貴重書

アイルランド・ダブリン市議会、トリニティ・カレッジ・ダブリン旧図書館の保存・再開発計画を承認

2020年10月8日付で、アイルランドのトリニティ・カレッジ・ダブリン図書館は、ダブリン市議会から旧図書館(Old Library)の保存・再開発計画の承認が下りたことを発表しました。

トリニティ・カレッジ・ダブリン旧図書館は、巨大な閲覧室「ロングルーム」や『ケルズの書(The Book of Kells)』をはじめとする貴重な写本のコレクション等で著名なアイルランドを代表する図書館・文化施設です。同館は400年以上にわたって、所蔵する貴重コレクションを管理してきましたが、環境汚染や埃の堆積が建物の構造に影響を与えていること、施設の環境制御システムや防火対策が不十分であることなど、コレクションの保存と保存のための建物環境に関する課題を抱えています。また、近年、世界の文化施設で発生している火災の報道も同館の懸念を深刻なものにしています。

佐賀大学地域学歴史文化研究センター、同センターが所蔵する『解体新書』の画像をパブリックドメインで公開

2020年10月6日、佐賀大学地域学歴史文化研究センターはTwitterアカウントで、同センターが所蔵する『解体新書』の画像を公開したことを発表しました。

佐賀大学地域学歴史文化研究センターでは、幕末の佐賀藩が導入した西洋科学・医学などの研究の一環として、江戸期から明治期の医学書を収集しており、いずれ全点画像の公開を予定しています。今回は、同センターの調査活動で収集した史料などの画像を掲載するデータベース「画像データベース」上に、同センターが所蔵する『解体新書』の図編1冊、及び本文編全4巻を収録した合冊本1冊の全画像がパブリックドメインで公開されています。

@chiikigakusaga(Twitter,2020/10/6)
https://twitter.com/chiikigakusaga/status/1313279719605850112

京都大学貴重資料デジタルアーカイブ、同大学理学研究科生物科学図書室が所蔵する博物学資料21点を公開

2020年10月9日、京都大学貴重資料デジタルアーカイブは、同大学理学研究科生物科学図書室が所蔵する博物学資料21点を公開したことを発表しました。

同資料は、2010年から2012年にかけて、京都大学のグローバルCOEプログラム「生物の多様性と進化研究のための拠点形成」の補助による修復・電子化の上、「生物科学図書室 Digital Archives」として公開された資料です。京都大学貴重資料デジタルアーカイブは、「生物科学図書室 Digital Archives」の公開データのプラットフォーム移行を実施し、同アーカイブのコレクション「京都大学所蔵資料でみる博物学の時代」の一部として公開しました。

これにより、京都大学貴重資料デジタルアーカイブの公開件数は、1万7,663タイトル、137万2,575画像となっています。

理学研究科生物科学図書室が所蔵する博物学資料21点を公開しました(京都大学貴重資料デジタルアーカイブ,2020/10/9)
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/news/2020-10-09

ライデン大学図書館(オランダ)、同館特別コレクション室所蔵のイエメンで制作されたシーア派分派ザイド派の文化伝統を記録したアラビア語写本約150点をデジタル化公開

2020年9月16日、オランダのライデン大学図書館は、イエメンで制作された約150点の写本のデジタル化を完了し、研究・教育目的で自由に利用可能となるように公開したことを発表しました。

同館がデジタル化公開した写本は、17世紀から20世紀半ばまでにイエメンで制作されたイスラム教のシーア派分派ザイド派の文化伝統を記録したアラビア語の写本です。ザイド派の人々が制作した様々な写本は、紛争等のため、過去数百年の間に国外へ流出し、同館特別コレクション室はそのような写本のうち、言語・文学・歴史・宗教・イスラム法などの多様なテーマを含む約150点を所蔵しています。

東京大学農学生命科学図書館、「農場博物館デジタルアーカイブ」を公開

2020年10月7日、東京大学農学生命科学図書館は、「農場博物館デジタルアーカイブ」の公開を発表しました。

「農場博物館デジタルアーカイブ」は、東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構が運営する農場博物館(東京都西東京市)蔵書のデジタル化画像を収録したデジタルアーカイブです。明治初期に刊行されドイツの農業技術を図版とともに解説する「獨逸農事圖解」の全巻と、同じく明治初期に刊行され日本各地の産業の製造過程を図版とともに解説する「教草」の一部が同アーカイブで公開されています。「教草」はいずれ全巻がデジタル化される予定です。

「農場博物館デジタルアーカイブ」に掲載された画像は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの「CC BY」相当の利用条件で公開されています。

「農場博物館デジタルアーカイブ」を公開しました(東京大学農学生命科学図書館,2020/10/7)
https://www.lib.a.u-tokyo.ac.jp/html/news/2020/20201007_agrifarm_archive

駒沢大学図書館(東京都)が所蔵する『松平家忠日記』が重要文化財に指定

2020年10月5日、東京都の駒澤大学は、同大学図書館の所蔵する『松平家忠日記』の重要文化財への指定が、9月30日付の官報(号外第203号 文部科学省告示 第百十八号)で告示されたことを発表しました。

