オープン教育資源

大学のシラバスを収集・分析する団体Open Syllabus、ウェブサイトの更新を発表:オープン教育資源(OER)を評価するためのツールを公開

2021年2月10日、世界の大学のシラバスを収集・分析する団体Open Syllabusが、ウェブサイトの更新を発表しました。分析のもととなるデータセットを2.0から2.5に更新しています。

教材となっている書籍や論文とシラバスの関連を可視化するGalaxyでは、これまでは16万4,000タイトルをマッピングし、3万タイトルを同時に表示させていましたが、今回の更新により、110万タイトルをマッピングし、50万タイトル表示できるようになりました。

また、新しい機能として、オープン教育資源(OER)の傾向や採用パターンを調べることができるOER Metricsが公開されました。講義での教材の採用決定のための情報源や、著者・出版社・助成機関による投資先の決定に資することが期待されています。

その他、LINK LABでは、収集したシラバスをもとに、新聞・雑誌の記事、ビデオ・ドキュメンタリー、ブログ記事といった、教材として用いられた既存とは異なる資料のリストが作成・公開されています。

SPARC Europe、2021年から2024年までの次期4年間に関する新戦略を発表

2021年1月28日、SPARC Europeは、2021年から2024年までの次期4年間に関する新戦略を発表しました。

SPARC Europeは次期4年間について、公平、多様で持続可能なオープンサイエンス・オープンエデュケーションのエコシステム開発に中心的に取り組むことを表明し、次のような項目を新戦略の目標に掲げています。

・欧州におけるオープンアクセス・オープンスカラシップ・オープンサイエンス・オープンエデュケーションに関するポリシーの確立に努め、可能な限り全体の調和を図る
・研究・教育の場面で「オープン」に向けた流れを推進する
・研究・教育リソースが広く公開・共有されることを願う全ての人がより良い方法で実現できるように、「オープン」の利益が公平に甘受されるように努める
・オープンリサーチ、オープンエデュケーションの成果公開において多様性を促進する
・オープンリサーチの報酬とインセンティブのあり方を再考し、公的資金の助成を受けた研究の影響力を向上させる
・「オープン」を支えるインフラストラクチャーやサービスのエコシステムの持続を支援する

オープン教育資源(OER)のメタデータの品質に関する分析(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2021年1月19日付で、ドイツ国立科学技術図書館(TIB)のMohammadreza Tavakoli氏らが共著で執筆した文献“Metadata Analysis of Open Educational Resources”が公開されています。

様々なオンライン学習用リポジトリが多数のオープン教育資源(OER)を提供していますが、OERに関する良質な検索・推薦サービスの欠如により、学習者の利用は妨げられている状況にあります。そして、良質な検索・推薦サービスの実現には、メタデータが重要な役割を果たし、同時に品質管理の自動化にも有効であることが指摘されています。

カナダ研究図書館協会(CARL)、大学教職員を対象とした著作権学習のためのオープン教育資源(OER)を公開

2020年12月17日、カナダ研究図書館協会(CARL)は、大学教職員を対象とした著作権学習のためのオープン教育資源(OER)を公開したことを発表しました。

CARLが新しく公開した“Copyright Open Educational Resource for University Instructors and Staff”は、大学の教職員に対して複雑なカナダの著作権法の内容を案内するために作成されました。4分から6分程度の動画と簡単なクイズで構成されたモジュールが7種類公開されています。

公開されたモジュールのコンテンツには、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BY-NCが付与されています。また、授業で採用・利用を検討している大学向けに、実務ガイド(Implementation Guide)を公開しています。

米・ユタ州大学図書館コンソーシアムが州内の学生・教員に実施した教科書・オープン教育資源(OER)に対する意識調査(文献紹介)

国際オープン・遠隔教育協議会(International Council for Open and Distance Education:ICDE)の刊行するオープンアクセスの査読誌“Open Praxis”の第12巻第3号(2020年7-9月)に、論文“Academic Librarians Examination of University Students’ and Faculty’s Perceptions of Open Educational Resources”が掲載されています。

同論文は、米・ユタ州の大学図書館コンソーシアム“Utah Academic Libraries Consortium (UALC)”が州内の学生・教員を対象に実施した、教科書・オープン教育資源(OER)に対する意識調査の結果を報告するものです。教科書にかかる費用が学業に与える影響、教科書費用の問題の解決手段としてのOER採用の実現可能性、OERに関する図書館員の支援のニーズ等についてのアンケート調査が行われました。州内の高等教育機関10機関の学生2,574人、教員1,157人の回答に基づいて、次のようなことを報告しています。

