多文化・多言語サービス

カナダ・ロイヤルBC博物館、同州の先住民族に関する写真をデジタル化して公開

2020年6月17日、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のロイヤルBC博物館が、同州の先住民族に関する写真のデジタル化画像約1万6,000点を公開したと発表しています。

デジタル化されたものは、1800年代後半から1970年代に撮影された写真で、デジタル化前には、言語別に整理され館内の木製のインデックスカードの引き出しにおさめられていました。

2018年5月に開始され2020年4月に終了した、インデックスカードに取り付けられている写真のデジタル化作業では、撮影されている場所・人・物に関して詳細に書かれている写真裏面の撮影も行われており、同写真が閲覧できるデータベースでは、被写体となっている先住民の名前から検索することもできると説明されています。その他、同館では、同州の先住民族の代表に会って、デジタル化された画像を収めたUSBドライブを提供しています。

米・児童図書館サービス部会(ALSC)およびColorado Libraries for Early Literacy (CLEL)、図書館が高品質で有意義なオンラインプログラムを提供するためのガイドを公開

2020年6月23日、米国図書館協会(ALA)の児童図書館サービス部会(ALSC)、および、図書館サービス等を通じて子どものリテラシー強化に取り組むColorado Libraries for Early Literacy (CLEL) が“Virtual Storytime Services Guide”を公開しました。

あらゆる館種がデジタルコレクションを拡大し、オンラインでのプログラムの提供を模索している中、利用者のために高品質で有意義なオンライン体験を図書館が提供できるよう作成されたものです。

ツール、推奨される方法、著作権に関する考察、多様な子どもやその家族へのサービス、オンラインでの読み聞かせの促進、子ども向けのその他のオンラインプログラム、早期リテラシーを支援するための他のリソースといった内容が含まれています。

米国南東部研究図書館協会(ASERL)、2020年から2023年までの戦略的方向性を示した新計画“ASERL Ahead: Strategic Directions for 2020-2023”を発表

2020年6月18日、米国南東部研究図書館協会(ASERL)は、2020年から2023年までの戦略的方向性を示したASERLの新計画として、“ASERL Ahead: Strategic Directions for 2020-2023”を発表しました。

ASERLの新計画は、多様な図書館職員の採用と維持、図書館提供の情報・サービス・企画・空間への公平なアクセスといった、多様性・公平性・包摂性の問題への取組みの強化に焦点が当てられ、次の4点を主要な活動領域として設定しています。

・イノベーションや影響力の強い取り組みへの促進の継続
・多様性・公平性・包摂性の問題への重点的な取組み
・会員機関への十分な関与
・組織基盤の強化

ASERL News & Announcements(ASERL)
http://www.aserl.org/news/
※2020-06-18付のお知らせとして“ASERL launches “ASERL Ahead: Strategic Directions 2020-2023””とあります

アイヌ文化の復興・発展のナショナルセンター「ウポポイ(民族共生象徴空間)」(北海道)が2020年7月12日に開業:空間内の「国立アイヌ民族博物館」も同日に開館

2020年6月19日、北海道白老町に所在し、公益財団法人アイヌ民族文化財団が運営するアイヌ文化の復興・発展のナショナルセンター「ウポポイ(民族共生象徴空間)」は、新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針や各種ガイドラインに基づく取組みを十分に講じた上で、2020年7月12日に開業することを発表しました。

ウポポイは、アイヌの歴史・文化を学び伝えるナショナルセンターとして、アイヌ文化の伝承・共有等のシンボル、及び、国内外、世代を問わず、アイヌの世界観、自然観等を学ぶことができるための必要な機能を備えた空間です。ウポポイ内には、文化庁が中核区域に構成される施設の一つとして設置を進めていた「国立アイヌ民族博物館」も所在しており、同館もウポポイ開業と同日の2020年7月12日に開館します。

韓国・文化体育観光部、博物館・図書館等に設置している展示案内ロボット「QIロボット」の設置を拡大:新型コロナウイルス感染拡大下における非対面サービスへのニーズに対応

2020年6月18日、韓国・文化体育観光部は、韓国文化情報院と共同で博物館や図書館等に設置している展示案内ロボット「QIロボット」の設置を、国立国楽院・国立アジア文化殿堂・国立テコンドー博物館等へ拡大すると発表しています。

「QIロボット」は2018年から6機関(国立中央博物館・国立羅州博物館・国立済州博物館・国立中央図書館・国立子ども青少年図書館・済州国際空港)において9台設置されていますが、最近、新型コロナウイルス感染拡大下において、非対面でのサービスへのニーズが高まり、「QIロボット」が大きな役割を果たしていることから、上記3機関などにおいて6月からサービスの基盤を構築し、2021年から提供する計画です。

特に、子ども・視聴覚障害者・車椅子利用者等に適した解説サービスや、国学やテコンドーといった専門的な案内サービスを実装することで、国民の文化享有を支援する計画です。また、人工知能(AI)基盤の多言語(韓国語・英語・中国語・日本語)での対話サービス、自律走行での同行解説サービス、3D・VR・双方向コンテンツを活用した解説サービス、モバイルQIサービス、周辺の観光・お祭り・交通情報案内といった機能も拡充して実装する予定です。

