貴重書

東京大学総合図書館、公開済の「ピラネージ画像データベース」に検索機能・画像に関するデータ等を追加した「拡張版」を公開

2020年7月22日、東京大学総合図書館は、2019年9月にリニューアル公開済の同館所蔵貴重図書コレクション『ピラネージ版画集』をデジタル化した「ピラネージ画像データベース」について、検索機能・画像に関するデータ等を追加した拡張版を公開したことを発表しました。

「ピラネージ画像データベース」のオリジナル版は、1999年度から2003年度に実施された特別推進研究(COE)「象形文化の継承と創成に関する研究」により構築・公開されました。2019年9月に、東京大学総合図書館がこれを引き継いで、システム運用上の問題から公開が停止していた同データベースについて、画像とメタデータのみ提供する「シンプル版」として公開しました。その後、COEの当時の従事者から協力を得たことにより、オリジナル版の公開当初に提供されていた機能を全て搭載した「拡張版」公開が可能になった、としています。

英国図書館(BL)、16世紀末頃に成立しシェイクスピアが一部関与したとされる戯曲『サー・トーマス・モア』の原稿をデジタル化しオンライン公開

英国図書館(BL)は、2020年7月9日付のMedieval manuscripts blogで、エリザベス朝期の16世紀末頃に成立した戯曲『サー・トーマス・モア(The Booke of Sir Thomas Moore)』の原稿“Harley MS 7368”をデジタル化し、同館ウェブサイト上で公開したことを発表しました。

BLは公開された『サー・トーマス・モア』について、同作品の主たる作者はマンディ(Anthony Munday)だが、1871年にその筆跡から一部についてウィリアム・シェイクスピアの関与が指摘されたこと、シェイクスピアの自筆が残る現存唯一の戯曲原稿であること、などをデジタル化された画像とともに紹介しています。

米・クレアモント神学校、Internet Archive(IA)の電子書籍貸出プログラム“Open Library”で利用可能にする目的で約25万冊の宗教研究関連書籍を寄贈

2020年6月8日、米国カリフォルニア州の博士号授与機関であるクレアモント神学校(Claremont School of Theology)は、同校図書館のフィリップス(Thomas E. Phillips)館長が米国神学図書館協会のメーリングリストに送信したメールを引用する形で、Internet Archive(IA)の電子書籍貸出プログラム“Open Library”で利用可能にする目的で約25万冊の宗教研究関連書籍をIAに寄贈したことを発表しました。

“Open Library”は、IAが図書館所蔵資料をデジタル化した電子的な複製物を「1部1ユーザー」で貸出する“Controlled Digital Lending”の技術を利用して実施する電子書籍貸出プログラムです。同校が寄贈したコレクションは2021年1月1日頃からOpen Libraryで利用可能になり始め、今後2年以内にコレクション全体のデジタル化が完了することが予定されています。同校のコレクションは米国西部における宗教学分野のものとしては特に定評のあるものです。この寄贈は同校がオレゴン州セーラムのウィラメット大学構内へ移転することにより、ロサンゼルス地区の研究者の資料アクセスが不便になることへの対応として行われました。

日本近代文学館、「佐々木靖章氏旧蔵資料」を登録:春香伝関連資料や戦時下・終戦直後に刊行された新聞・雑誌資料等

2020年6月25日、日本近代文学館が、佐々木靖章氏旧蔵の資料131点を登録したと発表しています。

登録されたのは、

・「春香傳パンフレット」(新教劇団 昭和13)など春香伝関連資料
・『月刊琉球』など岸秋正関係沖縄資料
・『防長文化』『翼賛福島』『翼賛富山』『マツダ共励』など戦時下、終戦直後に刊行された新聞・雑誌資料
・大政翼賛会各地方支部発行の冊子資料

です。

佐々木靖章氏旧蔵資料登録(日本近代文学館,2020/6/25)
https://www.bungakukan.or.jp/cat-whatsnew/cat-accession/12589/

スコットランド国立図書館(NLS)で44年間資料の保存・修復等を担当した図書館員が引退(記事紹介)

スコットランドの日刊紙“Scotsman”に、2020年6月13日付で、スコットランド国立図書館(NLS)で44年間資料の保存・修復等を担当し、新型コロナウイルス感染症によるロックダウン中に60歳で同館を退職した図書館員Gordon Yeoman氏を採りあげた記事が掲載されています。

Yeoman氏は1976年からNLS所属の製本担当として、後には展示資料等の保存修復担当として、数千冊以上の同館資料の保存修復に携わりました。同氏は在職中に『グーテンベルク聖書』やスコットランド女王メアリーが最後にしたためた書簡など、数多くの貴重資料を取り扱っていますが、扱う資料の価値が100万ポンドでも1ポンドでも常に同じように最善の仕事を行うことを目指していたので、資料の貴重さが重圧になることはなかった、と記事の中で答えています。

記事の中では、最も印象深い仕事が2009年の展覧会に向けた18世紀の詩人ロバート・バーンズ(Robert Burns)の詩集原本の修復であること、貴重資料を伴う移動時にはジェームズ・ボンドのようなスパイ並のセキュリティが必要で、飛行機による移動の場合には資料専用のビジネスクラスの席を用意していたこと、など同氏のNLS在職中のエピソードが紹介されています。

