学術情報

E2262 - シンポジウム「社会に魅せる研究力」を測る<報告>

2020年2月13日に,国立国語研究所IRシンポジウム「社会に魅せる研究力を測る-論文では見えてこない社会に貢献する研究を評価する指標-」が国立国語研究所(東京都立川市)にて開催された。

Springer Nature社、「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)に署名

2020年5月20日、Springer Nature社は、研究評価の改善を求める「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)に署名したことを発表しました。

発表の中では、大規模な学術出版社の中では初の署名であり、研究の公正な評価のために、同社が発行するジャーナルポートフォリオ全体において、多くの数量的指標を提供していくこと、学協会の連携機関と協力していくこと等に触れています。

Springer Nature extends commitment against the misuse of impact factors to its entire journal portfolio(Springer Nature, 2020/5/20)
https://group.springernature.com/gp/group/media/press-releases/springer-nature-signs-dora/17990874

研究評価に関するサンフランシスコ宣言(DORA)、大学・研究機関による研究評価の方針や実践の改善支援のために5つの設計原理を提供するブリーフィング文書を公開

2020年5月19日、研究評価の改善を求める「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)は、大学・研究機関による研究評価の方針や実践の改善支援のために5つの設計原理を提供するブリーフィング文書として、“Rethinking Research Assessment: Ideas for Action”を公開したことを発表しました。

公開された文書は2019年10月にDORAと米国のハワード・ヒューズ医学研究所(Howard Hughes Medical Institute:HHMI)が共催した研究評価改革のための制度改革に関する会議の議論に基づいて、DORAと米・イリノイ工科大学のシュミット(Ruth Schmidt)准教授が共同作成したものです。

文書では、大学等が改善のための障壁を明確に把握できるように、研究評価に関する5種類の誤った通説を概説し、これらが学術界の内外でどのように表れているかについて例示が行われています。また、機関がよりよい研究評価の実践を試み、発展させる手助けとなるように、以下の5種類の設計原理を提供しています。

欧州研究図書館協会(LIBER)、改正EU著作権指令で認められたテキスト・データ・マイニング(TDM)促進のため図書館向けのガイダンス文書を公開

2020年5月7日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、改正EU著作権指令「デジタル単一市場における著作権指令(the Directive on Copyright in the Digital Single Market)」で認められたテキスト・データ・マイニング(TDM)促進のための図書館向けガイダンス文書の公開を発表しました。

改正EU著作権指令では、第3条で大学・教育機関・図書館が合法的にアクセスできる著作物をマイニングする権利が認められています。また、第4条では主に商業的なデータ分析や人工知能のTDMについて著作権の例外とする規定が設けられています。LIBERが今回公開したガイダンス文書は、改正EU著作権指令を活用してTDMを実施する研究者支援を行う図書館を対象として、同協会の著作権・法的事項ワーキンググループが作成したものです。

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、科学技術の状況に係る総合的意識調査(NISTEP定点調査2019)を公表

2020年4月6日、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が、科学技術の状況に係る総合的意識調査(NISTEP定点調査2019)を公表しています。

同調査は、第5期科学技術基本計画期間中の日本の科学技術やイノベーション創出の状況変化を把握するための継続的な意識調査(NISTEP定点調査)であり、研究者や有識者約2,700人を対象として、2016年度から実施されています。2019年度は4回目になります。

今回の調査は2019年9月から12月にかけて実施され、回答率は90.6%でした。第5期科学技術基本計画期間中の状況変化に関する意識調査に加え、(1)研究活動に集中するための方策、(2)外部資金を獲得できなかった場合の対応等、(3)産学官連携の状況、(4)優秀な外国人教員・研究者の受入・定着状況、(5) 第5期科学技術基本計画期間中の変化の5点に関する深掘調査が行われました。報告書では、女性研究者や若手研究者が活躍できる環境整備の動き、組織的産学官連携の進展が示された一方、経費・時間・人材面といった研究環境が依然として厳しいこと、基礎研究、研究施設、研究情報基盤の状況に対する評価が低下していること等がまとめられています。

ジャパンリンクセンター(JaLC)、OAI-PMH情報提供機能の拡充とJaLCコンテンツ検索画面からORCIDへの簡易な登録機能の追加を実施

2020年4月8日、ジャパンリンクセンター(JaLC)は、OAI-PMH情報提供機能の拡充とJaLCコンテンツ検索画面からORCIDへの簡易な登録機能の追加を実施したことを発表しました。

JaLC正会員限定機能であるOAI-PMH情報提供機能について、雑誌論文だけでなく、書籍・研究データ等を含むJaLCにDOIが登録された全てのデータが出力対象となるように、機能拡充が行われました。

