学術情報

欧州大学協会(EUA)、ユネスコのオープンサイエンスに関する勧告を歓迎

2021年11月24日、欧州大学協会(EUA)は、ユネスコのオープンサイエンスに関する勧告の採択を歓迎すると表明しました。

勧告は、オープンアクセス、オープンデータ、オープンエデュケーションを含むオープンサイエンスとその関連分野の主流化を支援するための包括的なフレームワークを提供します。フレームワークは、共通の定義、共有される価値、具体的な行動を特定するとともに、オープンサイエンスに関する分野や地域の違い、および異なる視点を認識することによって構築されています 。

勧告で特定されている行動分野は、オープンサイエンスの実践を目指す大学が直面しているいくつかの課題に対処していると指摘しています。これらには、オープンサイエンスの実現を支援する国の政策フレームワークの重要性、さらなるデータ関連の能力と研修を開発する必要性、および研究キャリアの評価におけるインセンティブと報酬の新システムの要件が挙げられています。

EUAは、オープンサイエンスを実現するための世界的な取り組みを支援することにより、ユネスコのグローバルオープンサイエンスパートナーシップ内での建設的な役割を継続していきたいと述べています。

第41回ユネスコ総会Science Commission会議にてオープンサイエンスに関する勧告が採択

2021年11月15日、国際学術会議(ISC)は、第41回ユネスコ総会のScience Commission会議にてオープンサイエンスに関する勧告が採択されたことを発表しました。

ISCは、オープンサイエンスの提唱と推進が、学術は世界の公共財であるというISCのビジョンの実現のための礎であることを再確認したとしています。また、オープンサイエンスに関する勧告の採択には、ISCのディスカッションペーパー“Open Science for the 21st Century”のもととなったISCメンバーの調査、2021年5月のオープンサイエンスに関するユネスコ特別委員会会議でのISCメンバーの招集などが貢献したと述べています。

日本学術会議、提言「学術の振興に寄与する研究評価を目指して-望ましい研究評価に向けた課題と展望-」を公開

2021年11月25日、日本学術会議が、提言「学術の振興に寄与する研究評価を目指して-望ましい研究評価に向けた課題と展望-」を公開しました。

同提言は、日本学術会議科学者委員会研究評価分科会の審議結果を取りまとめたものです。提言の目的として、研究評価において定量的評価手法を過度に偏重しないよう求めること、国際的動向を紹介し望ましい研究評価の方向性を示すことを挙げています。

日本における現状や課題、中国・英国・ドイツ・ノルウェーの動向、いくつかの分野の研究の特性とそれを踏まえた研究評価の留意点等がまとめられています。その上で、「研究評価の目的に即した評価設計の必要性」「研究評価における研究の多様性の尊重」「研究評価手法の基本原則」「研究評価と資源配分」「定性的評価の信頼性の確保」「科学者コミュニティの責務」について提言が行われています。

日本学術会議
http://www.scj.go.jp/index.html
※新着情報(提言・報告等)の欄に、2021年11月25日付で「提言「学術の振興に寄与する研究評価を目指して~望ましい研究評価に向けた課題と展望~」」が掲載されています。

全国遺跡報告総覧、愛知県・三重県・滋賀県・鹿児島県の発掘調査報告書等の書誌情報4,000件超を一括登録:発掘調査報告書の刊行状況のほぼ全容を把握可能に

2021年11月24日、奈良文化財研究所が、全国遺跡報告総覧に、同所が所蔵する愛知県・三重県・滋賀県・鹿児島県の発掘調査報告書等の書誌情報4,000件超を一括登録したと発表しています。

47都道府県分の書誌情報登録が今回で完了し、戦前からの発掘調査報告書の刊行状況のほぼ全容を把握可能になったと述べています。

全国遺跡報告総覧:愛知県・三重県・滋賀県・鹿児島県の発掘調査報告書等の書誌情報4480件を一括登録。発掘調査報告書の刊行状況のほぼ全容を把握可能に!(なぶんけんブログ, 2021/11/24)
https://www.nabunken.go.jp/nabunkenblog/2021/11/bibliography1124.html

国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所、「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)に署名

2021年10月14日、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所が、2021年9月9日に「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)に署名したことを発表していました。

DORAへの署名を通じ、研究論文が掲載された雑誌の数量的指標によるのではなく、その研究の質(その論文の科学的内容)によって評価するという文化の醸成に向けて歩み出したと述べています。

「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)に署名(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 2021/10/14)
https://www.nibiohn.go.jp/information/nibio/2021/10/007337.html

研究データ利活用協議会(RDUF)、「人文学・社会科学のデータ共有における課題検討」小委員会及び「研究データへのDOI登録促進」小委員会を設立

2021年11月10日、研究データ利活用協議会(RDUF)は、2021年10月から「人文学・社会科学のデータ共有における課題検討」小委員会の、11月から「研究データへのDOI登録促進」小委員会の設立が決定したと発表しています。

