研究データ

SPARC Europe、欧州連合(EU)のオープンデータ指令の概要と国内法への導入のためのガイダンスからなる資料を公開

2019年10月31日、SPARC Europeは、改正を経て2019年7月16日に発効した欧州連合(EU)の“Directive on open data and the re-use of public sector information”(オープンデータ指令)の概要等をまとめた資料を公開しました。

EU加盟国では、2021年7月16日までに同指令の内容を国内法化することが求められています。今回公開された資料では、同指令の概要、公的助成を受けた研究データに関する第10条をはじめとした研究機関・図書館・研究助成機関に関わる条項の紹介、国内法への効果的な導入のためのガイダンスが掲載されています。

LA Referenciaと米・LYRASIS、ラテンアメリカのオープンソースコミュニティの進展・促進を目的に覚書を締結

2019年11月1日、米国の図書館等のネットワークLYRASISと、研究成果のオープンアクセス化を推進するラテンアメリカの国際組織La Referenciaが、連携のための覚書を締結したと発表しています。10月31日付で発効しています。

学術コミュニケーション・データ共有・リポジトリを管理するために設計されたオープンソースで、コミュニティ支援型の技術・プログラムへの関与や導入を支援することで、ラテンアメリカのオープンソースコミュニティを進展・促進させることが目的です。

以下の4点を目的として掲げています。

1.ラテンアメリカで導入された新たにリリースされたLYRASISのコミュニティ支援型プログラムに関する研修、オンライントレーニング、ワークショップ、イベントの促進
2.国際標準に準拠した適切なリポジトリの実現の支援、及び、そのための国内や国際的な政策や政策立案者への働きかけ
3.国内のユーザーグループの活動の調整・支援、及び、コミュティー間の連携の支援
4.各々のコミュニティーへの関与、及び、連携活動のための利害関係者の把握と連携の成果の世界への発信

国立情報学研究所(NII)、ダイエット商品口コミサイトの投稿データ約16万件を研究用データセットとして情報学研究データリポジトリ(IDR)で学術研究目的に無償提供開始

2019年10月29日、国立情報学研究所(NII)とダイエット商品口コミサイト「ダイエットカフェ」を運営する株式会社T.M.Community(TMC)は共同で、「ダイエットカフェ」に投稿された口コミデータ約16万件を研究用データセットとして、学術研究目的に無償提供を開始したことを発表しました。データセットはNIIが運営する情報学研究データリポジトリ(IDR)で提供されます。

「ダイエットカフェ」はダイエット関連企業との利害関係を有さず、ユーザーの口コミ情報のみを取り扱っていることを特徴としています。提供を開始するデータは、2008年8月3日のサービス開始日から2019年10月3日までに投稿された約8,000のダイエット商品に対する約16万件の口コミデータです。データは個人情報を含まない形で約60MBのCSVファイル形式で提供されます。

共同発表の中では、消費者の使用経験に基づく文章が含まれ、主観的な評価スコアや客観的な身体データと合わせて、健康に関連する分野での学術研究への利用が期待されること、主題が特化しプラス・マイナス両方の評価を含む等、既存のデータセットとは異なる特徴を持っているので相補的なデータ活用により新たな研究の展開が期待されること、などが指摘されています。

figshare、年次報告書“The State of Open Data 2019”を公開

2019年10月23日、Digital Science社は傘下のfigshareが年次報告書“The State of Open Data 2019”を公開したと発表しました。

オープンデータを扱う研究者の動向を調査することを目的に2016年に開始して以来4回目の報告書で、8,500の回答があった今回の調査では、オープンデータの採用については良い傾向であるものの、研究者は政府・助成機関・出版社等による義務化のさらなる実施を要求していると指摘しています。

また、主な調査結果として、

・回答者の79%が一次研究をオープンに利用可能にするための国家による義務化を全体的に支持している
・回答者の67%が、助成機関がデータの共有を義務づけている場合にそれに従わない研究者は、助成機関が資金提供を差し控えるか、他の方法で罰するべきとしている
・回答者の69%が、助成機関が研究データの共有を助成金の提供の要件の一部にするべきとしている
・回答者の36%が、自身の研究データが共有された場合に、誤用されないか懸念している
・回答者の42%は、共著者となった場合、自身のデータを共有することが推奨されるとしている

【イベント】北海道大学附属図書館主催Open Access Weekセミナー「オープンサイエンス事始め : ZoteroやFigshareを使いこなす」(10/28・札幌)

2019年10月28日、北海道大学附属図書館北図書館西棟2階セミナールームにおいて、北海道大学附属図書館研究支援課の主催により、Open Access Week セミナー「オープンサイエンス事始め : Zotero や Figshare を使いこなす」が開催されます。

オープンソースの文献管理ソフトZoteroと、研究データ公開プラットフォームFigshare の使用法と利点の解説、及びオープンアクセス(OA)文献を発見するためのツール(ブラウザ拡張機能など)紹介を内容とするセミナーです。北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院所属で、Zoteroの開発に携わりFigshareの相談役も務めるMichael Schiltz准教授がセミナーの講師を担当します。セミナーは質疑応答を除いて英語で行われます。

セミナーには北海道大学の学内者・学外者を問わず参加可能です。定員は40人で事前の参加申込用フォームが用意されており、当日参加は席に余裕がある場合のみ可能です。

【イベント】九州大学統合新領域学府ライブラリーサイエンス専攻・附属図書館共催シンポジウム・ワークショップ「大学における研究データサービス」(12/5-6・福岡)

