学術情報

研究データ利活用協議会(RDUF)小委員会によるリポジトリ運営に関する文書や日本語訳「データ引用原則の共同宣言」等が公開

研究データ利活用協議会(RDUF)のウェブサイトで、RDUF小委員会の成果物として各種文書が公開されています。

ジャパン・データリポジトリ・ネットワーク(JDARN)小委員会(2018年9月以前は「国内の分野リポジトリ関係者のネットワーク構築」小委員会)の成果物としては、2018年10月から2019年9月までの活動報告と共に、データリポジトリの認証機関CoreTrustSealの認証の要件をアイテムごとに整理した「CTS要求事項とアイテム」、研究データの一般的な運営体制をまとめた「研究データリポジトリ運営体制表」、運営体制表で整理した役割に応じて必要となるドキュメントや取るべきアクションをまとめた「リポジトリにおける役割・ドキュメント・アクション」、及び「研究データリポジトリ整備・運用ガイドライン(JDARN案)」が掲載されています。

また、2019年1月から活動しているリサーチデータサイテーション(RDC)小委員会の成果物として、研究データの流通や活用を推進する国際イニシアティブFORCE11が2014年に公開した“Joint Declaration of Data Citation Principles”の同小委員会による日本語訳「データ引用原則の共同宣言 - 最終版」が公開されています。

科学研究用ソフトウェアに関する米国の科学者向け著作権ガイドが公開される

ソフトウェアへの長期アクセスのための団体Software Preservation Network(SPN)は、2019年12月17日付けのTwitterにおいて、科学研究用ソフトウェアに関する著作権ガイド“Copyright Guide for Scientific Software”が公開されたことを紹介しています。

米・ハーバード大学ロー・スクールのCyberlaw Clinicと、米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの共同プロジェクトの成果であり、SPNも同プロジェクトに対し協力を行いました。

ガイドはリポジトリZenodo上で公開されています。米国の科学者向けに、米国の著作権法に焦点を当てた内容となっており、著作権と科学研究用ソフトウェアの関係、他者が作成したソフトウェアを使用する上での注意、自らが作成したソフトウェアを他者が使用・引用しやすくするための留意点などが簡潔にまとめられています。

国際大学(新潟県)と国際基督教大学がProQuest社のデータベース“ProQuest One™ Academic”を国内で初めて導入

2019年12月15日付のProQuest社のお知らせで、新潟県の国際大学(IUJ)と東京都の国際基督教大学(ICU)が、同社のデータベース“ProQuest One™ Academic”を導入したことが発表されています。同社はIUJとICUが日本で最初の“ProQuest One™ Academic”の導入機関である、としています。

“ProQuest One™ Academic”は、大学教員と学生を対象として、研究・教育・学習の成果改善のための単一のソリューションを提供するデータベース製品です。全分野の文献データベース“ProQuest Central™”、電子書籍データベース“Academic Complete®”、学位論文データベース“ProQuest Dissertation & Theses Global™”、ストリーミング動画データベース“Academic Video Online”といった同社の代表的なリソースを含んでおり、175以上の主題に渡る全てのコンテンツが単一のインターフェースで、利用可能かつ横断検索可能となっています。

米・SPARCによるElsevier社がオープンアクセス(OA)要項受諾の見返りに同社のデータ分析製品の購入を研究機関へ要求している問題への警鐘(記事紹介)

米・SPARCは2019年12月10日付で、“Leaked Dutch Contract with Elsevier Raises Significant Alarm Bells”と題した記事を投稿しました。

同記事は、Elsevier社とオランダ大学協会(VSNU)との契約交渉漏洩の報道により明らかとされた、同社が学術雑誌契約におけるオープンアクセス(OA)要項を受諾することの見返りに、同社のデータ分析製品購入をVSNUへ要求している問題について、重大な警鐘を鳴らす目的で発されたものです。契約内容の正確な詳細は不明でありElsevier社は報道には誤りがいくつか含まれていると主張しているものの、SPARCは大筋では信頼できるものであるとして、このような契約に署名することは非常に問題があり、研究機関やコンソーシアムは短期的な利益を追求する前にその影響をよく検討すべきであると警告しています。

SPARCはこうした契約の問題点として以下の5点を挙げています。

1. 出版に関する契約とデータに関する契約が結び付けられることは、一方のみの解約などの柔軟性が制限される可能性があり問題である。

2. データ分析事業において出版コンテンツを持つ事業者への独占・寡占を促す可能性がある。

Clarivate Analytics社の科学情報研究所(ISI)、共著論文の計量書誌学上の影響関係を分析した調査報告書を公開

2019年12月4日、Clarivate Analytics社は、計量書誌学手法の開発等に従事する同社の事業部門である科学情報研究所(Institute for Scientific Information:ISI)が、共著論文の計量書誌学上の影響関係を分析した調査報告書“Multi-authorship and research analytics”を公開したことを発表しました。

Web of Science(WoS)のデータに基づいて分析が行われ、次のようなことが指摘されています。

機関リポジトリにセルフアーカイブされる著作物の権利問題に関する資料種別ごとの実用的な担当者向けガイド(米国)(文献紹介)

2019年11月30日付けで、Journal of Copyright in Education and Librarianship誌のVol. 3 No. 3に、“Checking Rights: An IR Manager’s Guide to Checking Copyright”と題する記事が掲載されています。記事は米・西オレゴン大学のStewart Baker氏・Sue Kunda氏の共著により執筆されました。

