オープン教育資源

北海道大学、アドビ株式会社との共同研究で開発したデジタルリテラシーに関するオープン教材を公開

北海道大学が2020年9月11日付のプレスリリースで、高等教育推進機構オープンエデュケーションセンターが、アドビ株式会社との共同研究で開発したデジタルリテラシーに関するオープン教材を公開したことを発表しました。

同センターは2019年度にアドビ株式会社と共同研究契約を締結し、デジタルリテラシー教育で求められる批判的思考や創造的問題解決力を育成するオープン教材として、大学初年次教育を対象に、批判的思考や創造的問題解決力を根底から支える思考技術として「デザイン思考」を教授し、デジタルツールを活用した制作活動を通してデジタルリテラシーを深く学ぶことを目的に開発中の全4章からなるオープン教材の開発を進めています。今回、「第2章.デジタルプロダクトの読解」に対応する3つのコンテンツとして、「2-1 デジタルプロダクトの機能」、「2-2 デジタルプロダクトの観察」、「2-3 デジタルプロダクトの評価」が公開されました。

同センターは、共同研究で開発したオープン教材を学内外の教育に活用し実践研究を蓄積する予定であり、2020年7月には北海道大学の初年次向け授業「大学生のためのデジタルリテラシー入門」の教材として活用されました。今後の計画として、連携大学での利用やオープン教材をもとにしたMOOCの開講を挙げています。

Sparc Europe、欧州の高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーション(OE)の推進を目的とした2年半の新プログラムの立ち上げ計画を発表

2020年8月27日、欧州の高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーション(OE)の推進を目的とした2年半の新プログラムの立ち上げを計画していることを発表しました。

SPARC Europeは計画中の同プログラムについて、ユネスコのオープン教育資源(OER)促進を目的とした勧告の実現に貢献するものであり、プログラムの実施を通して欧州の高等教育図書館のOEに関するニーズ・進捗状況の把握、各国間の知識共有、OER・OEポリシー等の普及につながるものである、としています。

同プログラムでは、オランダ・デルフトで開催されたOEに関する国際会議“OE Global Conference”の成果として構築された欧州の図書館員のネットワーク“European Network of Open Education Librarians(ENOEL)”を実践的なコミュニティへと発展させること、OEやOERの方針・実践について個々のメンバーの知見の活用・共有等を行う専属の「コミュニティマネージャー」をENOEL内に設置することなどが計画されています。

なお、同プログラムには米国のWilliam and Flora Hewlett財団が助成を行っています。

アルバータ大学図書館(カナダ)、州内の教育機関と連携し学習者・教員向けにオープン教育資源を提供するプラットフォーム“Open Education Alberta”を公開

カナダのアルバータ大学が運営するニュースサイト“folio”に2020年8月10日付で、同大学の図書館がアルバータ州内の中等教育後(post-secondary)教育を提供する機関と連携し、学習者・教員によるデジタル学習用資源への自由なアクセス・活用を可能とするプラットフォーム“Open Education Alberta”を公開したことが報じられています。

“Open Education Alberta”が提供する学習用資源は、パブリックドメインまたは再利用を許可するライセンスの下で公開されたオープン教育資源(OER)となっています。このため、プラットフォーム上で公開された学習用資源は、製作者の許諾や出版社への支払を行わなくても、自由にカスタマイズすることができます。プラットフォームのホスティングはアルバータ大学図書館が提供しています。

“Open Education Alberta”は、2年間のプロジェクトの成果として開発されました。アルバータ大学及びアルバータ州のマウント・ロイヤル大学の主導の下、同州内のマクユーアン大学、カルガリー大学、レスブリッジ大学、南アルバータ工科大学がプロジェクトの実現に貢献しています。

Center for Open Science(COS)、オープン学術資源のリポジトリ“Open Scholarship Knowledge Base”の公開を発表

2020年8月10日、米国の非営利団体Center for Open Science(COS)は、研究者や学生等に向けたオープン学術資源のリポジトリ“Open Scholarship Knowledge Base”(OSKB)の公開を発表しました。コミュニティ主導型のイニシアチブによる成果であり、COSも開発を支援しています。

オープン学術資源を容易かつアクセスしやすい形で提供することにより、オープン学術資源の認知度及び利用率の向上を企図しています。また、収録資源には、OSKBのコミュニティによるレビュー、編集、キュレーションが行われるとあります。

Introducing the Open Scholarship Knowledge Base(COS, 2020/8/10)
https://www.cos.io/blog/introducing-the-open-scholarship-knowledge-base

カナダ研究図書館協会(CARL)、カナダの高等教育機関によるオープンエデュケーションサービスへの支援状況について調査した報告書を公開

2020年6月29日、カナダ研究図書館協会(CARL)のオープンエデュケーションワーキンググループ(OEWG)が、カナダの高等教育機関によるオープンエデュケーションサービスへの支援状況について調査した報告書を公開しました。

調査は、オープンエデュケーション、特に、オープン教育資源(OER)に利用に関し、大学図書館・研究図書館が果たした役割を明らかにする事を目的としたものです。2019年6月から12月にかけて、250を超す高等教育機関を対象に、主にウェブサイトで公開されている情報をオープンエデュケーションサービスへの支援方法に関する調査が行われました。

報告書には支援方法、サービス内容、技術、成功事例に関する概要や分析が掲載されています。

ウェブサイトで公開されている情報による調査であるため、重要な取組を見落としている可能性があることから、調査プロジェクトがデータ収集のために用いているスプレッドシートにコメントするよう依頼しています。

SPARC Europe、欧州の高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーションに関する調査結果を公開

