音声

E2362 - 第22回灰色文献国際会議(GL2020)<報告>

2020年11月19日,第22回灰色文献国際会議(Twenty-Second International Conference on Grey Literature:GL2020)が,GreyNet(E2108参照)主催で開催され,24か国から約60人が参加した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で,会場は当初予定していたイタリアのローマから初の試みとなるオンライン会議へと変更になり,会期も2日間から1日に短縮された。また今回から,会議の略称表記のGL+開催回数(2019年の第21回はGL21)がGL+西暦に変わり,GreyNetの運営元で出版事業も担うTextReleaseが会議出版物の発行責任は維持しつつも編集を外部委託に移行するなど,現体制になった2003年の第5回から続いてきたものが変化した一つの節目の年でもあった。

英・電子情報保存連合(DPC)、視聴覚資料のデジタル保存に関するレポート“Pragmatic Audiovisual Preservation”を公開

2021年2月23日、英・電子情報保存連合(DPC)は、視聴覚資料のデジタル保存に関するレポート“Pragmatic Audiovisual Preservation”の公開を発表しました。著者は映像資料やデジタル保存ワークフローの専門家であり、現在はデジタル保存に関するソフトウェア開発やコンサルティング等を行うカナダの企業Artefactualに勤務するAshley Blewer氏です。

同レポートは、デジタル保存の概念やアーカイブ作業の実務に関する基礎知識を有し、かつ視聴覚資料に関する専門知識を有さない実務者を対象とした実践的ガイダンスと位置付けられています。内容としては、視聴覚資料のメディアやファイル構造に関する解説、デジタル保存におけるベストプラクティス、課題の整理、各種ファイルフォーマットの解説、3機関を対象としたケーススタディー、組織タイプ別の保存シナリオ、参考文献等が含まれています。

英・ロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)、消滅の危機に瀕する言語を搭載する“Endangered Language Archive(ELAR)”の新しいオンラインプラットフォームを公開

2021年2月23日、英・ロンドン大学東洋アフリカ学院(SOAS)は、2月21日の国際母語デーにあわせ、“Endangered Language Archive(ELAR)”の新しいオンラインプラットフォームを公開したと発表しています。

ELARは、言語の多様性が激減していることに対応するため、アルカディア基金からの資金提供を受けて、消滅に危機に瀕する言語を記録化する事業への助成プログラムとともに2002年に開設されたものです。

デジタル保存技術を持つ英・Preservica社の支援を受けて構築された新しいプラットフォームには、世界中で記録された消滅の危機に瀕した500点を超す言語の視聴覚資料が搭載されています。

ELAR launches new archiving platform(SOAS,2021/2/23)
https://www.soas.ac.uk/news/newsitem151887.html

国立国会図書館、歴史的音源約600点を新たにインターネット公開

2021年1月27日、国立国会図書館は、歴史的音源(れきおん)で提供する音源のうち、著作権・著作隣接権の保護期間満了を確認した約600点を、新たにインターネット公開しました。

今回の公開により、インターネット上で公開する歴史的音源は約5,500点となりました。歴史的音源の全音源約5万点は、国内外の約320館の歴史的音源配信提供参加館で聴くことができます。

歴史的音源約600点を新たにインターネットで公開しました(国立国会図書館, 2021/1/27)
https://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2020/210127_01.html

歴史的音源配信提供参加館一覧 (2021年1月15日現在)(国立国会図書館デジタルコレクション)
https://dl.ndl.go.jp/ja/rekion_librarylist.html

世界の言語遺産を保存するアーカイブプロジェクト“collection Pangloss”(記事紹介)

2021年1月15日、フランス国立科学研究センター(CNRS)が、消滅の危機に瀕し、記録されていない言語の音声アーカイブプロジェクト“collection Pangloss”に関する記事を掲載しました。

同プロジェクトは、言語多様性等に関するCNRS内の研究ユニット“Langues et civilisations à tradition orale(LACITO)”により1995年から開始され、2012年に“collection Pangloss”という名称がつけられました。

記事によると、現地調査時に収集された170以上の言語の、ドキュメント、音声、ビデオ3,600件以上がコレクションに含まれています。また、提供されている録音は、全体で約780時間であり、半分近くに内容のテキストや注釈が付与されています。

また、記事の中では、専門家のニーズに応えること、より多くの人がアクセスしやすくすることを目的に、2021年1月にインターフェースを改善したウェブサイトを公開したことに触れています。その他、FAIR原則に則ったデータの提供や、2020年10月以降行っているドキュメントへのDOI付与をはじめとした、オープンサイエンスに関する取組等について述べられています。

米・カリフォルニア大学サンタバーバラ校図書館、特別研究コレクションにラジオ放送に関する世界最大規模のコレクション“American Radio Archives”を追加

