学術情報

Hindawi社、著者名の表記変更に関する新方針を発表

2021年6月10日、Wiley社傘下のオープンアクセス出版社であるHindawi社は、著者名の表記変更に関する新方針を発表しました。

同社での論文出版後に氏名を変更した著者は、書類の提出・訂正通知の掲載・共著者への通知を経ずに、論文上の氏名を更新することができます。また、同社は当該論文を収録するデータベース等(indexers)に対しても同様に、変更を明示しないかたちでの更新(silent change)を行うよう依頼します。

今回の新方針策定は、Wiley社による著者名表記変更の新方針発表(2021年1月)や、出版倫理委員会(COPE)による、トランスジェンダーの研究者の著者名表記変更に関する基本原則の発表(2021年1月)を受けて行われたものです。

国立情報学研究所(NII)、NIIが取り纏めるJaLC準会員のDataCite DOIの登録開始を公表:現時点は利用している機関リポジトリがJAIRO Cloud以外の場合のみ可能

国立情報学研究所(NII)は2021年6月1日、NIIが取りまとめるJaLC準会員がDataCite DOIを登録できるようになったと公表しました。

DataCite DOIは研究データに特化した国際的なDOI登録機関であるDataCiteによるDOIです。DataCite DOIの登録に際し費用はかかりませんが、Prefixの申請が必要で、Prefixの申請は、現時点では、利用している機関リポジトリがJAIRO Cloud以外の場合のみ可能です。

JAIRO Cloudを利用している機関については、全利用機関の次期JAIRO Cloud(WEKO3)への移行が完了しWEKO3がDataCite DOI登録に対応した後に申請を受付するということ、また、受付開始時には改めてアナウンスを行う予定であると、案内がなされています。

DataCite DOIの登録開始について(NII,2021/6/1)
https://support.irdb.nii.ac.jp/ja/news/20210601

研究用ソフトウェアの再現性に関するガイド“How reproducible should research software be?”が公開される:再現性における4つのレベルを定義

2021年5月17日、英・Software Sustainability Institute(SSI)は、研究用ソフトウェアの再現性に関するガイド“How reproducible should research software be?”の公開について発表しています。

同ガイドは、再現性に関する4つのレベル(レベル0からレベル3まで)を定義するとともに、自らの研究用ソフトウェアの再現性がどのレベルにあるべきかを判断するための基準を提案し、そのレベルに到達するための推奨手法を示すものとあります。

New guide: How reproducible should research software be?(SSI, 2021/5/17)
https://www.software.ac.uk/news/new-guide-how-reproducible-should-research-software-be

米・アレン人工知能研究所(AI2)、Semantic Readerのベータ版を公開

米国のアレン人工知能研究所(Allen Institute for AI:AI2)による学術文献検索サービス“Semantic Scholar”のTwitterアカウントでの2021年5月12日付け投稿において、“Semantic Scholar”に関連するサービスとして、”Semantic Reader”のベータ版公開が発表されています。

科学論文を読むときの課題として、用語や数学記号の定義、引用論文の詳細を探すために、頻繁にページを行き来しなければならないということが挙げられます。Semantic Readerは、関連のない情報を暗く表示させ、論文中で定義や引用論文の詳細を提供することによって、この課題の解決を図ります。

Semantic Readerは、AI2のSemantic Scholarのチーム、米国のカリフォルニア大学バークレー校、米国のワシントン大学による、科学論文を読むためのインターフェース“ScholarPhi”のプロジェクトから開発されたものです。ScholarPhiはアルフレッド・P・スローン財団より一部助成されています。ScholarPhiのユーザビリティ調査では、ScholarPhiを使用すると、PDFリーダーよりも、論文の深い理解が必要な質問への回答までの時間が短くなることが判明しました。

Science Europe、オープンアクセス出版状況の評価に関する推奨事項等をまとめたブリーフィングペーパーを公開

2021年5月10日、欧州の研究助成財団・研究実施機関が加盟するScience Europeが、オープンアクセス(OA)出版状況の評価に関するガイドラインおよび推奨事項をまとめたブリーフィングペーパー“Open Access Monitoring: Guidelines and Recommendations for Research Organisations and Funders”の公開を発表しました。

