学術情報

世界の電子学位論文(ETD)リポジトリの多様性と管理上の課題(文献紹介)

2020年9月30日付で、英国逐次刊行物グループ(UKSG)が刊行するInsights誌に、インドのカシミール大学のFayaz Ahmad Loan氏とUfaira Yaseen Shah氏による共著論文“Global electronic thesis and dissertation repositories – collection diversity and management issues”が掲載されています。

同論文は、オープンアクセス(OA)リポジトリのレジストリOpenDOARに登録された電子学位論文(ETD)をアーカイブするリポジトリについて、地域分布・主題・言語等の指標に基づく調査結果の報告・考察を行ったものです。2017年12月時点の調査の結果として、次のようなことを報告しています。

文部科学省、提言「コロナ新時代に向けた今後の学術研究及び情報科学技術の振興方策について」を公表:大学図書館及び多様な学術情報のデジタル化の推進等に言及

2020年9月30日付で、文部科学省のウェブサイトに、同省科学技術・学術審議会の学術分科会・情報委員会の提言「コロナ新時代に向けた今後の学術研究及び情報科学技術の振興方策について」が公表されています。

この提言は、コロナ禍によって社会の在り方が変容し、その経験を踏まえた「コロナ新時代」を迎えつつあることを背景に、学術研究・情報科学技術が新時代の社会の負託に応えられるように、研究を継続するためのレジリエンスの確保、新しい研究様式への転換及び研究者の交流・連携の担保の政策的実現に関する、学術分科会と情報委員会の合同提言です。

新しい研究様式への転換のための振興方策に関する提言では、SINETなど国全体の一体的情報システム基盤及び大学等における情報システム基盤を整備・高度化すること、セキュアな研究データ基盤を構築すること、大学図書館及び多様な学術情報のデジタル化や著作権法の見直し・研究の遠隔化・スマート化などを通して研究環境のデジタル化を促進することに言及されています。

EBSCO社、2021年の学術雑誌価格上昇の予測値を個別タイトルで2%から3%、パッケージで1%から3%と発表

2020年10月5日、EBSCO社が、“Serials Price Projection Report 2021”を発表し、2021年の大学・医学図書館向けの学術雑誌の価格上昇の予測値を公表しています。これによると、外国為替レートを考慮しない場合、個別タイトルでは2%から3%の、パッケージでは1%から3%の上昇になると予測されています。

同レポートでは、図書館の予算の課題、電子ジャーナルパッケージ、オープンアクセス(OA)、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による価格設定への影響といった学術情報市場に影響を与えるトピックやトレンドに焦点を当てて市場力学が考察されています。

英国の大手独立系シンクタンクDemos、人工知能(AI)・機械学習等の新技術が研究部門に与える影響についての調査報告書を公開

2020年9月15日、英国の大手独立系シンクタンクDemosは、調査報告書“Research 4.0: Research in the age of automation”を公表したことを発表しました。

同報告書は、人工知能(AI)・機械学習をはじめとする第4次産業革命を特徴づける新技術について、特に学術研究に焦点を当ててこれらの技術が英国の研究部門に現在どのような影響を与えているのか、将来にわたってどのような影響を与え得るのかを理解するための調査プロジェクトに基づいて作成されました。英国の幅広い学術研究分野でこれらの新技術の導入が進んでいることを明らかにした2019年10月公表の中間報告書における議論を踏まえつつ、効果的な活用に必要な技能の研修や、環境の変容・学際的な共同研究の加速など、これらの新技術のさらなる普及のための段階にあることを述べています。

CA1980 - データ引用を研究活動の新たな常識に:研究データ利活用協議会(RDUF)リサーチデータサイテーション小委員会の活動 / 能勢正仁,池内有為

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カレントアウェアネス
No.345 2020年9月20日

 

CA1980

 

データ引用を研究活動の新たな常識に:
研究データ利活用協議会(RDUF)リサーチデータサイテーション小委員会の活動

名古屋大学宇宙地球環境研究所:能勢正仁(のせまさひと)
文教大学文学部:池内有為(いけうちうい)

ORCIDとカーネギー分類を情報源とする米国の高等教育機関の教員の所属変更傾向の分析(文献紹介)

