オープン教育資源

カナダ研究図書館協会(CARL)、2019年5月開催のオープンスカラシップに関するワークショップ“Advancing Open”の報告書を公開

2020年4月30日、カナダ研究図書館協会(CARL)は、ワークショップ“Advancing Open”の報告書を公開したことを発表しました。

“Advancing Open”は2019年5月6日から7日にかけて、カナダの学術図書館の学術コミュニケーションに関する実践者コミュニティが、オープンアクセス・オープンデータ・オープンエデュケーションを含む「オープンスカラシップ」をカナダ国内で促進するために新しい戦略を模索する機会として開催されました。CARL・カナダ研究知識ネットワーク(CRKN)や国内の大学図書館等の主催により実施されています。

報告書はワークショップ当日に70人以上の参加者の間で交わされた議論を取りまとめた内容となっています。ワークショップでは、機関から国際的なレベルまでのオープンスカラシップに関するポリシー、オープンスカラシップに関する日常業務などの実践のためのワークフローや運営、ソフトウェアやインフラなどのオープンスカラシップを支える技術、ダイバーシティ・作業量・コミュニティからの支援といった人的要素、教育・アウトリーチを通したオープンスカラシップのアドヴォカシーの5つのテーマについて、参加者の間で議論が交わされました。

SPARC Europe、欧州の高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーションの状況の基礎調査について中間結果を公開

2020年4月29日、SPARC Europeは、欧州の高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーションの基礎調査について中間結果を公開したことを発表しました。

SPARC Europeは2019年の欧州研究図書館協会(LIBER)のカンファレンスで、学術図書館がオープンエデュケーションへどのように貢献しているかを調査する計画を発表していました。2019年後半に調査の第1弾として、高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーションの現況調査が行われています。

SPARC Europeの調査には欧州29か国から146件の回答が寄せられ、機関の状況・資金調達の状況・方針策定・図書館のリーダーシップ・アドヴォカシー・関連するサービス・関連する課題と利益の7つの分野への調査が行われています。

次のような調査結果が紹介されています。

・オープンエデュケーションに関する方針は、20以上回答されたものの機関の大方針の中の一部という位置づけにされている傾向にあった。オープンエデュケーションの価値を機関でより強固にする必要がある

・半数以上の機関が、オープンエデュケーションやオープン教育資源(OER)に関する取り組みの中心的な立場にあると回答している

ドイツ国立科学技術図書館(TIB)、新型コロナウイルス感染症に対抗する医療従事者を対象とするオープン化された教科書シリーズの第1弾として“Krisenmanagement”を公開

ドイツ国立科学技術図書館(TIB)は、2020年4月9日付のブログ記事において、新型コロナウイルス感染症に対抗する医療従事者を対象としたオープン教育資源(OER)の教科書シリーズ第1弾として、“Krisenmanagement(危機管理)”の公開を発表しました。

TIBでは、同館のオープンサイエンスラボが新型コロナウイルス感染症に対抗する医療従事者支援を目的として、迅速な図書製作(book sprints)・OER開発に取り組んでいます。この取り組みの一環として、8冊の公衆衛生サービスに関する教科書シリーズの製作が進められており、公開された“Krisenmanagement”は、このシリーズの最初のタイトルとなります。

“Krisenmanagement”はオープンアクセス(OA)となっており、GitHub上にも様々なフォーマットで公開されています。また、ドイツのeラーニングプロバイダー“oncampus”のウェブサイト上で、同書のコンテンツを基にしたMOOCが提供されています。このため、公衆衛生分野を新たに学ぶ医学生はすぐにこの教材を活用可能になっています。

ドイツ図書館協会(DBV)、ウィキメディア・ドイツ等と共同して公共放送局へ教育用コンテンツの公開を求めるキャンペーン“Öffentliches Geld – Öffentliches Gut!”を実施中

2020年3月3日、ドイツ図書館協会(DBV)は、ウィキメディア・ドイツ(Wikimedia Deutschland)、及び無料教育・オープン教育資源(OER)等に関わる機関や個人の連合体“Bündnis Freie Bildung”と共同して、「公共の資金は公共の利益へ!(Öffentliches Geld – Öffentliches Gut!)」をスローガンとするキャンペーンを実施していることを発表しました。

このキャンペーンはドイツの公共放送局であるドイツ公共放送連盟(Arbeitsgemeinschaft der öffentlich-rechtlichen Rundfunkanstalten der Bundesrepublik Deutschland:ARD)と第2ドイツテレビ(Zweites Deutsches Fernsehen:ZDF)に対して、制作した教育用コンテンツを可能な限り自由なライセンスで公開するように求めるものです。公共放送局制作のドキュメンタリー等のコンテンツは、学校での授業への貢献が可能にもかかわらず、Wikipedia等の無料プラットフォームで公開されているものはごくわずかであり、著作権法や利用規約によって多くの場合ダウンロードや編集に制限がかけられています。

米・EDUCAUSE、「ホライズン・レポート」の2020年指導・学習版を刊行

2020年3月2日、米国のNPO・EDUCAUSEが、「ホライズン・レポート」(Horizon Report)の2020年指導・学習(Teaching and Learnig)版を公開しました。

高等教育における、指導・学習の未来を形成する主なトレンドと新しい技術・実践を概観し、その未来のための数多くのシナリオと影響を想定するもので、これまでの「ホライズン・レポート」の本来の目的を維持しながら方法論を大幅に改定し、将来どのようになるかを示す証拠・データ・シナリオを提供しています。

