貴重書

中国国家図書館など中国の図書館10館が古典籍のデジタル公開を実施:全国合計で1,700部余りの規模

中国国家図書館(NLC)は、2021年4月25日付けの記事において、国内の図書館9館と共同で、古典籍のデジタル公開を一斉に実施したことを紹介しています。9館の内訳は、天津図書館、南京図書館、安徽省図書館、湖北省図書館、四川省図書館、雲南省図書館、チベット自治区図書館、杭州図書館、河南省唐河県図書館です。

今回の一斉公開では、全国合計で古典籍1,700部余りが公開され、これまで全国で公開された古典籍の累計は7万4,000部に達しました。今回の公開対象に含まれる特徴的な資料として、チベット文及び中医薬関係の古典籍を挙げています。その他、宋・元代の善本や明・清代の古典籍等も含まれています。

記事では、NLCが2016年に「中華古典籍資源データベース」(中華古籍資源庫)、「全国古典籍センサス登録基本データベース」(全国古籍普査登記基本数据庫)を公開して以来、NLCは古典籍3万3,000部を公開しており、NLCが所蔵する古典籍善本のうち3分の2がオンラインで閲覧可能となっていること等も紹介しています。

東京大学総合図書館、「デジタル源氏物語(AI画像検索版)」の公開を発表

2021年4月27日、東京大学総合図書館が、「デジタル源氏物語(AI画像検索版)」の公開を発表しました。

国立国会図書館デジタルコレクションで公開されている『校異源氏物語』を基に、複数の写本・版本の全冊画像を横断的に検索できる機能です。検索対象は、各機関が公開している『源氏物語』へのリンクをまとめた「IIIF対応源氏物語リスト」の内、パブリックドメインか自由利用可能として公開されているものや、所蔵機関の許諾を得られたものです。

検索結果として提示される複数の候補画像から、類似度や人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)が開発したくずし字OCRによる翻刻を参考に、利用者自身が必要な画像を選択する仕組みです。なお、類似度は、『校異源氏物語』の本文と、くずし字OCRによる諸本翻刻を照合し算出されています。

@UTokyo_GenLib(Twitter, 2021/4/27)
https://twitter.com/UTokyo_GenLib/status/1386933140283822080

フィンランド国立図書館、17世紀から18世紀にかけての秘密出版物をデジタル化し公開

2021年4月12日、フィンランド国立図書館が、17世紀から18世紀にかけての欧州における「秘密出版物(clandestine literature)」をデジタル化し公開したことを発表しました。

「秘密出版物」は、内容における宗教上・政治上の理由等から印刷が許可されなかったものを指しています。欧州の図書館には合計384タイトルの秘密出版物が保存されており、多くはフランスの図書館が所蔵しています。

今回デジタル化が行われたのは、フランス語・ドイツ語・ラテン語の手稿55タイトルです。発表によると、インペリアル・アレクサンダー大学(現・フィンランドのヘルシンキ大学)が、1833年にロシアのサンクトペテルブルクから寄贈を受けたコレクションの中に含まれていた資料です。

また、当面の間はスキャン画像のみの公開ですが、同資料のテキスト化に関するプロジェクトの実施を計画していると述べています。

実践女子大学・実践女子大学短期大学部図書館、和田万吉博士による「洋書目録講義」の書写本をデジタル化し公開

2021年4月13日、実践女子大学・実践女子大学短期大学部図書館が、和田万吉博士による「洋書目録講義」の書写本をデジタル化し、学術機関リポジトリで公開したことを発表しました。

発表によると、1926年に文部省図書館講習所で行われた、国文学者・書誌学者の和田万吉博士の「洋書目録講義」の内容を書写したものと思われ、同館の特殊コレクションである「奥村藤嗣文庫」に含まれていたと述べられています。

和田万吉博士による「洋書目録講義」の書写本について(実践女子大学・実践女子大学短期大学部図書館, 2021/4/13)
https://www.jissen.ac.jp/library/news/year2021/202104013.html

国際日本文化研究センター、オンライン企画展「明石博高と島津源蔵―京の近代科学教育の先駆者たち―」を開催:神田外語大学と島津製作所創業記念資料館と協力

2021年3月31日から9月30日まで、国際日本文化研究センターが、神田外語大学と島津製作所創業記念資料館との協力により、オンライン企画展「明石博高と島津源蔵―京の近代科学教育の先駆者たち―」を開催しています。

明治期の京都の科学技術をけん引した、官僚・開業医の明石博高と起業家の島津源蔵に関連する、3機関の所蔵資料を用いた展示が行われています。

2021年(国際日本文化研究センター)
https://topics.nichibun.ac.jp/pc1/ja/category/openevent/
※2021年3月31日付で、オンライン企画展「明石博高と島津源蔵―京の近代科学教育の先駆者たち―」について掲載されています。