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)、「学術図書館の動向と統計」の2019年版を刊行

2020年10月29日、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)が、2019年版「学術図書館の動向と統計」(Academic Library Trends and Statistics)を刊行したと発表しています。

1,642の学術図書館のコレクション(冊子体・電子書籍)、職員数や職員配置の傾向、支出額(資料費、人件費)、図書館サービス、オープン教材(OER)の取組に関するデータがまとめられています。

本文は有料ですが、プレスリリースでデータの一部が紹介されています。

2019 Academic Library Trends and Statistics(ACRL insider,2020/10/30)
https://acrl.ala.org/acrlinsider/archives/20478

米・カリフォルニア大学デービス校、医療資源の限られた環境で超音波診断を実践する放射線科医・臨床医師向けのオープンアクセスのオンラインリソースを公開

2020年9月28日、米国のカリフォルニア大学は、同大学デービス校の医療センター“UC Davis Health”の教員らがオンラインリソース“Ultrasound in Resource-Limited Settings: A Case Based, Open Access Text”を公開したことを発表しました。

同リソースは、医療資源の限られた環境で超音波診断を実践する放射線科医・臨床医師に対して、オープンアクセス(OA)の臨床情報を提供することを目的として制作されています。超音波診断は汎用的でコストの少ない画像診断の手法として重要性が高まっていながら、熱帯地域等では医療者向けの教材が不十分であるなどの理由で満足に行われていないことを背景に、“UC Davis Health”に所属する2人の医師らを中心とするプロジェクトとして設計・開発されました。

E2309 - 欧州の大学図書館等のオープンエデュケーションへの関与状況

2020年6月,SPARC Europeは,オープンエデュケーション(OE)・オープン教材(OER)に関する欧州の大学図書館等(以下「図書館」)を対象とした調査の報告書として,“Open Education in European Libraries of Higher Education”を公開した。

北海道大学、アドビ株式会社との共同研究で開発したデジタルリテラシーに関するオープン教材を公開

北海道大学が2020年9月11日付のプレスリリースで、高等教育推進機構オープンエデュケーションセンターが、アドビ株式会社との共同研究で開発したデジタルリテラシーに関するオープン教材を公開したことを発表しました。

同センターは2019年度にアドビ株式会社と共同研究契約を締結し、デジタルリテラシー教育で求められる批判的思考や創造的問題解決力を育成するオープン教材として、大学初年次教育を対象に、批判的思考や創造的問題解決力を根底から支える思考技術として「デザイン思考」を教授し、デジタルツールを活用した制作活動を通してデジタルリテラシーを深く学ぶことを目的に開発中の全4章からなるオープン教材の開発を進めています。今回、「第2章.デジタルプロダクトの読解」に対応する3つのコンテンツとして、「2-1 デジタルプロダクトの機能」、「2-2 デジタルプロダクトの観察」、「2-3 デジタルプロダクトの評価」が公開されました。

同センターは、共同研究で開発したオープン教材を学内外の教育に活用し実践研究を蓄積する予定であり、2020年7月には北海道大学の初年次向け授業「大学生のためのデジタルリテラシー入門」の教材として活用されました。今後の計画として、連携大学での利用やオープン教材をもとにしたMOOCの開講を挙げています。

Sparc Europe、欧州の高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーション(OE)の推進を目的とした2年半の新プログラムの立ち上げ計画を発表

2020年8月27日、欧州の高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーション(OE)の推進を目的とした2年半の新プログラムの立ち上げを計画していることを発表しました。

SPARC Europeは計画中の同プログラムについて、ユネスコのオープン教育資源(OER)促進を目的とした勧告の実現に貢献するものであり、プログラムの実施を通して欧州の高等教育図書館のOEに関するニーズ・進捗状況の把握、各国間の知識共有、OER・OEポリシー等の普及につながるものである、としています。

同プログラムでは、オランダ・デルフトで開催されたOEに関する国際会議“OE Global Conference”の成果として構築された欧州の図書館員のネットワーク“European Network of Open Education Librarians(ENOEL)”を実践的なコミュニティへと発展させること、OEやOERの方針・実践について個々のメンバーの知見の活用・共有等を行う専属の「コミュニティマネージャー」をENOEL内に設置することなどが計画されています。

なお、同プログラムには米国のWilliam and Flora Hewlett財団が助成を行っています。

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