人工知能

武庫川女子大学附属図書館(兵庫県)、AI顔認証による入退管理システム「SAFR」を導入:館内滞在状況把握のため

2021年10月11日、兵庫県の武庫川女子大学が、同大学附属図書館でNTTドコモのAI顔認証による入退管理システム「SAFR」を導入したことを公表しました。なお、8月3日付で、同館のウェブサイト上に、顔認証システムの導入についてのお知らせが掲示されていました。

発表によると、同大学附属図書館のうち中央図書館は生涯学習の場として西宮市(兵庫県)内在住・在校の中高生等学外者へも一般開放しており、学外者は共用カードでの入退館をしていました。不特定多数が頻繁に利用する施設であることから、リスクマネジメントを強化するため、利用者の詳細な把握が課題になっていました。

今回の導入により、地震や火災発生時などの緊急事態においても館内の滞在状況が即座に確認できるようになる他、学外者の所属別利用状況を簡単に把握することができ、その情報を基に生涯学習支援施策の検討ができるようになるとあります。

Springer Nature社、書籍・論文の出版プロセスにおいて著者向けに無料の自動翻訳サービスを提供

2021年10月18日、Springer Nature社は、書籍・論文の出版プロセスにおいて著者向けに無料の自動翻訳サービスを提供していることを発表しました。

同サービスは、人工知能(AI)を活用した自動翻訳サービスDeepLを利用したものであり、6言語(ドイツ語・中国語・日本語・スペイン語・ポルトガル語・フランス語)から英語への翻訳に対応しています。

無料で簡単、かつ効率的な翻訳方法の提供により、著者は自らの好む言語で執筆できる一方、作品の読者層を大きく拡大できるメリットがあるとしています。なお、自動翻訳された書籍・論文は、人間により内容の正確性確認が行われるほか、出版に当たっては、原文及び翻訳文の著作権を保持する著者の承認を得た上で行う旨が示されています。

E2435 - 大学図書館の来館利用を促す要因を探るSCONULの報告書

   2021年7月,英国国立・大学図書館協会(SCONUL)が,大学図書館の来館利用に関する報告書を公開した。SCONUL会員館では,多くの資料が電子媒体で入手できる中でも来館者数が増加または維持の傾向にあり,本報告書はその要因を分析している。以下,その内容を紹介する。

韓国国立中央図書館(NLK)、コロナ禍によって加速化した知識情報のデジタルへの大転換に積極的に対応するため「デジタルサービス3か年計画(2021-2023)」を推進すると発表

2021年9月28日、韓国国立中央図書館(NLK)が、コロナ禍によって加速化した知識情報のデジタルへの大転換に積極的に対応するため「デジタルサービス3か年計画(2021-2023)」を推進すると発表しました。

同計画は以下のような5つの重点課題と15の詳細な推進課題で構成されています。

1.コリアンメモリーサービスの拡大
①コリアンメモリーの構築(2023年までに213万冊をデジタル化)
②ウェブアーカイブOASISの構築拡大
③共有知識情報資源のアーカイブを構築

2.非対面サービスの拡充
④図書館の電子書籍サービスプラットフォーム(納本された電子書籍を自宅で利用できるプラットフォーム)の構築・運営
⑤国立中央図書館On나루(仮称)の構築・運営
⑥デジタルリテラシーサービス強化

3.データキュレーションサービスの開発
⑦データの資源化と活用性の強化
⑧データサービスの開発
⑨国の文献データの保存センターの構築

米・アレン人工知能研究所(AI2)、PDF形式の科学論文をHTML形式に変換するツールのプロトタイプを公開

米・アレン人工知能研究所(AI2)のニュースレター(2021年9月号)に、記事“Paper to HTML: making science accessible”が掲載されています。同記事では、AI2のLucy Lu Wang氏が率いる研究者・エンジニアチームが、PDF形式の科学論文をHTML形式に変換するツール“Paper to HTML”を新たに公開したことを紹介しています。

同ツールのウェブサイトに掲載されている紹介文によれば、Semantic Scholarが作成した「実験的プロトタイプ」(experimental prototype)であり、科学論文をHTMLで表示しスクリーンリーダーやモバイル機器で読みやすくすることを目的としています。現在PDF以外にLaTeXソース、JATS XMLに対応しています。

また、統計的な機械学習技術を用いて論文からコンテンツを抽出しているため、誤りは避けられないとし、品質向上のための方法を模索していると述べています。

EuropeanaTech、GLAMにおける人工知能の現状等に関する報告書を公開

Europeana Proのウェブサイトに掲載された2021年9月16日付の記事で、美術館・図書館・文書館・博物館(GLAM)における人工知能(AI)の現状等に関する報告書の公開が発表されました。

報告書は、Europeanaの研究開発部門の専門家・開発者・研究者によるコミュニティEuropeanaTechの、デジタル文化遺産分野におけるAIの役割や影響について調査を行うタスクフォース“EuropeanaTech AI in relation to GLAMs Task Force”によるものです。2020年9月にGLAM機関や研究機関を対象に行った調査(回答数56件)と、文化遺産関係の専門家8人へのインタビュー調査の結果がまとめられています。

