オープン教育資源

Sparc Europe、欧州の高等教育機関の図書館等におけるオープンエデュケーション推進に関する2021年から2023年の戦略を発表

2021年5月31日、Sparc Europeのオープンエデュケーション(OE)の発展支援等を行う欧州の図書館員のネットワーク“European Network of Open Education Librarians” (ENOEL)が、2021年から2023年にかけての戦略計画を発表しました。

高等教育における図書館は、欧州の教育資源・実践をオープンかつ再利用可能にするうえで重要なパートナーであり、ENOELの活動の主な対象は欧州の高等教育機関の図書館員コミュニティとすると述べています。

活動の主要な目標に、ユネスコ(UNESCO)によるオープン教育資源(OER)促進のための勧告の実施支援を掲げています。取り組む事項として、「能力育成」「OERを支援するポリシーの策定」「包括的で公正な質のOERの推進」「OERの持続可能なモデル構築の促進」「OERに関する国際協力の推進と強化」が挙げられています。

大学教員のオープン教育資源への認識・態度に係る調査(文献紹介)

2021年4月に公開された“Journal of Librarianship and Scholarly Communication”9巻1号(オンライン版)に、Jeffrey D. Bond氏らによる“Faculty Survey on OER: Perceptions, Behaviors, and Implications for Library Practice”と題する記事が掲載されています。

米・テキサスクリスチャン大学のMary Couts Burnett図書館が、大学でのオープン教育資源(OER)の採用を増やすために、OERへの同大学の大学教員の認識と態度について調査したものです。その調査結果からOERの普及のために図書館が考慮すべきポイントは、教員向けのOERトレーニングプログラムの確立と助成プログラムの開発であり、そのためには図書館は学内の他部署と協力する必要があると述べられています。

大学図書館向けプラットフォームにおけるカリキュラム開発支援強化の必要性(記事紹介)

学術情報流通に関連した多様な話題を提供する学術出版協会(Society for Scholarly Publishing:SSP)運営のブログ“The Scholarly Kitchen”に、2021年3月31日付けで記事“Library Vendor Platforms Need a Strategic Reboot to Meet Librarian Curriculum Development Needs”が掲載されています。筆者は大学図書館向け電子コンテンツ関連企業の創設者であるDavid Parker氏です。

同記事では、教科書価格の高騰、ハイブリッドコースやオンラインコースの増加、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを受けて、カリキュラム開発における大学教員と図書館員との関わりは大きく加速したとしています。

米・SPARCが組織する“OER Discovery Working Group”、オープン教育資源(OER)の発見可能性を高めるためのメタデータのフレームワークを提案した文書を公開

2021年3月12日、米・SPARCは、米国・カナダの図書館員・情報専門職のワーキンググループが、オープン教育資源(OER)を検索で容易に発見可能とするための基準を作成したことを発表しました。

SPARCはオープンエデュケーションプログラムの一環として、最適なタグの欠如等のためOERの検索による発見が困難な状況を改善するため、米・フロリダ州立大学図書館のトーマス(Camille Thomas)氏を中心とするワーキンググループ“OER Discovery Working Group”を組織しました。ワーキンググループでは、ベストプラクティスの情報収集やメタデータ標準に関する議論・検討が進められました。

ワーキンググループは、MARC21・ダブリンコア・Schema.orgといった既存のメタデータ標準の語彙を、OERで求められるニーズに適用・翻訳した文書として“OER Metadata Rosetta Stone”を作成しGoogleドキュメント上で公開しました。OERのメタデータを、タイトル・著者・主題・ライセンスを示したURLなどの「必須」レベル、受講対象者・貢献者・編集者など情報源から確認できる場合には記述が必要な「推奨」レベル、ページ数・出版者・場所などの「任意」レベルの3種類の要素に分けて提案しています。

大学のシラバスを収集・分析する団体Open Syllabus、ウェブサイトの更新を発表:オープン教育資源(OER)を評価するためのツールを公開

2021年2月10日、世界の大学のシラバスを収集・分析する団体Open Syllabusが、ウェブサイトの更新を発表しました。分析のもととなるデータセットを2.0から2.5に更新しています。

教材となっている書籍や論文とシラバスの関連を可視化するGalaxyでは、これまでは16万4,000タイトルをマッピングし、3万タイトルを同時に表示させていましたが、今回の更新により、110万タイトルをマッピングし、50万タイトル表示できるようになりました。