JaLCコンテンツ検索画面から、研究者がORCIDにログインし、検索されたコンテンツをORCIDの自身の業績情報へ簡易に登録できる「ORCID業績登録」機能が追加されました。また、研究者がORCIDにログインしたmyORCIDの画面上で、自身の業績を追加する際の情報源として、JaLCを選択することも可能になっています。

研究評価に関するサンフランシスコ宣言(DORA)、大学・研究機関等へ新型コロナウイルス流行中は柔軟に人事・予算等に関する意思決定を行うことを求めた声明を発表

2020年4月6日、研究評価の改善を求める「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)は、新型コロナウイルスの流行中は、雇用・昇任・資金配分等に関して柔軟な意思決定を行うことを求めた、大学・研究機関等向けの声明を発表しました。

新型コロナウイルスの大流行は、世界中で日常生活に深刻な影響を及ぼし、個人や組織に前例のない状況へ迅速に適応することを迫っており、特に大学や研究機関では劇的な変化を余儀なくされています。従来対面で実施していた授業を遠隔形式とすることを求められ、研究活動は在宅で実施可能なものに限定されたことにより、多くの研究者の生産性低下が見込まれています。また、教育機関の閉鎖の影響を受けたり、感染リスクの高い家族を身近に持つ研究者は、研究生活と家庭生活の見直しを迫られています。

DORAはこのような非常事態において、大学・研究機関は雇用・昇任・テニュア審査等の意思決定プロセスに柔軟性を持つべきであり、特に感染症の流行によって引き起こされた混乱を考慮しなければならないと指摘しています。DORAは全ての大学・研究機関に対して、次のことを要請しています。

ドイツ医学中央図書館(ZB MED)、新型コロナウイルス感染症拡大へ対応した研究支援としてウイルス学及び関連分野に関する特別サービスを提供

2020年3月16日、ドイツ医学中央図書館(Zentralbibliothek der Medizin:ZB MED)は、新型コロナウイルス感染症拡大へ対応した研究支援としてウイルス学及び関連分野に関する特別サービスを提供していることを発表しました。

ZB MEDは、生物情報学データ分析・テキストマイニング・データの視覚化・FAIR原則に準拠した研究データ管理・情報サービスのホスティング等へのサービス提供が可能であり、データのアクセス性や引用の度合いを高めたい場合、大規模データセットを分析したい場合、双方向的なデータの視覚化が必要な場合などには、それぞれ対応可能である、としています。

ZB MEDはデータの集約・再利用に関するサービス提供も可能であるとしており、関連する最初のサービスとして、同館のウェブサイト上で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のウイルス分離株の塩基配列データを視覚化したゲノムブラウザを提供しています。

オランダの2021年から2027年までの戦略的な研究評価のためのプロトコル“Strategy Evaluation Protocol(SEP)”が公開される

2020年3月16日、オランダ大学協会(VSNU)は、オランダ王立芸術科学アカデミー (KNAW)・オランダ科学研究機構(NWO)と共同して作成した新しい研究評価のためのプロトコル“Strategy Evaluation Protocol(SEP)”を公開しました。

オランダでは研究機関が研究評価を行う目的と手順を示したプロトコルについて、6年ごとに見直しが行われています。2021年から発効する最新の研究評価に関するプロトコルは、既存のプロトコルを土台にして、オープンサイエンスの理念や研究者の認識・報酬に関する最近の動向を組み込んだものとなっています。

新たに改訂されたSEPは名称変更を行って、研究評価が評価対象組織の目的と戦略に焦点を当てたものであることを明確化しています。新しいSEPで研究機関は、研究の質・社会との関連性・事業の実現性の基準に基づいて評価が行われます。この基準の中では、オープンサイエンス・博士課程への方針と教育・研究環境・人事制度が特に重視されています。研究評価委員会は評価にあたって評点を付けるのではなく、将来に向けての重要な意見や勧告を提供する、としています。

ハゲタカジャーナルの査読者の傾向(文献紹介)

プレプリントサーバbioRxivに2020年3月11日付で、スイス国立科学財団(SNSF)の博士研究員であるAnna Severin氏ほか4人の共著論文“Who Reviews for Predatory Journals? A Study on Reviewer Characteristics”が掲載されています。

同論文は、ハゲタカジャーナルと信頼のおけるジャーナル(legitimate journals)それぞれについて査読者の傾向を観察すること、ハゲタカジャーナルに対する査読の地理的な分布状況を調査することを目的として執筆されました。ハゲタカジャーナル・信頼のおけるジャーナルの情報源として、Cabell's International社のブラックリスト・ホワイトリストを使用し、査読登録サービスPublonsの情報と照合しながら、それぞれのジャーナルの査読者について、その査読や出版に関するメタデータの分析を行っています。

ページ