「小委員会」のウェブページ上の記載によれば、小委員会は、特定のテーマについての議論を深め、研究データの利活用を図るために必要となる提言等のとりまとめを行うことを目的としています。同ウェブページでは、今回設立が発表された両小委員会の活動期間や初期委員の氏名・所属等も掲載しています。

研究データ利活用協議会(RDUF)
https://japanlinkcenter.org/rduf/index.html
※「News」欄に、2021年11月10日付けで両小委員会の設立に関するお知らせが掲載されています。

ブルキナファソのオープンサイエンスに関するアンケート結果(文献紹介)

2021年11月2日、フランス農業開発研究国際協力センター(CIRAD)のオープンリポジトリ“Agritrop”で、ブルキナファソのオープンサイエンスに関するアンケート結果の報告書が公開されました。

同調査は、科学技術情報を提供する大学や研究機関により構成されるブルキナファソの機関“Réseau pour la Mutualisation de l'information Scientifique et Technique”(ReMIST)により、2020年6月から12月に実施され、160件の回答が寄せられました。

報告書には、オープンアクセス(OA)やオープンサイエンスに対する認識、OAリソースの利用状況、OA出版経験、OA出版の障壁等についての回答集計結果の他、OA雑誌の認識を高めることをはじめとした推奨事項がまとめられています。

結論の箇所では、ブルキナファソの研究関係者はオープンサイエンスのメカニズムを知らないため利点を十分にいかせていない一方、関心は持っているということが指摘されています。また、オープンサイエンスを支援し、知識への自由なアクセスに関する世界的な潮流に沿った国家的な取組が必要であると述べています。

論文1億本超から抽出された単語・短いフレーズの巨大インデックス“The General Index”の公開(記事紹介)

Nature誌のオンライン版に、2021年10月26日付けで記事“Giant, free index to world’s research papers released online”が掲載されています。論文1億本超(有料のものを含む)から抽出された単語・短いフレーズの巨大インデックス“The General Index”が、10月7日に無料でオンライン公開されたことを紹介しています。

“The General Index”は、米・カリフォルニア州の非営利法人“Public Resource”による支援の下、同法人の設立者であるCarl Malamud氏により作成されました。3,550億以上の単語やフレーズを、それらが掲載されている論文の横に並べた表を収録しています。

Malamud氏は、“The General Index”には論文全文は含まれておらず、5語以内のフレーズのみであることから、今回の公開は有料論文再利用に係る出版社の規約に抵触するものではないと見なしています。一方、記事に掲載されている法学者のコメントによれば、インデックスの作成プロセスにおいて規約に抵触した可能性もあるとしています。

イタリア・Italian Computing and Data Infrastructure、イタリアのオープンサイエンスに関するポータルサイトを公開

2021年10月29日、イタリアの研究インフラストラクチャー等により構成される“Italian Computing and Data Infrastructure”(ICDI)が、イタリアのオープンサイエンスに関するポータルサイト“Open-Science.it”の公開を発表しました。

発表によると、イタリア国立研究議会情報科学技術研究所(ISTI-CNR)により企画されたもので、ICDIが運用を行っています。ポータルサイトでは、研究者・研究機関・助成機関・一般市民といった利用者属性ごとに、オープンサイエンス・研究データ管理・リポジトリ等のテーマについて情報を提供しています。

また、イタリアの大学のオープンアクセス(OA)方針、オープンサイエンスの進展に関するレポートや推奨事項、ガイドライン等を提供する目録も提供されており、今後は研修イベントの資料をはじめとした他の種類の資料も提供するとあります。

文部科学省、科学技術・学術審議会情報委員会(第21回)の配布資料を公開:大学におけるAPC支払やハゲタカジャーナル等への対応状況に関する調査結果も

2021年10月26日に開催された第21回科学技術・学術審議会情報委員会の配布資料が、文部科学省のウェブサイトで公開されています。

配布資料の中には、800大学を対象に2021年5月18日から6月18日にかけて実施された、大学における論文処理費用(APC)支払の実態調査やハゲタカジャーナル等の「学術情報流通に係る懸念すべき事例」への対応状況アンケートの結果も含まれています。

APC支払については、状況を把握している、または把握予定と回答したのは国立大学が44%、公立大学は16%、私立大学は15%(全体で19%)であることや、把握方法、所管部署、2020年度の支払総額、支払状況を把握していない理由がまとめられています。学術情報流通に係る懸念すべき事例への対応について、対応を行っている、または行う予定と回答したのは国立大学が81%、公立大学は37%、私立大学は27%(全体で36%)であること、対応を実施する部署、取組の内容・事例がまとめられています。

また、教育活動を取り巻く動向・状況の変化に応じた、大学図書館に求められる役割・機能等を検討する「オープンサイエンス時代における大学図書館の在り方検討部会」の設置に関する資料も掲載されています。

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