オープン教育資源

米・ユタ州大学図書館コンソーシアムが州内の学生・教員に実施した教科書・オープン教育資源(OER)に対する意識調査(文献紹介)

国際オープン・遠隔教育協議会(International Council for Open and Distance Education:ICDE)の刊行するオープンアクセスの査読誌“Open Praxis”の第12巻第3号(2020年7-9月)に、論文“Academic Librarians Examination of University Students’ and Faculty’s Perceptions of Open Educational Resources”が掲載されています。

同論文は、米・ユタ州の大学図書館コンソーシアム“Utah Academic Libraries Consortium (UALC)”が州内の学生・教員を対象に実施した、教科書・オープン教育資源(OER)に対する意識調査の結果を報告するものです。教科書にかかる費用が学業に与える影響、教科書費用の問題の解決手段としてのOER採用の実現可能性、OERに関する図書館員の支援のニーズ等についてのアンケート調査が行われました。州内の高等教育機関10機関の学生2,574人、教員1,157人の回答に基づいて、次のようなことを報告しています。

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)、「学術図書館の動向と統計」の2019年版を刊行

2020年10月29日、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)が、2019年版「学術図書館の動向と統計」(Academic Library Trends and Statistics)を刊行したと発表しています。

1,642の学術図書館のコレクション(冊子体・電子書籍)、職員数や職員配置の傾向、支出額(資料費、人件費)、図書館サービス、オープン教材(OER)の取組に関するデータがまとめられています。

本文は有料ですが、プレスリリースでデータの一部が紹介されています。

2019 Academic Library Trends and Statistics(ACRL insider,2020/10/30)
https://acrl.ala.org/acrlinsider/archives/20478

米・カリフォルニア大学デービス校、医療資源の限られた環境で超音波診断を実践する放射線科医・臨床医師向けのオープンアクセスのオンラインリソースを公開

2020年9月28日、米国のカリフォルニア大学は、同大学デービス校の医療センター“UC Davis Health”の教員らがオンラインリソース“Ultrasound in Resource-Limited Settings: A Case Based, Open Access Text”を公開したことを発表しました。

同リソースは、医療資源の限られた環境で超音波診断を実践する放射線科医・臨床医師に対して、オープンアクセス(OA)の臨床情報を提供することを目的として制作されています。超音波診断は汎用的でコストの少ない画像診断の手法として重要性が高まっていながら、熱帯地域等では医療者向けの教材が不十分であるなどの理由で満足に行われていないことを背景に、“UC Davis Health”に所属する2人の医師らを中心とするプロジェクトとして設計・開発されました。

E2309 - 欧州の大学図書館等のオープンエデュケーションへの関与状況

2020年6月,SPARC Europeは,オープンエデュケーション(OE)・オープン教材(OER)に関する欧州の大学図書館等(以下「図書館」)を対象とした調査の報告書として,“Open Education in European Libraries of Higher Education”を公開した。

北海道大学、アドビ株式会社との共同研究で開発したデジタルリテラシーに関するオープン教材を公開

北海道大学が2020年9月11日付のプレスリリースで、高等教育推進機構オープンエデュケーションセンターが、アドビ株式会社との共同研究で開発したデジタルリテラシーに関するオープン教材を公開したことを発表しました。

同センターは2019年度にアドビ株式会社と共同研究契約を締結し、デジタルリテラシー教育で求められる批判的思考や創造的問題解決力を育成するオープン教材として、大学初年次教育を対象に、批判的思考や創造的問題解決力を根底から支える思考技術として「デザイン思考」を教授し、デジタルツールを活用した制作活動を通してデジタルリテラシーを深く学ぶことを目的に開発中の全4章からなるオープン教材の開発を進めています。今回、「第2章.デジタルプロダクトの読解」に対応する3つのコンテンツとして、「2-1 デジタルプロダクトの機能」、「2-2 デジタルプロダクトの観察」、「2-3 デジタルプロダクトの評価」が公開されました。

同センターは、共同研究で開発したオープン教材を学内外の教育に活用し実践研究を蓄積する予定であり、2020年7月には北海道大学の初年次向け授業「大学生のためのデジタルリテラシー入門」の教材として活用されました。今後の計画として、連携大学での利用やオープン教材をもとにしたMOOCの開講を挙げています。

Sparc Europe、欧州の高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーション(OE)の推進を目的とした2年半の新プログラムの立ち上げ計画を発表

2020年8月27日、欧州の高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーション(OE)の推進を目的とした2年半の新プログラムの立ち上げを計画していることを発表しました。