京都府立京都学・歴彩館、「山本読書室資料」の公開開始を発表:一部資料が閲覧可能に

2021年3月26日、京都府立京都学・歴彩館は、同館が寄託を受けている「山本読書室資料」の一部の公開を開始し、閲覧できるようになったと発表しました。

「山本読書室資料」は京都の本草漢学塾「山本読書塾」旧跡に伝来した資料であり、今回は、松田清氏(京都大学名誉教授)が編集した『山本読書室資料仮目録 統合電子版』の「I 書籍・古文書類」のうち、目録番号1から4,000にあたる資料が閲覧可能となりました。

今後順次利用できる範囲を拡大し、2021年度中に全資料の閲覧を可能にする予定と述べられています。

なお、同資料の閲覧を希望する場合は、事前の調整が必要なため、同館古文書担当へ連絡することとされています。

山本読書室資料の(一部)公開をはじめました(京の記憶アーカイブ, 2021/3/26)
http://www.archives.kyoto.jp/?p=7740

近畿大学中央図書館、特設ウェブサイト上で「バーチャル貴重書展 ~いにしえの書物~」を開催中

2021年3月19日から6月30日まで、近畿大学中央図書館が、「バーチャル貴重書展 ~いにしえの書物~」を開催しています。

近畿大学中央図書館は貴重書に関する展示会を毎年実施していますが、2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響で学内者限定で規模を縮小して開催せざるを得なかったことから、新たな試みとしてバーチャル空間で閲覧できる貴重書展を特設のウェブサイトにて期間限定で公開しています。特設ウェブサイトでは、嵯峨本『伊勢物語』やインキュナブラ『ニュルンベルク年代記』など、同大学が所蔵する貴重資料10点を、360度パノラマ空間で鑑賞することができます。また、出展された作品は「近畿大学貴重資料デジタルアーカイブ」とリンクしており、リンク先で高画質画像により全ページを閲覧することも可能です。

国文学研究資料館、3月26日から「新日本古典籍総合データベース」で米・フリーア美術館の「プルヴェラー・コレクション」を公開:記念オンラインイベント等も実施

2021年3月22日、国文学研究資料館が、米国の国立アジア美術館と合意を締結し、フリーア美術館所蔵「プルヴェラー・コレクション」を「新日本古典籍総合データベース」上で提供することを発表しました。

「プルヴェラー・コレクション」は、日本の江戸時代以降から近現代までの「絵本」(絵が多く入っている書物一般)のコレクションです。3月26日に12点が先行提供され、今後計900点の画像が公開されます。また、先行提供にあわせて、日本古典籍の知的資源としての豊かさ・魅力への理解を深めるため、両館で作成した一般向けの動画5本、子ども向けの動画1本を、両館の公式YouTubeで公開すると述べられています。

加えて、同プロジェクトの開始を記念し、3月27日に日本と米国を結んでのオンラインイベント「プルヴェラー・コレクションの扉を開く ― フリーア美術館×国文研」が開催されます。

お知らせ(国文学研究資料館)
https://www.nijl.ac.jp/news/
※2021年3月22日付で、「「新日本古典籍総合データベース」でフリーア美術館所蔵「プルヴェラー・コレクション」の画像を公開開始」とあります。

大阪府立中之島図書館、「川田文庫目録」のウェブ版を公開:歌人・川田順の旧蔵資料

2021年3月23日、大阪府立中之島図書館が、「川田文庫目録」-web版-を公開しました。

川田文庫は、歌人・川田順の旧蔵資料(図書・原稿・書簡・創作ノート等)からなる文庫です。

大阪府立中之島図書館 お知らせ
https://www.library.pref.osaka.jp/site/nakato/
※「川田文庫目録のWeb版を公開しました。川田順氏旧蔵の蔵書・原稿をはじめとした資料の目録をご覧いただけます。 (2021年3月23日更新)」とあります。

川田文庫(大阪府立中之島図書館)
https://www.library.pref.osaka.jp/site/osaka/lib-collect-kawata.html

ベトナム政府、全国の図書館のデジタル化を推進するプログラムを承認

ベトナムの新聞Sàigòn giải phơng(英語版)は、2021年2月23日付けの記事で、ベトナム政府が、全国の図書館のデジタル化を推進するプログラムを承認したと報じています。

ベトナム商工省商工情報センターが運営するサイトAsemconnectVietnamに2021年2月26日付で掲載された情報によると、同プログラム“Digital transforming program of library branches to 2025 with a vision to 2030”は、図書館の運営能力の改善、現代的な図書館ネットワークの形成、利用者ニーズを満たすサービスの提供保証、多くの市民の図書館への注目、図書館サービスの利用、市民の知識の向上と学習社会の構築への貢献のために、情報技術、とくにデジタル技術を強力かつ包括的に適用することを目的としたプログラムです。

2025年までの主な目標として、

・政府が、ベトナム国立図書館、省や中央直轄市の図書館とともに、デジタルインフラ・デジタルデータの完備、統合の推進、機能・業務・協力文書に従っての資源や図書館情報製品の共有のための、公共図書館への投資の優先

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