます。文字を拡大しての利用も想定されています。

端末の貸出期間等の詳細な運営規定は参加機関が決定します。また、一人暮らしの高齢者や福祉施設利用者を対象とした端末の利用方法に関する講座を開催するほか、端末の利用状況を監視して効果を分析しサービスの改善も推進するとしています。

フィンランド国立図書館、同館の日本関連コレクションをオンラインで検索可能に

2021年5月31日、フィンランド国立図書館が、同館の日本関連のコレクションを、統合検索サービス“finna”上でのオンライン検索を可能にしたと発表しました。

検索可能となったのは、 “Japonica collection”と“Buddhist collection”です。これらのコレクションは、これまで紙でのみ目録が作成されており、オンラインでの検索ができなかったと述べられています。

“Japonica collection”は、20世紀初期にヘルシンキ大学が、フィンランドの初代駐日公使であるG. J. Ramstedt等から寄贈を受けた和書等、約620タイトル1,400冊以上で構成されています。“Buddhist collection”は、1968年に駒澤大学と愛知学院大学から寄贈を受け、1973年に補完されたものであり、主に仏教関連の文献で構成されています。

なお、資料はフィンランド在住者が利用でき、特別コレクションに該当する資料は特別コレクションの閲覧室で利用可能とされています。

江戸川区立西葛西図書館(東京都)、「50代からのいちばんわかる『SNS・スマホ講座』」を開催

東京都の江戸川区立西葛西図書館が、2021年6月20日に、「50代からのいちばんわかる『SNS・スマホ講座』」を開催します。

オンラインのパソコンスクールの運営者を講師に招き、50歳以上を対象にして、SNS・スマートフォンの使用にあたってのポイントを学ぶものです。定員は30人です。

受講にあたってはスマートフォン・タブレットが必要で、事前にTwitterのアプリをダウンロードしアカウントを開設する必要があります。アカウントの開設が難しい場合は当日同館職員が開設の支援を行うとしています。

50代からのいちばんわかる「SNS・スマホ講座」(江戸川区立図書館)
https://www.library.city.edogawa.tokyo.jp/toshow/event/event_5509.php

総務省、「デジタル活用支援 令和3年度事業実施計画等」を公表:主に高齢者のデジタル活用を支援する「講習会」を開始

2021年5月18日、総務省が、3月より開催してきた「デジタル活用支援アドバイザリーボード」における検討を踏まえて査定した「デジタル活用支援 令和3年度事業実施計画等」を公表しています。

デジタル活用に不安のある高齢者等の解消に向けて、6月から、デジタル活用支援推進事業(補助事業)として、全国1,800箇所程度において、主に高齢者のデジタル活用を支援する「講習会」を開始するとしており、携帯キャリアが携帯ショップで実施する類型Aと、地元ICT企業やシルバー人材センター等が地方公共団体と連携して公民館等で実施する類型Bが計画されています。

講習会では、マイナンバー関係や行政手続きに加え、アプリのインストール方法や地図アプリ・キャッシュレス決済アプリの使い方といったニーズの高い内容とセットで取り扱うとしています。その他、高齢者等が詐欺等にあわないように、セキュリティ対策を含めたスマートフォン等の安全な利用のために必要な知識についても取り扱う等するとしています。

戸田市(埼玉県)、市職員が新型コロナウイルスのワクチン接種予約を手伝う「高齢者ワクチン接種 予約おたすけ窓口」を図書館本館を含む公共施設等に設置

2021年5月17日、埼玉県戸田市が、市職員が新型コロナウイルスのワクチン接種予約を手伝う「高齢者ワクチン接種 予約おたすけ窓口」を、市役所1階や市内公共施設に設置すると発表しています。

開始日は5月18日で、市内公共施設16か所においては、原則、各施設の開所時間に開設されます。設置施設には、戸田市立図書館本館も含まれています。

[記者発表資料]「高齢者ワクチン接種 予約おたすけ窓口」設置(戸田市,2021/5/17)
https://www.city.toda.saitama.jp/site/press/hisyo-press2021-otasukemadoguchi.html

米・アレン人工知能研究所(AI2)、Semantic Readerのベータ版を公開

米国のアレン人工知能研究所(Allen Institute for AI:AI2)による学術文献検索サービス“Semantic Scholar”のTwitterアカウントでの2021年5月12日付け投稿において、“Semantic Scholar”に関連するサービスとして、”Semantic Reader”のベータ版公開が発表されています。

科学論文を読むときの課題として、用語や数学記号の定義、引用論文の詳細を探すために、頻繁にページを行き来しなければならないということが挙げられます。Semantic Readerは、関連のない情報を暗く表示させ、論文中で定義や引用論文の詳細を提供することによって、この課題の解決を図ります。

Semantic Readerは、AI2のSemantic Scholarのチーム、米国のカリフォルニア大学バークレー校、米国のワシントン大学による、科学論文を読むためのインターフェース“ScholarPhi”のプロジェクトから開発されたものです。ScholarPhiはアルフレッド・P・スローン財団より一部助成されています。ScholarPhiのユーザビリティ調査では、ScholarPhiを使用すると、PDFリーダーよりも、論文の深い理解が必要な質問への回答までの時間が短くなることが判明しました。

米国連邦通信委員会(FCC)、コロナ禍における学校・図書館によるインターネット接続機器購入を支援する「緊急接続基金」施行のための最終規則を採択

2021年5月10日、米国連邦通信委員会(FCC)が、「緊急接続基金」(Emergency Connectivity Fund)施行のための最終規則を全会一致で採択したと発表しています。

コロナ禍においてノートパソコン・タブレット・Wi-Fiのホットスポット・ブロードバンド接続を必要としている学生・学校職員・図書館利用者を支援するために、学校や図書館がそれらを購入することを可能とする内容で、米国救済計画法(American Rescue Plan Act of 2021:ARPA)から71億7,000万ドル規模の資金が拠出されます。

米国図書館協会(ALA)では、図書館が多くの人々にサービスを提供するため、緊急基金に申請し、助成を受けるために必要な情報を確実に入手できるよう引き続き取り組むとしています。

フィンランドの「公共図書館におけるデジタルメディアのサービスコンセプト」に係るプロジェクト:電子サービスを調整する単一の運営体の設置を推奨(記事紹介)

オンラインサービスへのアクセスを図書館ネットワークとして提供するフィンランドのLibraries.fiが、2021年4月28日付の記事において、フィンランドの教育文化省からの助成を受けて行っている「公共図書館におけるデジタルメディアのサービスコンセプト」に係るプロジェクトの紹介を行っています。

同プロジェクトは、現在の図書館の電子資料の利用可能性は自治体によって異なっており、利用者にとっても職員にとっても利用が難しいという課題認識のもと行われています。

広告会社WPPのコンサルティング部門Kantar TNSが、2021年1月22日から2月4日にかけて実施した調査では、図書館の電子サービスにおいて利用者が重視するのは「質」や「使いやすさ」であるものの、回答者の56%が図書館のオンラインサービスに全く、もしくは、あまり関心がないと回答する等、図書館の提供している電子サービスが時代に追い付いていないとし、第1段階まで終了した同プロジェクトでは、より幅広い資料にアクセスできるよう、全ての関係者(出版社、フィンランド出版協会、作家団体)と協力し、電子サービスを調整する単一の運営体を設置することを推奨しています。

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