2019年12月5日及び6日に、九州大学中央図書館(福岡県福岡市)4階きゅうとコモンズにおいて、九州大学統合新領域学府ライブラリーサイエンス専攻と九州大学附属図書館の共催によるシンポジウム・ワークショップ「大学における研究データサービス」が開催されます。

同イベントは九州大学と米国イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校との戦略的パートナーシップの一環として開催されます。シンポジウムでは、イリノイ大学から招へいされた図書館職員による、図書館の研究データサービス部門におけるサービスやサブジェクトライブラリアンによる研究者への研究データ支援の実際の紹介と、日本の大学における研究データサービスの方向性についての議論が行われる予定です。ワークショップはシンポジウムの翌日に開催され、研究データとは何か、データキュレーションに必要なチェック項目は何か、学術雑誌のデータポリシーの確認の重要性に関する演習を通して、研究データサービスとして何が必要かを理解することを目標とした内容です。

無料で参加可能ですが事前に申し込みが必要です。また、シンポジウムの定員は80人、ワークショップの定員は40人となっています。

主なプログラムは以下のとおりです。

DataCiteとFAIRsharingが研究データリポジトリの推奨基準改善のための共同取り組みを開始

研究データ等にデジタルオブジェクト識別子(DOI)を提供する非営利組織“DataCite”は、2019年10月4日付のブログ記事において、英国オックスフォード大学に拠点を置くデータ共有のためのレジストリサイト“FAIRsharing”と覚書(Memorandum of Understanding)を取り交わし、研究データリポジトリの推奨基準改善のため共同して取り組むことを発表しました。

研究者は、助成機関や出版社から、研究成果物の基礎となる研究データの共有を求められるようになり、どこに保存するか、どのメタデータ標準が関わるかに関する手引きが重要になっています。しかし、現在は様々な組織のリポジトリが独自の基準を持っており整合していない状況にあります。共通の基準を使用しているリポジトリのリストがあれば、編集者や出版者の時間を節約し、著者にも一貫した手引きを提供できるということが共同取り組みの背景です。また、この取り組みにあたっては、現在両組織が実施中の研究データリポジトリの推奨基準を特定する共同プロジェクトも関連している、としています。

研究データ管理に関する無料の図書館員向けオンライン講座“Research Data Management Librarian Academy”が開始

LJ infodocketの2019年10月8日付け記事で、研究データ管理(RDM)に関する無料のオンライン講座“Research Data Management Librarian Academy”(RDMLA)の開始が紹介されています。

RDMLAのウェブサイトによれば、世界中の研究集約的な環境で勤務する図書館員や情報専門家らのための専門スキル開発プログラムであり、無料のオンライン講座を提供する“Canvas Network”上で公開されています。特徴として、米・ハーバード大学図書館やブラウン大学、エルゼビアなど、複数の機関によるパートナーシップが挙げられています。

RDMLAのカリキュラムは、RDMにおいて研究者との効果的に連携するために必要不可欠な知識やスキルに焦点を当てており、RDMの基礎、研究文化、図書館でのRDMサービスの提唱とマーケティング、プロジェクト管理、RDMツールの概観などのトピックを扱う8つのオンライン自習型学習ユニットを備えているとあります。なお、受講には登録が必要となっています。

エチオピアで国家規模のオープンアクセス(OA)方針が採択される

途上国において図書館を通じたデジタル情報へのアクセスを推進しているEIFLの2019年10月4日付のブログ記事において、エチオピアが2019年9月に高等教育機関向けに国家規模のオープンアクセス(OA)方針を採択したことが紹介されています。

EIFLのブログ記事によると、このOA方針はエチオピアの科学技術と高等教育の管轄省であるMinistry of Science and Higher Education of Ethiopia(MOSHE)により採択されました。OA方針は速やかに発効し、MOSHEが管轄するエチオピア国内47以上の大学において、公的な助成により実施され公表された大学構成員の論文・学位論文・データ等について、その全てをOA化することを義務づけています。また、公的助成を受けた研究に基づく全ての公表された研究成果物は、国立のリポジトリであるNational Academic Digital Repository of Ethiopia(NADRE)、及び大学が設置している場合には大学の機関リポジトリへ保存することも義務づけています。

【イベント】三田図書館・情報学会2019年度研究大会 ラウンドテーブル「社会科学領域における研究データの公開と共有:図書館情報学での実践に向けて」も開催(11/16・東京)

2019年11月16日、慶應義塾大学三田キャンパスにて、三田図書館・情報学会2019年度研究大会が開催されます。

図書館情報学に関する研究発表が行われるほか、午後の時間帯には「社会科学領域における研究データの公開と共有:図書館情報学での実践に向けて」と題したラウンドテーブル(出席者が積極的に討議に関わる場)が設けられています。開催案内によれば、「図書館情報学領域と密接な関係がある社会科学領域における研究データの共有と公開に注目し,現在のオープンサイエンス,研究データのオープン化という新しい文脈において,従来からの活動がどのように位置づけられ,今後どのように広がっていくのかについて情報共有し,その動きを我が身に引きつけて考えてみること」を目的とする、とのことです。

三田図書館・情報学会 2019年度研究大会
http://www.mslis.jp/am_2019.html

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