同記事は米国の機関リポジトリ担当者を想定して、登録される代表的な資料の種別、資料種別ごとの潜在的な著作権問題、その他の考慮事項、参考になる情報源等を解説・紹介した実用的なガイドとして作成されています。

まず資料種別によらず、担当者が抱える共通の問題として、学術的な著作物が「職務著作」に当たるかどうかの判断、教員・学生の著作権に関する知識の不足に起因する問題等が取り上げられています。前者については、判例でも明確な判断はなく機関内で明文化された規定がないと関係部署へ個別に問い合わせの必要な場合があること、後者については、セルフアーカイブを教員・学生が自発的に行えないことや引用・分析等に使用した第三者の著作物を適切に処理できないことに対して、ガイダンス等で啓発が必要であることなどに言及されています。

学術雑誌契約のオープンアクセス(OA)要項モニタリングに必要な論文レベルのメタデータのチェックリスト化(文献紹介)

2019年11月26日付で、英国逐次刊行物グループ(UKSG)が刊行するInsights誌において、論文“Monitoring agreements with open access elements: why article-level metadata are important”が掲載されました。英・JiscのMafalda Marques氏、オランダ・ライデン大学図書館のSaskia Woutersen-Windhouwer氏、フィンランド国立図書館のArja Tuuliniemi氏による共著論文です。

近年、コンソーシアムや学術機関が、論文処理費用(APC)の割引・オフセット契約・“Read and Publish”契約といったオープンアクセス(OA)要項を含む契約を出版社と締結する事例が増加しています。こうした契約を締結した場合、コンソーシアムや学術機関はOAで出版された論文数、契約のコスト、契約の価値をモニタリングする必要があるため、出版社は契約に基づきOAで出版された論文に関して、コンソーシアム・研究機関・資金助成機関に対する説明責任を負います。出版社がこうした説明を行うための方法の1つは定期的に論文レベルのメタデータをレポートとして報告することです。

メールマガジン『人文情報学月報』が第100号に到達:巻頭言「『人文情報学月報』100号を迎えて」を掲載

一般財団法人人文情報学研究所の編集によるメールマガジン『人文情報学月報』が、2019年11月30日付けの発行号で第100号に到達しました。2011年に同研究所とAcademic Resource Guide株式会社との共同編集により創刊され、2018年6月刊行の第83号からは同研究所が単独で編集を担当しています。

第100号では、同研究所主席研究員の永崎研宣氏による巻頭言「『人文情報学月報』100号を迎えて」のほか、連載記事2本、イベントレポート2本等が掲載されています。

人文情報学月報第100号(人文情報学月報)
https://www.dhii.jp/DHM/dhm100

関連:
人文情報学月報第83号【後編】(人文情報学月報)
https://www.dhii.jp/DHM/dhm83-2
※編集後記に、同号から人文情報学研究所の単独刊行となった旨の記載があります。

米・カリフォルニア大学、1992年以来の改訂を目指す新しい同大学構成員の著作権保有に関するポリシー草案について大学構成員からのフィードバックを募集

米・カリフォルニア大学のOffice of Scholarly Communicationが、2019年11月20日付で、新しい同大学構成員の著作権保有に関するポリシー草案の内容と、2019年12月15日までこの草案への大学構成員からのフィードバックを募集していることを紹介したブログ記事を掲載しています。

カリフォルニア大学は同大学構成員の著作権保有に関するポリシーについて1992年以来の改訂を目指しています。新しいポリシーの草案は2019年9月16日に同大学のProvostであるMichael T. Brown教授からの大学構成員向けのカバーレターとともに示されています。カバーレターではポリシー改訂の目的として、文言の簡素化と曖昧な部分を減らすことを挙げ、具体的な改訂草案の例として以下のような内容を挙げています。

・文言の簡素化や「学内人事マニュアル(Academic Personnel Manual)」への言及の撤廃によって著者の定義を改訂し、著作権保有資格のある大学構成員の範囲を拡大する。

・既存のポリシーでは明確でない学術著作物・芸術著作物の定義化と、ソフトウェアの著作権に関する製作した大学構成員への帰属の明確化により、大学構成員が著作権を保有できる著作物の対象範囲を拡大する。

【イベント】第2回 SPARC Japan セミナー2019「オープンサイエンスを支える研究者情報サービスとその展望」(12/20・東京)

2019年12月20日、東京都文京区の筑波大学東京キャンパス文京校舎において、第2回 SPARC Japan セミナー2019「オープンサイエンスを支える研究者情報サービスとその展望」が開催されます。

オープンサイエンスの進展において、研究成果の生産者や研究者のアクティビティを正確に捉えるため、研究者情報サービスの重要性が増していることを背景に、研究者総覧・研究者データベースや機関リポジトリ等の大学・研究機関で組織的に整備されるサービスを中心に取り上げ、researchmap等の大学・研究機関外で整備されるサービスも視野に入れつつ、「令和時代のオープンサイエンス」における研究者情報サービスの課題と展望を議論する、としています。

参加費は無料ですが、定員は70人で、事前の申込が必要です。
当日は動画中継も予定されています。

主な内容は以下の通りです。

・開会/概要説明

・機関研究情報システムの内外展開とこれからの課題
 青木学聡氏(京都大学情報環境機構)

・横浜国立大学における研究者データベースと外部サービスの連携
 矢吹命大氏(横浜国立大学研究推進機構)

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