East Asia Digital Library(EADL)は,東アジアの文化・学術資源を対象とするポータルサイトである。韓国国立中央図書館(NLK)が主体となって構築・運営しており,国立国会図書館(NDL)は参加館として協力している。本稿では,2020年12月17日にβ版を公開したEADLの構築に至る背景,構築体制,機能概要,今後の展望について紹介する。
2021年2月17日付で、米国議会図書館(LC)が、同館の地域研究(Area Studies)に関する4部門が運営するブログ“4 Corners of the World”において、2020年12月に公開を開始した“Japanese Rare Book Digital Collection”の紹介記事を掲載しています。
“Japanese Rare Book Digital Collection”は、LCのアジア部が所蔵する日本古典籍のデジタル画像コレクションです。2021年2月時点で、『源氏物語』の写本、奈良絵本の4作品、日本で作成され研究者による序や注釈を一部含む漢籍の写本など、大半が江戸時代以前に成立し希少性の高い日本古典籍35作品を収録しています。ブログ記事は、コレクションのオンライン公開に当たって新たに25作品がデジタル化されたことに触れながら、収録作品の特徴・背景等を紹介する内容です。
新しい知識・情報の創造という図書館・ライブラリーが果たす役割を実現していることや,古文書を読める世代を失いつつある結果,それらを死蔵しかねない状況の図書館にとって存在意義が大きいとしてLibrary of the Year 2020 の大賞を受賞した『みんなで翻刻』は,インターネットを通じて誰もが参加できる歴史資料の翻刻プラットフォームである。「翻刻」とは歴史学の用語で,古文書や古典籍など歴史文献資料に書かれた文字を活字に起こし,史料集として刊行したり,データベース化してオンライン公開したりする作業のことを指す。日本には江戸時代以前から伝来する大量の文献資料が保存されており,近年はこれら資料のデジタル化も急速に進められている。しかしテキスト化された歴史資料は全体のごく一部に過ぎないため,全文検索が適用できないなど効果的な利活用が困難な状況にある。『みんなで翻刻』は,多数の参加者の協力を募ることでこれら文献資料の大規模なテキスト化を実現し,歴史資料の利活用促進につなげることを目的としたプロジェクトである。翻刻されたテキストはCC BY-SAライセンスで公開され,出典を明示すれば自由に利用できる。
2020年11月1日,国内外58機関(国内28,海外30)の参加を得て,日本古典籍(19世紀までの日本で作られた書物の総称)を対象とした世界初のコンソーシアムである「日本古典籍研究国際コンソーシアム」(英名Global Consortium for Japanese Textual Scholarship)が設立された。