SPARC Europeは計画中の同プログラムについて、ユネスコのオープン教育資源(OER)促進を目的とした勧告の実現に貢献するものであり、プログラムの実施を通して欧州の高等教育図書館のOEに関するニーズ・進捗状況の把握、各国間の知識共有、OER・OEポリシー等の普及につながるものである、としています。

同プログラムでは、オランダ・デルフトで開催されたOEに関する国際会議“OE Global Conference”の成果として構築された欧州の図書館員のネットワーク“European Network of Open Education Librarians(ENOEL)”を実践的なコミュニティへと発展させること、OEやOERの方針・実践について個々のメンバーの知見の活用・共有等を行う専属の「コミュニティマネージャー」をENOEL内に設置することなどが計画されています。

なお、同プログラムには米国のWilliam and Flora Hewlett財団が助成を行っています。

アルバータ大学図書館(カナダ)、州内の教育機関と連携し学習者・教員向けにオープン教育資源を提供するプラットフォーム“Open Education Alberta”を公開

カナダのアルバータ大学が運営するニュースサイト“folio”に2020年8月10日付で、同大学の図書館がアルバータ州内の中等教育後(post-secondary)教育を提供する機関と連携し、学習者・教員によるデジタル学習用資源への自由なアクセス・活用を可能とするプラットフォーム“Open Education Alberta”を公開したことが報じられています。

“Open Education Alberta”が提供する学習用資源は、パブリックドメインまたは再利用を許可するライセンスの下で公開されたオープン教育資源(OER)となっています。このため、プラットフォーム上で公開された学習用資源は、製作者の許諾や出版社への支払を行わなくても、自由にカスタマイズすることができます。プラットフォームのホスティングはアルバータ大学図書館が提供しています。

“Open Education Alberta”は、2年間のプロジェクトの成果として開発されました。アルバータ大学及びアルバータ州のマウント・ロイヤル大学の主導の下、同州内のマクユーアン大学、カルガリー大学、レスブリッジ大学、南アルバータ工科大学がプロジェクトの実現に貢献しています。

Center for Open Science(COS)、オープン学術資源のリポジトリ“Open Scholarship Knowledge Base”の公開を発表

2020年8月10日、米国の非営利団体Center for Open Science(COS)は、研究者や学生等に向けたオープン学術資源のリポジトリ“Open Scholarship Knowledge Base”(OSKB)の公開を発表しました。コミュニティ主導型のイニシアチブによる成果であり、COSも開発を支援しています。

オープン学術資源を容易かつアクセスしやすい形で提供することにより、オープン学術資源の認知度及び利用率の向上を企図しています。また、収録資源には、OSKBのコミュニティによるレビュー、編集、キュレーションが行われるとあります。

Introducing the Open Scholarship Knowledge Base(COS, 2020/8/10)
https://www.cos.io/blog/introducing-the-open-scholarship-knowledge-base

カナダ研究図書館協会(CARL)、カナダの高等教育機関によるオープンエデュケーションサービスへの支援状況について調査した報告書を公開

2020年6月29日、カナダ研究図書館協会(CARL)のオープンエデュケーションワーキンググループ(OEWG)が、カナダの高等教育機関によるオープンエデュケーションサービスへの支援状況について調査した報告書を公開しました。

調査は、オープンエデュケーション、特に、オープン教育資源(OER)に利用に関し、大学図書館・研究図書館が果たした役割を明らかにする事を目的としたものです。2019年6月から12月にかけて、250を超す高等教育機関を対象に、主にウェブサイトで公開されている情報をオープンエデュケーションサービスへの支援方法に関する調査が行われました。

報告書には支援方法、サービス内容、技術、成功事例に関する概要や分析が掲載されています。

ウェブサイトで公開されている情報による調査であるため、重要な取組を見落としている可能性があることから、調査プロジェクトがデータ収集のために用いているスプレッドシートにコメントするよう依頼しています。

SPARC Europe、欧州の高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーションに関する調査結果を公開

2020年6月24日、SPARC Europeが、欧州の高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーションに関する調査結果の最終版“Open Education in European Libraries of Higher Education”を公開しました。

同調査は、欧州のオープンエデュケーション(OE)やオープン教育資源(OER)を強化することを目的に行われ、大学図書館を中心とした、欧州の28か国の146館の図書館からの回答を分析したものです。

調査結果は、高等教育機関の図書館におけるOEやOERに関して、費用、組織内の体制、方針の策定状況、図書館の関わり方、広報方法、図書館が提供しているサービス、求められるスキル、課題と可能性・利点の8つの観点からまとめています。

また、高等教育機関の図書館へ向けた推奨事項として、予算の一部をOEに充てること、OE方針の策定を支援すること、OER作成にかかわること、作成されたOERを適切に管理すること等を挙げています。

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