多文化・多言語サービス

日進市立図書館(愛知県)、同市が実施したクラウドファンディングによる寄付金を活用し、多言語の絵本156冊を購入:おはなし会の実施も予定

愛知県の日進市立図書館は、多言語の絵本156冊を購入し、2021年4月21日から利用できるようにしたと発表しています。

同市が、コロナ禍だからこそ子どもが本に出合う機会を増やすことを目的に、保育園・放課後児童クラブ・子ども教室・小中学校図書室・公共図書館における子ども向け書籍を購入するために実施したクラウドファンディングで集まった寄付金のうち、図書館宛てに寄せられた43万5,633円を活用して購入されたものです。

今後、これらの本を活用したボランティア団体にによる英語のおはなし会や、名古屋外国語大学グローバル共生社会研究所と連携した英語以外の言語によるおはなし会の開催が予定されています。

報道によると、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、中国語、タイ語、ベトナム語の9か国語版の絵本や児童書が購入されており、英語版が半分以上を占めるものの、市内に多く住むブラジル系・中南米系・ベトナム系・タイ系の住民のことも考えて言語を選定したとのことです。

英国物理学会出版局(IOP Publishing)、著者名等の表記変更に関する新方針を発表:著者の求めに応じて発表済文献の表記を更新可能に

2021年4月21日、英国物理学会出版局(IOP Publishing)は、著者名等の表記変更に関する新方針について発表しています。オープン・協力的・包摂的な研究環境の実現に向けた同社の取組の一環として、研究コミュニティとの協議を経て策定されたものです。

新方針では、著者の求めに応じて、発表済文献における著者名、代名詞、著者の写真、電子メールのアドレス(アドレスが著者名を反映している場合)の変更が可能となります。雑誌論文、プロシーディング、電子書籍を含め、同社が出版した全コンテンツに適用されます。

また、プライバシーに関する著者の権利を尊重するため、著者名の変更を公示(public notice)なしに行うことが可能となっています。さらに、変更の申請に当たり、申請理由を示す必要や、氏名の変更を証明する書類を提出する必要もないと述べています。

北米の都市図書館協議会(ULC)、反人種差別的な公共図書館の管理職のリーダーシップに関する文書を公開

2021年4月20日、北米の都市図書館協議会(ULC)が、反人種差別的な公共図書館の管理職のリーダーシップに関する文書“Anti-Racist Executive Leadership for Public Libraries”を公開したことを発表しました。

発表によると、構造的人種差別の根本と弊害を調査し、反人種差別的な機関として図書館を強化するうえで、管理職が積極的・意識的に役割を果たすことを求める文書です。

同文書では、ULCの人種と社会的平等に関する声明“Statement on Race and Social Equity”に署名している206の図書館のうち、米国とカナダの13館の管理職に焦点を当てています。また、組織改革、職員育成、偏見や人種差別的行動の識別・対処等に関する推奨事項が記載されています。

美術図書館協会北米支部(ARLIS/NA)、美術図書館の職場における多様性推進に役立つリソース“Diversity Toolkit”を公開

2021年4月8日、美術図書館協会北米支部(ARLIS/NA)は、美術図書館の職場における多様性推進に役立つリソースとして“Diversity Toolkit”を公開しました。

同ツールは、司書雇用における人種間格差の解消の取り組みをきっかけとして、作成されたものです。

同ツールでは、雇用・リーダーシップ・ワークスペース・コレクションといったカテゴリごとに、ジャーナル記事・書籍・インタビューへのリンクがまとめられています。これらのリソースは実用的なソリューションを共有することを目指して選定されました。

現在は雇用のカテゴリが公開されており、今後その他のカテゴリが公開予定です。

NPOブックスタート、「多言語対応 絵本紹介シート」の改訂版を作成

NPOブックスタートが、2021年4月に発行した「ブックスタート・ニュースレター」72号の中で、「多言語対応 絵本紹介シート」の改訂版を作成したことを発表しています。

同シートは、地方公共団体のブックスタート事業で手渡される絵本の候補として、3年ごとに選考が行われる「ブックスタート赤ちゃん絵本」30タイトルについて、同法人が地方公共団体担当者向けに作成しています。