2020年の米国の“Library of the Year”はシアトル公共図書館に:選出には多くの批判も

2020年6月3日、Library Journal(LJ)誌のウェブサイトにおいて、同誌とCengage Learning傘下のGale社が授与する2020年の米国の“Library of the Year”に、ワシントン州のシアトル公共図書館(SPL)を選出したと発表しました。

コミュニティーのニーズに積極的に耳を傾け、人種平等・公平性に重点を置いた取組を進めてきたことが評価されての受賞でしたが、その選出に多くの批判が寄せられています。

批判の内容は、SPLが2020年1月、反トランスジェンダーのグループが開催するイベントにSPLの会議室利用を許可したことを非難し、受賞にふさわしくないとするものです。SPLは、知的自由に関する同館の取組等に沿って利用を許可しましたが、人権活動家・団体から抗議の声があがっていました。

米・ヤングアダルト図書館サービス協会(YALSA)、人種差別に対する声明を発表

2020年6月8日、米国図書館協会(ALA)のヤングアダルト図書館サービス協会(YALSA)が、人種差別に対する声明を発表しました。

YALSAの使命は10代の若者が直面している課題を和らげることにあり、同理事会は、警察による残虐行為とあらゆる形の人種差別を強く非難するとともに、「ブラック・ライヴズ・マター(Black Lives Matter)」「全米黒人地位向上協会(NAACP)」といった活動を支持すると表明しています。

YALSAでは、協会の使命に沿った方法で、これらの活動と連携する方法を模索するとし、議員に対して、黒人の若者を支援するプログラムや組織のための資金提供を求めているとしています。

また、変化と正義のために若者が主導して行った平和的な抗議活動は、若者には働きかける力があり、彼らのコミュニティを変化させることができることを示しているとし、YALSAでは、全ての活動に公平性・多様性・包摂性を組み込んでいるものの、まだ不十分であり、今後も若者のためにより公平な協会・専門家・図書館サービスとなるよう努力を続けるとしています。

国際図書館連盟(IFLA)、会長・事務局長名で人種差別を非難する声明を発表

2020年6月5日、国際図書館連盟(IFLA)が、米・ミネソタ州ミネアポリスの警察署内で発生した警察官の行為による黒人男性フロイド(George Floyd)氏の死亡事故等をうけ、会長・事務局長名で人種差別を非難する声明を発表しています。

声明では、あらゆる形態の人種差別を、人権、及び、積極的な包摂により個人・コミュニティーの生活を向上させるという情報専門職として価値観、双方に根本的に反するものとして非難するとしています。

そして、米国図書館協会(ALA)やオーストラリア図書館協会(ALIA)等の仲間とともに、図書館内外で人種差別の対象となっている人々と連携するとし、全ての人にとってより良い社会となるために図書館情報サービスを推進していくとしています。

Statement by the IFLA President and Secretary-General: Racism Has No Place in the Society Libraries are Working to Build(IFLA,2020/6/5)
https://www.ifla.org/node/93126

オーストラリア図書館協会(ALIA)、人種差別・人種に基づく暴力を非難する声明を発表

2020年6月3日、オーストラリア図書館協会(ALIA)の理事会が、米国の同種の組織と団結し、人種差別・人種に基づく暴力を非難するとの声明を発表しています。

声明では、1991年の和解委員会の設置から30年を経ても、同国の先住民の拘束中の死亡が多いことや、新型コロナウイルス感染症の感染拡大下における同国の人種に基づくアジア系オーストラリア人への暴力が増加していることを指摘しています。

そして、ALIAは、その中核的価値において、情報専門職が、同国の社会的正義や多様性に関与することを重視しており、先住民や多文化コミュニティを支援・擁護するための方法を継続的に改善し、組織的な偏見や差別に積極的に反対する行動をしているとし、以下のような具体的な行動をとっていると紹介しています。

・業務の中心となる先住民との和解に関する活動計画の策定

・地方や農村地域でのリテラシーや衛生教育を改善するプログラム提供のための学校や医療提供者との連携

・同国の歴史や文化に先住民の視点を加えるための蔵書の構築

・マイノリティをコミュニティに受け入れるための蔵書、サービス、プログラムの開発

・法的な権利を伝えるための公共図書館での法情報の提供

ACRL・ARL・ODLOS・PLAが多文化対応力に関する合同タスクフォースを立ち上げ

2020年5月18日、米国図書館協会(ALA)は、ALAの多様性、リテラシーとアウトリーチサービス事務局(Diversity, Literacy, and Outreach Services:ODLOS)、米国大学・研究図書館協会(ACRL)、公共図書館協会(PLA)、北米研究図書館協会(ARL)が多文化対応力(Cultural Competencies)に関する合同タスクフォースを立ち上げたことを発表しました。

同タスクフォースは、公共・大学図書館で利用できる、人種的公平(racial equity)における文化的習熟(cultural proficiencies)のためのフレームワーク構築を任務としており、先行する関連文献の調査、フレームワーク案の起草、案に対するステークホルダーや図書館コミュニティからのコメントの募集と必要に応じた修正を行うとしています。

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