2020年12月17日、米国のカリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)は、ラジオ放送に関する世界最大規模のコレクション“American Radio Archives”が同校図書館の特別研究コレクションにまもなく追加されることを発表しました。

“American Radio Archives”は、カリフォルニア州サウザンドオークスの非営利の図書館支援団体サウザンドオークス図書館財団(TOLF)によって、1984年から構築の開始したラジオ放送に関するアーカイブコレクションです。英国のウィンストン・チャーチル元首相のオリジナル録音音源をはじめ、1922年以降の写真、ラジオ放送やテレビ放送の脚本、書籍、映像などで構成されています。1987年に著名な歌手でラジオ司会者であったヴァリー(Rudy Vallée)氏の遺品からラジオ放送に関する資料を引き継ぐなど、ラジオ放送業界の関係者からたびたび貴重資料の寄贈を受けてコレクションとしての価値を高めました。

米・カリフォルニア大学サンタバーバラ校図書館、SPレコード時代の録音に関するデータベース“Discography of American Historical Recordings”にLinked Dataを追加

2020年11月2日、米国のカリフォルニア大学バーバラ校図書館が、SPレコード時代の録音に関するデータベース“Discography of American Historical Recordings(DAHR)”にLinked Dataを付与したことを発表しました。

DAHRは、米国のレコード会社が作成したマスターの録音31万4,000件以上が登録されたオンラインデータベースであり、3万件以上の録音を無料で聞くことができます。

発表の中では、貴重資料の収集・保存・提供を行う同館のコレクション“UCSB Library Special Research Collections”の編集チームが、録音資料の保存に関する取組を行う米国議会図書館(LC)の“National Recording Preservation Board”からの助成を受け、1年かけてLinked Dataの追加に取り組んだと述べられています。

バーチャル国際典拠ファイル(VIAF)や、LCが提供するLinked Data等が追加されています。

オーストラリア国立公文書館(NAA)、2025年までに再生できなくなる可能性が高い視聴覚記録のデジタル化保存のため300万ドルを拠出すると発表

2020年10月27日、オーストラリア国立公文書館(NAA)が、視聴覚記録のデジタル化保存のため300万オーストラリアドルを拠出すると発表しました。5年計画の最初の1年分の作業の資金となります。

予算が逼迫するなかでも、今後5年間で、技術や機器の入手が困難となり、また、媒体自体も劣化することで、再生できなくなる可能性が高い磁気メディアの記録の保存を重視して決定したもので、この拠出により、同館のデジタル化された視聴覚資料は12万アイテムを超えるまで増加し、最も重大な危機にさらされている資料のほぼ半分がデジタル化保存されることになります。

NAAが所蔵する視聴覚記録には、先住民(アボリジニとトレス海峡諸島民)の言語・物語・オーラルヒストリー、同国の南極観測基地への遠征隊、オーストラリア郵便公社の広告、ウーメラ試験場から発射されたロケット、スノーウィーマウンテンズ水力発電計画による建設に関する記録があると紹介されています。

フランス国立書籍センター(CNL)、書籍の抜粋を読む音声を配信するポッドキャストを公開

2020年10月6日、フランス国立書籍センター(CNL)が、書籍の一部を読んだ音声を配信するポッドキャストのチャンネル“La bibliothèque sonore du CNL”を公開したことを発表しました。

発表の中では、市民と書籍をつなぐための1つの方法と述べられています。10月20日現在、CNLが5人の著者に依頼して作成された、書籍の冒頭ページを読む音声データ5件を提供しています。

同チャンネルは、誰でもアクセスし、音声を聞くことができます。

Entrez dans la bibliothèque sonore du CNL(CNL, 2020/10/6)
https://centrenationaldulivre.fr/actualites/entrez-dans-la-bibliotheque-sonore-du-cnl

米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)、新型コロナウイルス感染症感染拡大下の体験談を募集するプロジェクト“History Now: The Pandemic Diaries Project”を開始

2020年8月17日、米国のニューヨーク公共図書館が、新型コロナウイルス感染症感染拡大下における体験談を募集するプロジェクト“History Now: The Pandemic Diaries Project”を開始したことを発表しました。

募集の対象は、新型コロナウイルス感染症感染拡大下の生活に関する個人の体験談を記録した音声ファイルであり、18歳以上であれば誰でも応募可能です。発表によると、今回の募集はプロジェクトの第1フェーズであり、2020年11月18日まで投稿を受け付ける予定です。また、ビデオを含んだ他の形式のファイルでの投稿を可能にし、プロジェクトの第2フェーズを展開したいということが述べられています。

投稿された音声ファイルは、NYPLの研究図書館にアーカイブされる予定です。

We Want to Hear Your Pandemic Story(NYPL, 2020/8/17)
https://www.nypl.org/blog/2020/08/17/pandemic-diaries

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