2020年9月10日付で、科学計量学・計量情報学国際学会(ISSI)の公式オープンアクセス(OA)ジャーナル“Quantitative Science Studies”の「受理直後(Just Accepted)」の論文として、“Analyzing academic mobility of U.S. professors based on the ORCID data and the Carnegie Classification”が公開されています。

同論文は、米・ドレクセル大学のヤン(Erjia Yan)氏ら3人の共著で執筆されました。著者らはORCID、及び大学等のカテゴリを示すカーネギー分類を活用して、テニュアを獲得した米国の教員の所属の変更に関する調査を行い、同論文で結果や考察を報告しています。

米・Authors Alliance、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)第1201条へ研究目的のテキスト・データ・マイニング(TDM)を可能にするための例外追加を求めた申立を提出

2020年9月8日、作家の利益促進のために活動する米国の非営利団体Authors Allianceは、米国著作権局に対してデジタルミレニアム著作権法(DMCA)第1201条へ研究目的のテキスト・データ・マイニング(TDM)を可能にするための例外追加を求めた申立(petition)を提出したことを発表しました。

DMCA第1201条は、著作権保護のため著作物に設定された技術的保護手段の回避を禁じていますが、特定の条件下で適用を除外して回避を認める例外を規定し、3年ごとに例外対象の見直しを行っています。米国著作権局は2020年6月22日付で、通算8度目の見直しの開始と要望等の受付を通知し、Authors Allianceはこの手続きに基づいて、米国図書館協会(ALA)・北米研究図書館協会(ARL)・大学・研究図書館協会(ACRL)で構成する図書館著作権同盟(LCA)、及び米国大学教授協会(American Association of University Professors:AAUP)とともに申立を提出しました。

Springer Nature社、オンラインイベント「査読の透明性とオープン化:研究の信頼性を構築するために」を開催

2020年9月25日、Springer Nature社が、オンラインセミナー「査読の透明性とオープン化:研究の信頼性を構築するために」(Building trust in research through transparency in peer review)を開催します。

9月21日から9月25日にかけてのPeer Review Week 2020に関連したセミナーです。Sowmya Swaminathan氏により、査読の概要、査読に関する同社の取組や成果、新型コロナウイルス感染症の時代における査読等の内容について、英語で講演が行われます。

参加費は無料で、事前の申し込みが必要です。

査読の透明性とオープン化:研究の信頼性を構築するために(Springer Nature)
https://www.springernature.com/jp/20200925/18347366

“Peer Review Week 2020”は2020年9月21日から9月25日:テーマは“Trust in Peer Review”

2020年9月21日から9月25日にかけて、ピアレビューが科学的質の担保において果たす役割をたたえる国際的イベント“Peer Review Week 2020”が開催されます。

今回のテーマは“Trust in Peer Review”です。ピアレビューの過程がどのように機能しているのか、ピアレビューがなぜ研究の信頼性構築に役立つのかについて焦点を当てると述べられています。

Peer Review Week 2020
https://peerreviewweek.wordpress.com/peer-review-week-2020/

参考:
2019年9月16日から20日はPeer Review Week 2019 今年のテーマは”Quality in Peer Review”
Posted 2019年9月17日
https://current.ndl.go.jp/node/39042

【イベント】第25回情報知識学フォーラム「アフターコロナの学術研究分野におけるオープンサイエンスを考える」(1/9・オンライン)

2021年1月9日、情報知識学会が主催する、第25回情報知識学フォーラム「アフターコロナの学術研究分野におけるオープンサイエンスを考える」がオンラインで開催されます。

発表によると、同フォーラムでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大下における歴史、民俗、生物研究と学会支援の経験者による、新型コロナウイルス感染症の感染拡大下での学術活動の難しさ、新たな学術活動・コミュニティの形についての講演が行われる予定です。また、ポスターセッションの時間も設けられる予定です。

参加費は無料で、事前に申込が必要です。

第25回情報知識学フォーラム「アフターコロナの学術研究分野におけるオープンサイエンスを考える」
http://www.jsik.jp/?forum2020

参考:
E2218 - 第24回情報知識学フォーラム<報告>
カレントアウェアネス-E No.383 2020.01.16
https://current.ndl.go.jp/e2218

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