多文化・多言語サービス

米国議会図書館(LC)の米国民俗センター、多様なコミュニティにおける文化や伝統の記録を行う個人・機関を対象とした助成を実施

2021年7月23日、米国議会図書館(LC)の米国民俗センター(American Folklife Center)が、新たな助成プログラム“Community Collections grants”を実施すると発表されました。

同助成プログラムは、アフリカ系米国人、先住民族、米国における低代表コミュニティの文化や伝統の記録に取り組む個人や機関を対象としています。最大6万ドルの12か月間の助成10件を提供すると述べられています。

発表によると、アフリカ系アメリカ人、ヒスパニック、先住民、その他の少数民族のコミュニティとつながるため、LCが2021年から開始した複数年のイニシアチブ“Ofthe People:Widening the Path”の一環として実施されます。

国際図書館連盟(IFLA)、難民・移民・庇護希望者への図書館サービスのためのガイドラインのドラフト版を公開

2021年7月4日、国際図書館連盟(IFLA)の特別なニーズのある人々に対する図書館サービス分科会(LSN)が、“Interenational Guidelines for Library Services to Displaced Populations”のドラフト版を公開しました。

難民・移民・移住者・庇護希望者への図書館サービスのガイドラインとなっており、現在、Gooleドライブ内のドラフト版に書き込む形かメール送付により意見を募集しています。締切は7月20日です。

Guidelines for Library Services to Displaced Populations--draft version ready for review(IFLA,2021/7/4)
https://www.ifla.org/node/93993

フランス・科学技術情報研究所(INIST)、オープンサイエンスに関するシソーラスを公開:フランス語、英語、スペイン語の3か国語版を提供

2021年7月2日、フランスの科学技術情報研究所(INIST)が、オープンサイエンスに関するシソーラス“Thésaurus de la science ouverte”を公開したことを発表しました。

オープンサイエンスに関する用語約400語がまとめられており、フランス語、英語、スペイン語の3か国語で提供されています。発表によると、既存の用語集や、参考資料、オープンサイエンスについての研修を推進するプロジェクト“FOSTER”が作成したタクソノミーを基にしています。

公開時点では用語の定義は主にフランス語で記載され、英語やスペイン語での定義の追加等、今後定期的な内容拡充を行うと述べています。また、同シソーラスは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BYで公開されています。

E2405 - 学術論文における著者名表記の変更:主に性自認をめぐって

●氏名の変更と著者名表記

 氏や名は,必ずしも不変のものではない。氏については,例えば婚姻の際,日本のように夫婦同氏制を採用する国では一方当事者の氏が変わるし,同氏・別氏選択制を採用する国であっても同氏を選択したカップルは一方当事者の氏が変わる。名についても,変更の原因となる事情はいくつか考えられる。自分自身の性別に関する認識,すなわち性自認(Gender Identity)は,そのような事情のひとつである。

Springer Nature社、著者名変更方針の導入を発表

2021年6月29日、Springer Nature社が、包括的な著者名変更方針を導入することを発表しました。これにより、研究者は、過去に同社のジャーナル・書籍・会議録で発表した論文の最終公開版およびメタデータに記載された著者名について、遡及的に変更することが可能となります。

氏名の変更を非公開で実施するか、変更を通知するかどうかは、著者が選択できます。

今回の発表は、おもにトランスジェンダーの研究者のニーズを満たすことを目的としていますが、宗教上の理由などによる変更も認められます。

著者名に加え、著者の人称代名詞や著者の写真などの経歴の情報も必要に応じて修正されます。

シュプリンガー・ネイチャー、トランスジェンダー包括的な氏名変更方針を導入(Nature Asia, 2021/6/29)
https://www.natureasia.com/ja-jp/info/press-releases/detail/8853

米国デジタル公共図書館(DPLA)、無料電子書籍コレクション“Open Bookshelf”のタイトル選定を行う取組“Curation Corps”への参加を呼びかけ

2021年6月24日、米国デジタル公共図書館(DPLA)は、DPLAの無料電子書籍コレクション“Open Bookshelf”のタイトル選定を行う取組“Curation Corps”への参加を図書館関係者や学生に呼びかけています。