京都大学図書館機構、京都大学貴重資料デジタルアーカイブにおいて京都大学総合博物館所蔵「壺切御剣図」「蝦夷嶋地図」を公開

2020年6月17日、京都大学図書館機構が、京都大学貴重資料デジタルアーカイブにおいて京都大学総合博物館所蔵「壺切御剣図」「蝦夷嶋地図」を公開しました。

「壺切御剣図」は、立太子の儀式の際、歴代の天皇から皇太子に継承されてきた護り刀を描いたもので、総合博物館所蔵「勧修寺家文書」に含まれます。

「蝦夷嶋地図」は、蝦夷地調査を行なった秦檍丸(はた あわぎまろ 1760年-1808年)が描いた北海道の古地図です。

【図書館機構】京都大学貴重資料デジタルアーカイブ: 総合博物館所蔵「壺切御剣図」「蝦夷嶋地図」を公開しました(京都大学図書館機構,2020/6/17)
https://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/bulletin/1386042

[壺切御剣図](京都大学貴重資料デジタルアーカイブ)
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00031711

国文学研究資料館、嵐牛俳諧資料館(静岡県)と「日本語の歴史的典籍に関する国際共同研究ネットワーク構築」を推進する覚書を締結

2020年6月17日、国文学研究資料館は、嵐牛俳諧資料館(静岡県掛川市)と「日本語の歴史的典籍に関する国際共同研究ネットワーク構築」を推進する覚書を2月13日に締結したことを発表しています。

嵐牛俳諧資料館が所蔵する俳諧関係の古典籍45点をデジタル化し、国文学研究資料館の「新日本古典籍総合データベース」で、クリエイティブ・コモンズ表示-継承4.0 国際(CC BY-SA 4.0)のもと公開されています。

今後も継続してデジタル化を行なって順次公開する予定です。

お知らせ(国文学研究資料館)
https://www.nijl.ac.jp/news/
※2020.06.17欄に「嵐牛俳諧資料館(静岡県掛川市)と「日本語の歴史的典籍に関する国際共同研究ネットワーク構築」を推進する覚書を2020年2月13日に締結いたしました。嵐牛俳諧資料館が所蔵する俳諧を中心とした江戸時代以前の資料のデジタル画像化とWEB上での一般公開を進めていきます」とあります。

イスラエル国立図書館(NLI)、同館所蔵の2,500点を超すイスラム写本等を高精細画像でデジタル化公開すると発表

2020年6月8日、イスラエル国立図書館(NLI)が、Arcadia基金からの助成金を受け、同館所蔵の2,500点を超すイスラム写本等をデジタル化して公開すると発表しました。完成は3年後を予定しています。

同プロジェクトでは、資料の高精細画像でのデジタル化、アラビア語と英語による解説の改良、英語・ヘブライ語・アラビア語でのプラットフォームの設計開発が行われます。また、作業の前段階として、同館の資料保存の専門家が全資料を調査し、物理的な状態に問題があると確認された資料については、保存・保全措置がとられます。

National Library of Islael
https://web.nli.org.il/sites/NLI/English/Pages/default.aspx
※「Over 2,500 Rare Islamic Books and Manuscripts Going Online NLI|08.06.20」とあります。

公益財団法人冷泉家時雨亭文庫、台風被害を受けた江戸時代の資料を収めるプレハブ倉庫に代わる土蔵建設のためのクラウドファンディングを実施中

2020年6月9日、公益財団法人冷泉家時雨亭文庫が、台風被害を受けた江戸時代の資料を収めるプレハブ倉庫に代わる土蔵建設のためのクラウドファンディング「800年にわたる和歌の家・冷泉家に文化財を保存する土蔵を造りたい」を実施しています。

藤原定家の子孫である冷泉家伝来の典籍および古文書類の保存及び活用を図る事等を目的に設立された公益財団法人冷泉家時雨亭文庫では、計8棟の蔵のうち3棟が崩れたためにプレハブ倉庫を3棟設け保管してきたところ、2018年の台風で屋根が飛び、江戸時代の膨大な資料が一時雨ざらしの状態となりました。

現在は他の蔵に収納したり、他に分散して預けたりしている状況で、今回、資料保存のため、京都御所や同志社大学といった周辺環境との調和や保存環境の観点からしっくい塗りの土壁の蔵を建設することとなり、クラウドファンディングで調達される資金は、約2億円の建設費のうち、蔵の中に設ける棚の整備のために用いられます。

このクラウドファンディングは、株式会社京都新聞社と株式会社電通で構成されるTHE KYOTO実行委員会によるプロジェクトで、目標金額は350万円ですが、6月10日時点で目標金額を達成しています。別途、蔵の建設費への寄附も募集されています。

人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)、IIIF準拠の画像ビューワIIIF Curation Viewerのバージョン1.9を公開:「アノテーションビューモード」への新機能追加等

2020年5月29日、人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)は、IIIF準拠の画像ビューワであるIIIF Curation Viewerのバージョン1.9を公開したことを発表しました。

CODHは、バージョン1.9の主な改良点として、資料画像上に文字やアイコン画像などのマーカーを表示可能な「アノテーションビューモード」の文字マーカーに対して、フォントサイズの自動調整・背景色の自動調整などを行う新機能の追加を挙げています。また、同モードに、文字マーカー背景色の資料画像に基づく自動調整・文字マーカー文字色の変更機能を有する「上書き表示モード」が追加され、画像に文字を重ねて表示する場合の可読性が大きく向上したことを紹介しています。

IIIF Curation Viewerを更新しました。(CODH,2020/5/29)
http://codh.rois.ac.jp/news/#20200529

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