発表の中では、2020年9月の調査の結果について、91.8%がAIに興味があり、54%が専門的知識を持つと回答した一方、多くの人が、プロジェクトで職員に求められるスキルや適切に注釈が付された訓練用データの欠如等の課題を挙げていたと述べています。インタビュー調査の結果については、文化遺産にとってAIは大きな可能性を持つものの、部局横断的協力の必要性、既存のインフラにAIを組み込む難しさ、倫理的な懸念やAIを活用する価値の実証と伝達する方法に関する懸念等が指摘されたとあります。

韓国国会図書館(NAL)、AI日本法自動翻訳サービスの提供開始

2021年9月7日、韓国国会図書館(NAL)が、9月8日から同館ウェブサイトを通じて、AI日本法自動翻訳サービスの提供を開始すると発表しています。NAVER社の翻訳アプリPapagoと共同開発したもので、2020年7月20日に両者が締結した覚書にもとづくものです。

同サービスは、日本の法体系と法律用語を学習しており、参議院規則の「常会」は「정기회(定期会)」、「先取特権」は「우선변제권(優先弁済権)」のように、一般的な翻訳より正確な翻訳結果を算出すると説明されています。

今回のサービス開始により、翻訳予算の削減効果や、法曹界や研究者の利用が期待されているほか、公開構築された法律分野のAI学習データは人工知能の産業生態系構築のインフラとしても活用される予定としています。

人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)、AIくずし字認識アプリ「みを(miwo)」を公開

2021年8月30日、人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)が、AIくずし字認識アプリ「みを(miwo)」を公開しました。

カメラで資料を撮影し、ボタンを押すことで、人工知能(AI)がくずし字を現代の文字に変換するアプリです。CODHが開発した画像に含まれるくずし字を現代の文字に変換する(翻刻する)機能を備えたAIくずし字認識技術を誰でも気軽に使えることを目指して作成されました。『源氏物語』第14帖「みをつくし」にちなんだ名前で、Android版とiOS版があります。

AIくずし字認識については、CODHが開発したくずし字認識モデルKuroNet、および、Kaggleくずし字認識コンペで1位となったtascj氏が開発したくずし字認識モデルが用いられており、AIモデルの学習には国文学研究資料館が作成しCODHが公開する日本古典籍くずし字データセットを活用しています。

ニュース(CODH)
http://codh.rois.ac.jp/news/
※「2021-08-30 みを(miwo) - AIくずし字認識アプリを公開しました。ア」とあります。

ルクセンブルク国立図書館(BnL)、新たなOCRソフトウェアを公開

2021年7月26日、ルクセンブルク国立図書館(BnL)が、人工知能(AI)を活用した、新たなOCRソフトウェア“Nautilus-OCR”をGitHubで公開したと発表しました。

同館は、2006年から光学文字認識(OCR)を利用した歴史的な新聞のデジタル化を行っていますが、紙や印刷の品質・経年劣化等により、文字を正確に認識できなかったと述べられています。今回公開されたソフトウェアは、AIを用いた課題解決を推進する政府のイニシアチブAI4GOVの支援のもと、同館により開発が行われました。

発表によると、“Nautilus-OCR”は、METS/ALTO形式のOCR結果の質向上や通常のOCRエンジンとして利用でき、行の自動特定、フォントの分類、精度向上の予測等のモジュールが含まれています。その他、パブリックドメインの新聞記事を基にした、手書き文字のOCRデータセットや、機械学習モデルも公開されています。オープンソースライセンス“GNU General Public License(GPL)”のバージョン3で提供されています。

フィンランド・ヘルシンキ中央図書館(Oodi)、お薦めの図書を紹介するモバイルアプリObottiを公開:分野の異なるボットから選択可能

2021年6月16日、フィンランド・ヘルシンキ中央図書館(Oodi)が、お薦めの図書を紹介するモバイルアプリObottiの公開を発表しています。

人工知能(AI)を活用したモバイルアプリで、以下のような分野ごとのボットがあり、自分の好みに基づいてボットを選択すると、ボットの好みや自身の選択に基づいて、利用者の好みにあった図書を推薦してくれます。インタラクティブなものとなっており、ボットを学習させることもできます。

・グーテンベルク:利用者の選択に適応するためのOodiの共同ボット。

・レノン:持続可能でロックなライフスタイルに最も適している。

・ヴェルヌ:異なる現実への旅に連れて行く。

・デュード:料理の楽しさや美意識を味わう。

・トーベ:できれば自宅から出ずに、海でも山ででも冒険したい。

・スカーレット:ドラマチックな感情にふけるのが好き。

フィンランド語・スウェーデン語・英語で利用でき、子供向け・若者向けの図書が推薦されるように設定することもできます。

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