電子書籍へのアクセス拡大を目指す全米規模の取組で、参加者は、電子コンテンツの評価・選定、“Open Bookshelf”の開発への助言、“Open Bookshelf”に搭載するオープンアクセスの電子書籍タイトルを特定するためのDPLAの蔵書構築選定プロセスへの支援を行うとしています。月15時間から25時間の貢献が求められており、蔵書構築、目録、レコードマネジメント等の知識が必要であるとしているほか、人種に関する蔵書構築や、アフリカ系・ラテン系の米国人、先住民、アジア系米国人コミュニティに関する蔵書構築の経験がある参加者をDPLAでは特に求めているとしています。

参加者には四半期ごとに謝礼金が支払われます。

募集期間は8月2日までです。

特別なニーズのある人々へのコロナ禍における図書館サービスに関する調査(記事紹介)

2021年6月20日、国際図書館連盟(IFLA)が、コロナ禍における特別なニーズのある人々に対する図書館サービスに関する調査結果の公開を発表しました。調査結果は、米国図書館協会(ALA)の国際関係小委員会(International Relations Roundtable)が刊行する“International Leads”に掲載されています。

同調査は、IFLAの特別なニーズのある人々に対する図書館サービス分科会(LSN)が2020年秋に実施したものであり、カナダ、ベルギー、米国、ニュージーランド等から49件の回答が寄せられました。

記事の中では、コロナ禍における取組の事例として、視覚障害やディスレクシアをはじめとしたプリントディスアビリティがある人、聴覚障害を持つ人、移民、高齢者、ホームレスを対象としたサービスや、刑務所におけるサービス、オンラインリソースやWi-Fiの提供等が紹介されています。

米国国立公文書館(NARA)、人種差別に関する内部タスクフォースによる推奨事項を公開

2021年6月14日、米国国立公文書館(NARA)が、人種差別に関する内部タスクフォース“Archivist's Task Force on Racism”による推奨事項を公開しました。

同タスクフォースは、NARAの利用者サービスおよび職場環境における構造的人種差別を把握し、解決策を提案することを目的として2020年に設立されました。職員や外部有識者への照会、採用過程・職場文化・研究者や一般からのNARAの機能に対する認識等の精査を行い、結果をまとめたレポートを2021年4月にNARAの職員向けに公開したとあります。

発表の中では、推奨事項として、少数派のコミュニティに関する記録のデジタル化に焦点を当てるといった研究者・来館者・その他一般向けにNARAが取り組むべきことが紹介されています。また、上級管理職において更に多様な職員を育成・採用するための戦略の策定をはじめとした、現在および将来の従業員のために取り組むべきことが挙げられています。

Hindawi社、著者名の表記変更に関する新方針を発表

2021年6月10日、Wiley社傘下のオープンアクセス出版社であるHindawi社は、著者名の表記変更に関する新方針を発表しました。

同社での論文出版後に氏名を変更した著者は、書類の提出・訂正通知の掲載・共著者への通知を経ずに、論文上の氏名を更新することができます。また、同社は当該論文を収録するデータベース等(indexers)に対しても同様に、変更を明示しないかたちでの更新(silent change)を行うよう依頼します。

今回の新方針策定は、Wiley社による著者名表記変更の新方針発表(2021年1月)や、出版倫理委員会(COPE)による、トランスジェンダーの研究者の著者名表記変更に関する基本原則の発表(2021年1月)を受けて行われたものです。

JSTOR、著者の名前変更に関する新たなポリシーを発表

2021年6月2日、JSTORが公式Twitterアカウントで、あらゆる理由による著者の名前変更を支援する新たなポリシーを策定したと発表しました。

当該著者の著作物のメタデータに、変更後の名前を追加するという対応を取るとしています。変更前と変更後の名前を併記するメリットとして、利用者がどちらの名前でも検索可能であることが挙げられています。また、変更前の名前の記載を控えたい場合は、JSTORが提供するメタデータやコンテンツのPDF、PDFの光学文字認識(OCR)結果から、変更前の名前を削除するとしています。

発表の中では、著者名変更の対応に際しては、関連する出版者らと協力し、アプローチに齟齬が無いか確認すると述べています。

@JSTOR(Twitter, 2021/6/2)
https://twitter.com/JSTOR/status/1399821811748061184

ページ