また、新しい機能として、オープン教育資源(OER)の傾向や採用パターンを調べることができるOER Metricsが公開されました。講義での教材の採用決定のための情報源や、著者・出版社・助成機関による投資先の決定に資することが期待されています。

その他、LINK LABでは、収集したシラバスをもとに、新聞・雑誌の記事、ビデオ・ドキュメンタリー、ブログ記事といった、教材として用いられた既存とは異なる資料のリストが作成・公開されています。

SPARC Europe、2021年から2024年までの次期4年間に関する新戦略を発表

2021年1月28日、SPARC Europeは、2021年から2024年までの次期4年間に関する新戦略を発表しました。

SPARC Europeは次期4年間について、公平、多様で持続可能なオープンサイエンス・オープンエデュケーションのエコシステム開発に中心的に取り組むことを表明し、次のような項目を新戦略の目標に掲げています。

・欧州におけるオープンアクセス・オープンスカラシップ・オープンサイエンス・オープンエデュケーションに関するポリシーの確立に努め、可能な限り全体の調和を図る
・研究・教育の場面で「オープン」に向けた流れを推進する
・研究・教育リソースが広く公開・共有されることを願う全ての人がより良い方法で実現できるように、「オープン」の利益が公平に甘受されるように努める
・オープンリサーチ、オープンエデュケーションの成果公開において多様性を促進する
・オープンリサーチの報酬とインセンティブのあり方を再考し、公的資金の助成を受けた研究の影響力を向上させる
・「オープン」を支えるインフラストラクチャーやサービスのエコシステムの持続を支援する

オープン教育資源(OER)のメタデータの品質に関する分析(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2021年1月19日付で、ドイツ国立科学技術図書館(TIB)のMohammadreza Tavakoli氏らが共著で執筆した文献“Metadata Analysis of Open Educational Resources”が公開されています。

様々なオンライン学習用リポジトリが多数のオープン教育資源(OER)を提供していますが、OERに関する良質な検索・推薦サービスの欠如により、学習者の利用は妨げられている状況にあります。そして、良質な検索・推薦サービスの実現には、メタデータが重要な役割を果たし、同時に品質管理の自動化にも有効であることが指摘されています。

カナダ研究図書館協会(CARL)、大学教職員を対象とした著作権学習のためのオープン教育資源(OER)を公開

2020年12月17日、カナダ研究図書館協会(CARL)は、大学教職員を対象とした著作権学習のためのオープン教育資源(OER)を公開したことを発表しました。

CARLが新しく公開した“Copyright Open Educational Resource for University Instructors and Staff”は、大学の教職員に対して複雑なカナダの著作権法の内容を案内するために作成されました。4分から6分程度の動画と簡単なクイズで構成されたモジュールが7種類公開されています。

公開されたモジュールのコンテンツには、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BY-NCが付与されています。また、授業で採用・利用を検討している大学向けに、実務ガイド(Implementation Guide)を公開しています。

米・ユタ州大学図書館コンソーシアムが州内の学生・教員に実施した教科書・オープン教育資源(OER)に対する意識調査(文献紹介)

国際オープン・遠隔教育協議会(International Council for Open and Distance Education:ICDE)の刊行するオープンアクセスの査読誌“Open Praxis”の第12巻第3号(2020年7-9月)に、論文“Academic Librarians Examination of University Students’ and Faculty’s Perceptions of Open Educational Resources”が掲載されています。

同論文は、米・ユタ州の大学図書館コンソーシアム“Utah Academic Libraries Consortium (UALC)”が州内の学生・教員を対象に実施した、教科書・オープン教育資源(OER)に対する意識調査の結果を報告するものです。教科書にかかる費用が学業に与える影響、教科書費用の問題の解決手段としてのOER採用の実現可能性、OERに関する図書館員の支援のニーズ等についてのアンケート調査が行われました。州内の高等教育機関10機関の学生2,574人、教員1,157人の回答に基づいて、次のようなことを報告しています。

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)、「学術図書館の動向と統計」の2019年版を刊行

2020年10月29日、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)が、2019年版「学術図書館の動向と統計」(Academic Library Trends and Statistics)を刊行したと発表しています。

1,642の学術図書館のコレクション(冊子体・電子書籍)、職員数や職員配置の傾向、支出額(資料費、人件費)、図書館サービス、オープン教材(OER)の取組に関するデータがまとめられています。

本文は有料ですが、プレスリリースでデータの一部が紹介されています。

2019 Academic Library Trends and Statistics(ACRL insider,2020/10/30)
https://acrl.ala.org/acrlinsider/archives/20478

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