研究機関および助成機関の意志決定者を対象に、OA出版状況に関する新たなモニタリング方法の構築や既存のプロセスの評価・改善を支援することを目的としたものです。「なぜ出版状況を評価するのか」「何を評価するのか」「出版に関する情報をどのように集め、解釈するのか」の3点を中心に、事例や推奨事項等がまとめられています。

Open Access Monitoring(Science Europe, 2021/5/10)
https://www.scienceeurope.org/our-resources/open-access-monitoring/

Springer Nature社、機械生成した文献レビューを取り入れた研究書を刊行

2021年5月4日、Springer Nature社が、人工知能(AI)を活用し機械生成した文献レビューを取り入れた出版形式による、研究書の刊行を発表しました。

同社のジャーナルで公開された多数の論文から機械生成した文献レビューと、人間が作成したテキストを組み合わせた出版形式であると述べられています。同形式を用いた最初の出版物として、イタリア・ラクイア大学名誉教授のGuido Visconti氏が編集した“Climate, Planetary and Evolutionary Sciences”が紹介されています。

プレプリントの出版者版へのリンクを発見する手法の開発(文献紹介)

2021年4月18日付で、Springer Nature社が刊行する科学計量学分野の査読誌“Scientometrics”に、フランスのトゥールーズ大学のGuillaume Cabanac氏らによる共著論文“Day-to-day discovery of preprint–publication links”がオープンアクセスで掲載されています。

プレプリントが査読後にジャーナル等で出版された際には、最新版を読者に提供するためにもプレプリントに出版者版のリンクを付与することが重要であると指摘しています。しかし、主要なプレプリントサーバは、プレプリントと出版者版の全てのリンクを特定できていないと述べています。

フランスの学術機関コンソーシアムCouperinら、フランス語圏の出版社宛に公開書簡を提出:高等教育機関における電子書籍提供に関する要請

2021年4月15日、フランスの学術機関コンソーシアムCouperin、ビジネススクールの図書館等で構成されるAciege、大学図書館長協会(Association française des directeurs et personnels de direction des bibliothèques universitaires et de la documentation:ADBU)が、フランス語圏の出版社宛に公開書簡を提出したことを発表しました。

書簡の中では、英語に比べフランス語の電子書籍の制作数が少ないことや、全ての学生に学術論文等への平等なアクセスを保証するため、特に新型コロナウイルス感染症の感染拡大下においては、図書館による電子形式の学術論文等へのアクセスの提供が不可欠であること等が述べられています。

また、高等教育機関や研究機関の学生および教員へ提供するフランス語の電子書籍を充実させ、アクセスしやすくすること等を出版社に求め、解決に向けて協力する姿勢を示しています。

英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)、米国の129機関と“Read & Publish”契約を締結

2021年4月6日、英国のケンブリッジ大学出版局(CUP)は、新たに米国の129機関と“Read & Publish”契約を締結したことを発表しました。

“Read & Publish”契約を締結している米国の機関は、2020年は13機関でしたが、2021年には140機関以上となると述べています。このことによって、CUPおよびCUPグループのジャーナルで発表される米国の研究の25%が、追加費用なくOAで出版できるようになりました。

CUPは2025年までにジャーナル出版を完全なOAに移行することを約束しており、この契約はこの戦略の重要な要素であるとしています。今後も、米国でこの契約モデルを拡大させていきたいとしています。

中国科学院が公開した「危険な国際学術誌のリスト」とその影響(記事紹介)

2021年4月14日付で、学術情報流通に関連した多様な話題を提供する学術出版協会(Society for Scholarly Publishing:SSP)運営のブログ“Guest Post – An Early Look at the Impact of the Chinese Academy of Sciences Journals Warning List”と題された記事が掲載されています。執筆者はScholarly Intelligence社の創業者兼チーフアナリストであるChristos Petrou氏であり、中国科学院が公開した危険な国際学術誌のリスト(試行版)とリストが中国の研究者の学術出版に及ぼした影響について述べられています。

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