『松平家忠日記』の重要文化財指定は、2020年3月19日の文化庁文化審議会文化財分科会で答申されていました。

『松平家忠日記』の全文画像は駒澤大学図書館の電子貴重書庫で公開されています。

本学図書館所蔵『松平家忠日記』が国の重要文化財に指定されました(駒澤大学,2020/10/5)
https://www.komazawa-u.ac.jp/news/other/2020/1005-9649.html

東北大学附属図書館、同館が所蔵する「狩野文庫」のデジタル化画像の公開を開始:第一弾として「新日本古典籍総合データベース」上に232点を公開

2020年9月24日、東北大学と国文学研究資料館は共同して、東北大学附属図書館所蔵の和漢書古典を中心とする古典籍コレクション「狩野文庫」のデジタル化を行い、順次オンライン公開を進めることを発表しました。

「狩野文庫」のデジタル化公開は、国文学研究資料館の「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」事業の一環として取り組まれ、2018年度からデジタル化が開始されています。デジタル化公開の第一弾として、同日付で、国文学研究資料館の「新日本古典籍総合データベース」上に232点・1万3,073コマの画像が公開されました。今後、マイクロフィルムの電子化も進め、順次デジタル化画像を公開することを予定しています。

「狩野文庫」は明治期の思想家・教育者である狩野亨吉文学博士の旧蔵書で、文学・哲学・科学をはじめ美術、兵学などあらゆる分野の約10万8,000点の資料で構成されるコレクションです。

岡山シティミュージアム(岡山市)、企画展「歴史家・山田貞芳の旧蔵書 ~岡山市立図書館に伝わった藩政期の学問と文化~」を開催

岡山市の岡山シティミュージアムが、2020年10月3日から11月1日まで、企画展「歴史家・山田貞芳の旧蔵書 ~岡山市立図書館に伝わった藩政期の学問と文化~」を開催しています。

山田貞芳は第一期の岡山市史の編集委員長を務めた歴史家で、1920年に亡くなった際に、教え子が旧蔵書約3,500冊を私財で買い取り、1928年には岡山市立岡山図書館(当時)に「特設山田文庫」として寄贈されました。

同企画展は、岡山空襲の直前に同館が疎開をさせて罹災を免れた約300冊の蔵書の中に、山田貞芳の旧蔵書88冊が含まれていることが近年分かったことから、その中に含まれる、岡山藩で活躍した学者や文化人の著作等や山田貞芳に関する資料を展示するものです。

企画展「歴史家・山田貞芳の旧蔵書 ~岡山市立図書館に伝わった藩政期の学問と文化~」(岡山シティミュージアム,2020/10/3)
https://www.city.okayama.jp/okayama-city-museum/0000025263.html

名古屋大学附属図書館、オンライン開催される同大学ホームカミングデイでVR画像で再現した貴重書閲覧室を紹介する企画「メェだいとVR体験!貴重書の世界」を実施

2020年9月28日、名古屋大学附属図書館は、10月17日にオンライン開催される「第16回名古屋大学ホームカミングデイ」において、同館貴重書閲覧室をVR画像で再現し、普段は鍵付きの書庫にある貴重書を解説付きで紹介する企画「メェだいとVR体験!貴重書の世界」を実施することを発表しました。

同企画のコンテンツは「第16回名古屋大学ホームカミングデイ」の開催当日に公開されます。同館のTwitterアカウントでは、ホームカミングデイの開催前日まで企画の見どころやお知らせを連載形式による紹介が行われる予定です。

「名古屋大学ホームカミングデイ」は、同大学の卒業生を母校に迎えて旧交を温める場を提供するとともに、現在の名古屋大学を地域の住民にも広く周知する機会として、毎年10月の第3土曜日に開催されています。

@NagoyaUnivLib(Twitter,2020/9/28)
https://twitter.com/NagoyaUnivLib/status/1310434028802039810

スペインのロイヤル・スコッツ・カレッジでシェイクスピアの戯曲『二人の貴公子』の1634年版が発見される:スペインに残る最古のシェイクスピア作品と推定(記事紹介)

BBC Scotlandが2020年9月19日付で、スペイン・サラマンカの神学校ロイヤル・スコッツ・カレッジ(Royal Scots College)の図書館で、ウィリアム・シェイクスピアが1613年から1614年頃に合作で執筆したとされる戯曲『二人の貴公子(The Two Noble Kinsmen)』の1634年印刷版が発見されたことを報じています。

報道によると、今回確認された『二人の貴公子』は、スコットランドの経済学者アダム・スミスの著作を調査していた研究者が発見したもので、1630年から1635年に印刷された英語による戯曲集の中に含まれていたことを確認しました。17世紀から18世紀のスペインでは教会による検閲が行われていたため、英語の著作物の流通は極めて限られていましたが、ロイヤル・スコッツ・カレッジは希望する図書を全て入手することが認められており、発見された戯曲集は1635年頃にイングランドまたはスコットランドの旅行者によって、教会の検閲を回避して持ち込まれたと推定されています。これまでスペインに残る最古のシェイクスピア作品はバリャドリードの神学校で発見された戯曲集と考えられていましたが、発見された『二人の貴公子』を含む戯曲集は約10年古く成立したものである、と説明されています。

ページ