今回の改訂では、提供タイトルの変更に伴い全体のリニューアルが行われ、東京外国語大学の「言語文化サポーター」が翻訳に協力したと述べられています。また、「やさしい日本語」を意識した文章を記載していること、新たにネパール語を追加し9か国語に対応していること、日本語で読みたい保護者向けに各言語の発音に合わせたアルファベット表記を採用していること等が紹介されています。

お知らせ(NPOブックスタート)
https://www.bookstart.or.jp/
※2021年4月12日の欄に「ニュースレター2021年春号をアップしました」とあります。

米国情報標準化機構(NISO)、学術出版物のレコードに含まれる著者名の変更に関する推奨事項を策定へ:ワーキンググループの設立を発表

2021年4月6日、米国情報標準化機構(NISO)は、新たなワーキンググループの設立がNISO内で承認されたことを発表しました。このワーキンググループでは、学術出版物のレコードに含まれる著者名について、著者のアイデンティティ変更に伴い出版後に更新する必要がある場合の推奨事項策定のための検討が行われます。

発表では、出版物の著者として正しく識別されることの重要性を指摘し、改名・結婚・離婚・再婚・性別変更・筆名などの様々な理由により著者名の変更が生じうること、出版後の著作物に関しても、その情報を著者の状況と同期させる必要があることに言及しています。

Elsevier社、著者名表記の変更に関する方針を発表:トランスジェンダーの研究者の著者名表記変更に関する出版倫理委員会(COPE)の基本原則に準拠

2021年3月29日、Elsevier社が、著者名表記の変更に関する方針“Inclusive author name change policy”を発表しました。これにより、研究者は、過去に発表した論文の著者名について、遡及的に現在の名前へ変更することが可能となります。

発表の中では、1月13日付で出版倫理委員会(COPE)が発表した、トランスジェンダーの研究者の著者名表記変更に関する基本原則に準拠することが述べられています。

トランスジェンダーの研究者に加え、結婚・離婚、改宗等の理由で改名した研究者も対象としています。

板橋区立中央図書館(東京)の新館がオープン:いたばしボローニャ絵本館を併設

2021年3月28日、東京都の板橋区立中央図書館の新館がオープンしました。同区の平和公園内に移転・開館したものです。

同館は「未来をはぐくみ、心の豊かさと新しい価値を創造し、“緑と文化”を象徴する図書館」を基本理念とし、「生涯を通じ、こころの豊かさを支える図書館」「課題解決型図書館」「学校・家庭と連携する図書館」「地域のコミュニティ形成を支援する図書館」「板橋の魅力“緑と文化”を象徴する図書館」を掲げています。

また、同館には、いたばしボローニャ絵本館が併設されています。同区では、「ボローニャ児童図書展」事務局より1993年から寄贈された海外絵本をもとに2004年に絵本館を設置しましたが、今回、新しい中央図書館に移転・併設したものです。絵本館には、世界約100か国、3万冊、70言語の絵本が所蔵されています。

3月28日に新中央図書館・ボローニャ絵本館がオープンします!(板橋区立図書館,2021/3/25)
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/library/oshirase/2000487.html

米・ITHAKA S+R、大学図書館の指導者層を対象に2020年秋に実施した多様性・公平性・包括性、及び反人種主義に関する調査の報告書を公開

2021年3月17日付で、米国のIthaka S+Rは、大学図書館の指導者層を対象とした多様性・公平性・包括性、及び反人種主義に関する調査結果の報告書を公開しました。

Ithaka S+Rは2010年から、米国の非営利4年制大学の図書館長等を対象として、大学図書館の戦略に関する調査を3年ごとに実施しており、最新の調査は2019年秋に行われました。しかし2020年には、大学図書館において組織の構成員やコレクションの多様性・公平性・包括性の向上が長年の課題である中で、黒人男性ジョージ・フロイド氏の殺害事件とその後の“Black Lives Matter”運動による反人種主義の機運が高まったことを受けて、大学図書館に与えた影響を把握するために3年の周期を待たずに今回の調査が行われました。2020年9月に多様性・公平性・包括性及び反人種主義問題の課題・戦略等について、2019年秋以降の1年間の進展に関する調査が行われ、対象者全体の43%に当たる638件の回答を得ています。調査結果に基づく報告書は主に次のような所見を示しています。

・公平性・多様性・包括性を組織内で養成する能力について、大学図書館の指導者層が持つべき特に重要な能力とする回答が、2019年の調査時と比べて大幅に増加している

ページ