2020年6月24日、SPARC Europeが、欧州の高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーションに関する調査結果の最終版“Open Education in European Libraries of Higher Education”を公開しました。

同調査は、欧州のオープンエデュケーション(OE)やオープン教育資源(OER)を強化することを目的に行われ、大学図書館を中心とした、欧州の28か国の146館の図書館からの回答を分析したものです。

調査結果は、高等教育機関の図書館におけるOEやOERに関して、費用、組織内の体制、方針の策定状況、図書館の関わり方、広報方法、図書館が提供しているサービス、求められるスキル、課題と可能性・利点の8つの観点からまとめています。

また、高等教育機関の図書館へ向けた推奨事項として、予算の一部をOEに充てること、OE方針の策定を支援すること、OER作成にかかわること、作成されたOERを適切に管理すること等を挙げています。

米・LYRASIS、米国の図書館におけるオープンコンテンツへの取組状況を調査した報告書を公表

2020年6月18日、米国の図書館等のネットワークLYRASISは、米国の図書館におけるオープンコンテンツへの取組状況を調査した報告書“Understanding the Landscape of Open Content Activities in United States Libraries”を公表しました。

調査は、オープンアクセス(OA)スカラシップ、オープンデータ、オープン教育資源(OER)に関する取組や財政支援の実施状況に焦点を当てた内容となっています。LYRASISのメンバー館等を対象として2020年1月31日から3月22日にかけオンラインで実施され、回答者は質問計30問への回答を求められました。計224の回答が寄せられ、空白回答や同一機関のメンバーからの重複回答の削除を経て、計166の回答が分析に用いられました。

報告書では、OAスカラシップのための機関リポジトリは広く学術図書館で採用されているが教員による学術コンテンツの登録は限定的であること、外部のOAイニシアチブへの財政支援を実施している機関は少ないこと、多くの大学図書館は機関リポジトリでOERへのアクセス提供を行っていないこと等の調査結果が図表を用いて示されています。また、調査に用いた質問票がPDF形式で、回答データがExcel及びCSV形式で公開されています。

北米研究図書館協会(ARL)第一回ベンチャー助成の助成対象者が決定

2020年6月8日、北米研究図書館協会(ARL)は第一回ベンチャー助成(Venture Fund)の助成対象者が米国のノースカロライナ大学(UNC)チャペルヒル校図書館、ノースウェスタン大学図書館、テンプル大学図書館に決定したことを発表しました。

ベンチャー助成は協会の重点事項を推進する加盟機関の活動を支援することを目的として、2019年に設立されました。

ノースカロライナ大学(UNC)チャペルヒル校図書館のプロジェクトは“On the Books: Jim Crow and Algorithms of Resistance”であり、100年以上のノースカロライナ州の会期別法令集のテキストコーパスを作成し、機械学習を使用してジム・クロウ法を特定します。このプロジェクトは、研究者に新たな研究機会をもたらすことが期待されます。

ノースウェスタン大学図書館のプロジェクトは“Lowering Barriers for Publishing Open Textbooks: A Minimal Computing Toolkit”であり、助成はオープン・テキストブック作成者向けのツールキットの拡張に利用されます。ツールキットは、ARL加盟機関の司書、教職員を対象としており、オープン・テキストの出版を支援します。

カナダ研究図書館協会(CARL)、2019年5月開催のオープンスカラシップに関するワークショップ“Advancing Open”の報告書を公開

2020年4月30日、カナダ研究図書館協会(CARL)は、ワークショップ“Advancing Open”の報告書を公開したことを発表しました。

“Advancing Open”は2019年5月6日から7日にかけて、カナダの学術図書館の学術コミュニケーションに関する実践者コミュニティが、オープンアクセス・オープンデータ・オープンエデュケーションを含む「オープンスカラシップ」をカナダ国内で促進するために新しい戦略を模索する機会として開催されました。CARL・カナダ研究知識ネットワーク(CRKN)や国内の大学図書館等の主催により実施されています。

報告書はワークショップ当日に70人以上の参加者の間で交わされた議論を取りまとめた内容となっています。ワークショップでは、機関から国際的なレベルまでのオープンスカラシップに関するポリシー、オープンスカラシップに関する日常業務などの実践のためのワークフローや運営、ソフトウェアやインフラなどのオープンスカラシップを支える技術、ダイバーシティ・作業量・コミュニティからの支援といった人的要素、教育・アウトリーチを通したオープンスカラシップのアドヴォカシーの5つのテーマについて、参加者の間で議論が交わされました。

SPARC Europe、欧州の高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーションの状況の基礎調査について中間結果を公開

2020年4月29日、SPARC Europeは、欧州の高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーションの基礎調査について中間結果を公開したことを発表しました。

SPARC Europeは2019年の欧州研究図書館協会(LIBER)のカンファレンスで、学術図書館がオープンエデュケーションへどのように貢献しているかを調査する計画を発表していました。2019年後半に調査の第1弾として、高等教育機関の図書館におけるオープンエデュケーションの現況調査が行われています。

SPARC Europeの調査には欧州29か国から146件の回答が寄せられ、機関の状況・資金調達の状況・方針策定・図書館のリーダーシップ・アドヴォカシー・関連するサービス・関連する課題と利益の7つの分野への調査が行われています。

次のような調査結果が紹介されています。

・オープンエデュケーションに関する方針は、20以上回答されたものの機関の大方針の中の一部という位置づけにされている傾向にあった。オープンエデュケーションの価値を機関でより強固にする必要がある

・半数以上の機関が、オープンエデュケーションやオープン教育資源(OER)に関する取り組みの中心的な立場にあると回答している

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