世界の高等教育の指導・学習に現在影響を与えており今後も影響を及ぼし続けるトレンド、中等後教育の指導・学習の将来に重大な影響を与え始めている6つの新しい技術(適応学習・人工知能/機械学習・学業達成分析・教育デザイン/学習工学/UXデザインの高度化・オープン教育資源(OER)・XR技術)と実践、中等後教育の指導・学習の4つ(成長・制約・破綻・変化)の今後のシナリオのほか、報告書から得られた重要な概念を視覚的に表現した“Horizon Report mind map”が掲載されています。

フィンランド研究コミュニティの共同体“Avoin tiede”、2020年から2025年までのオープンサイエンス・オープンリサーチに関する共通の方向性を提示した宣言を公開

2020年1月9日、オープンサイエンスの推進に関するフィンランド研究コミュニティの共同体“Avoin tiede(Open Science)”が、2020年から2025年までのオープンサイエンス・オープンリサーチに関する共通の方向性を提示した宣言として、“Avoimen tieteen ja tutkimuksen julistus 2020-2025(Declaration for Open Science and Research 2020-2025)”の公開を発表しました。

米・カリフォルニア大学ロサンゼルス(UCLA)校、日本語学習者のためのオープン教育資源として同校学生の日本語創作文芸を編集した「リレー小説集」を公開

2019年12月18日、米・カリフォルニア大学ロサンゼルス(UCLA)校図書館と同校のアジア言語文化学部は、同校学生による日本語創作文芸を編集した『日本語学習者による創作文芸コレクション:リレー小説集(“Collection of Creative Writing by Learners of Japanese Relay Essay”)』の公開を発表しました。

この作品は同校アジア言語文化学部のハヤシ(Asako Hayashi Takakura)講師の下で、日本語研究を専攻する3年生から4年生の学生が創作した8編の日本語文芸の編集作品です。K-12(幼稚園から高校まで)向けの教材がごく限られたものしかない日本語学習の分野において、将来の日本語学習者の活用可能な教材を提供することが、作品の制作・公開の背景として挙げられています。

『日本語学習者による創作文芸コレクション:リレー小説集』は、CC-BY-SA 4.0のライセンスが付与され、同大学の機関リポジトリeScholarshipで公開されています。

クリエイティブ・コモンズ(CC)、CCライセンス等に関する公式認定教育プログラム“CC Certificate”の手引書を米国図書館協会(ALA)と共同作成しオンライン版を公開

2019年12月6日、クリエイティブ・コモンズ(Creative Commons:CC)は、米国図書館協会(ALA)と共同して、CCライセンス・オープン化の実践・CCの精神等に関するCCの公式認定教育プログラム“CC Certificate”の手引書として、“Creative Commons for Educators and Librarians”を作成したことを発表しました。

作成された“Creative Commons for Educators and Librarians”はCC BYライセンスの下で刊行されています。“CC Certificate”プログラムを補完し、オープンアクセス(OA)やオープン教育資源(OER)に関する取り組みを最大限活用する手助けになる内容である、としています。

“Creative Commons for Educators and Librarians”の印刷版はALAのウェブサイトから購入が可能です。オンライン版はCCのウェブサイト上で公開されています。また、“CC Certificate”の受講の有無にかかわらず、PDF形式及びEPUB形式のファイルを自由にダウンロードすることができます。

ユネスコ、オープン教育資源(OER)の促進を目的とした勧告を採択

2019年11月25日、ユネスコの第40回総会において、オープン教育資源(OER)に関する勧告が採択されました。

世界中の学生・教員・研究者に利益をもたらす、オープンライセンスの学習・教育資源の開発と共有を支援することを目的としたもので、OERに関する支援ポリシーの策定や持続可能なモデルの構築も含まれます。

Creative Commonsのブログによると、同勧告は満場一致で採択されており、OERを推進する団体では連携し、勧告の実現を支援していくとしています。そして、これらの団体は2020年の初頭に会議を開き、各国政府を支援するためのサービス・資源・活動・コミュニケーション計画のリストを作成するとし、OERの作成・アクセス・利用・採用・再配布のための関係者の能力開発、支援政策の策定、包括的で公平な品質のOERの促進、OERの持続可能モデルの作成促進、国際協力の促進の5つの活動領域と、効果を測定するための適切な研究プログラム・ツール・指標の展開、進捗・優良事例・研究報告書の収集・発表・普及、OERの有効性・長期的な財務的な効果の監視・評価のための戦略、の3つの監視・広報活動をあげています。

カナダ研究図書館協会(CARL)、オープンエデュケーションに関する声明を発表

2019年11月14日、カナダ研究図書館協会(CARL)が、オープンエデュケーション(open education)に関する声明を発表しています。

CARLは、大学の使命は知識を創造し広める事であり、すべての人がアクセスできるオープンな学術システムは、地球上のあらゆる地域の人間の生活に良い影響を与える確実な方法を提供し、さらには、あらゆる形態の学術情報を広く精査のためにオープンにすることは、質を高め、説明責任を拡大し、連携を促進すると信じているとし、そのことは、より高い可視性と効果をもたらすとしています。

そして、オープンな教育の実践は、教育への障害を減らし、教育と学習の改善のための技術を改善し、高品質な教育体験をもたらすことができるため、CARLの上記の原則に沿ったものであるとしています。

CARL Issues Statement on Open Education(CARL, 2019/11/14)
http://www.carl-abrc.ca/news/statement-on-open-education/

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