人工知能

米・アレン人工知能研究所(AI2)、Semantic Readerのベータ版を公開

米国のアレン人工知能研究所(Allen Institute for AI:AI2)による学術文献検索サービス“Semantic Scholar”のTwitterアカウントでの2021年5月12日付け投稿において、“Semantic Scholar”に関連するサービスとして、”Semantic Reader”のベータ版公開が発表されています。

科学論文を読むときの課題として、用語や数学記号の定義、引用論文の詳細を探すために、頻繁にページを行き来しなければならないということが挙げられます。Semantic Readerは、関連のない情報を暗く表示させ、論文中で定義や引用論文の詳細を提供することによって、この課題の解決を図ります。

Semantic Readerは、AI2のSemantic Scholarのチーム、米国のカリフォルニア大学バークレー校、米国のワシントン大学による、科学論文を読むためのインターフェース“ScholarPhi”のプロジェクトから開発されたものです。ScholarPhiはアルフレッド・P・スローン財団より一部助成されています。ScholarPhiのユーザビリティ調査では、ScholarPhiを使用すると、PDFリーダーよりも、論文の深い理解が必要な質問への回答までの時間が短くなることが判明しました。

香港中文大学図書館が開催した中国古典籍のOCRコンテスト(記事紹介)

台湾・中央研究院デジタル文化センターは、2021年5月5日付けのお知らせで、香港中文大学図書館が開催した中国古典籍のOCRコンテスト「中国古籍文字自動識別挑戦2021」(2021 Chinese Classic Text OCR Challenge)において優勝したことを報告しています。

同コンテストは、2021年3月、10日間にわたりオンラインで開催されました。毎日アップロードされる50枚の古典籍画像に対し、各チームでOCR処理を行った上、一時間以内に認識結果をアップロードするという手順で行われました。文字及びレイアウト認識の正確性が評価対象であり、同センターのチームが91%の認識率で優勝しました。

参加チームの総数は、中国大陸から13チーム、香港から5チーム、台湾から4チーム、米国から1チームの計23チームであり、所属でみた内訳では、学界関係が13チーム、ビジネス界関係が6チーム、その他が4チームでした。全参加チームのうち、90%以上の認識率であったのは同センターのチームのみでした。

E2379 - AI蔵書点検サポートサービス実証実験の成果と課題

船橋市西図書館(千葉県)では,京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)が開発した人工知能(AI)による蔵書点検サポートサービス「SHELF EYE」(シェルフアイ)について実証実験を行っている。「SHELF EYE」は本の背表紙画像をAIで解析して蔵書点検の効率化を支援するシステムである。本稿では,当館で実施した「SHELF EYE」と従来の蔵書点検との比較実験の成果,今後の展望について紹介したい。

Springer Nature社、機械生成した文献レビューを取り入れた研究書を刊行

2021年5月4日、Springer Nature社が、人工知能(AI)を活用し機械生成した文献レビューを取り入れた出版形式による、研究書の刊行を発表しました。

同社のジャーナルで公開された多数の論文から機械生成した文献レビューと、人間が作成したテキストを組み合わせた出版形式であると述べられています。同形式を用いた最初の出版物として、イタリア・ラクイア大学名誉教授のGuido Visconti氏が編集した“Climate, Planetary and Evolutionary Sciences”が紹介されています。

Microsoftの学術情報についてのサービスMicrosoft Academic Services(MAS)が2021年末をもって終了

2021年5月4日、Microsoftは学術文献検索サービスMicrosoft Academicを含む学術情報についての一連のサービスであるMicrosoft Academic Services(MAS)を、2021年末をもって終了することを発表しました。

Microsoft Academicの基盤となっているMicrosoft Academic Graph(MAG)については、2021年末をもって更新は終了するものの、データについてはODC-BYで引き続き使用できます。Microsoft AcademicとMAGのAPIであるProject Academic Knowledgeについては、2021年末をもってアクセスができなくなります。

MASは、ビッグデータや人工知能といった分野で研究を行う際の障壁となっていた大規模データセットへのアクセスの不平等といったことを背景に、7年前に開始されました。アクセスへの障壁を取り除くという目的を達成したことから、MASを終了するとしています。

東京大学総合図書館、「デジタル源氏物語(AI画像検索版)」の公開を発表

2021年4月27日、東京大学総合図書館が、「デジタル源氏物語(AI画像検索版)」の公開を発表しました。

国立国会図書館デジタルコレクションで公開されている『校異源氏物語』を基に、複数の写本・版本の全冊画像を横断的に検索できる機能です。検索対象は、各機関が公開している『源氏物語』へのリンクをまとめた「IIIF対応源氏物語リスト」の内、パブリックドメインか自由利用可能として公開されているものや、所蔵機関の許諾を得られたものです。

検索結果として提示される複数の候補画像から、類似度や人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)が開発したくずし字OCRによる翻刻を参考に、利用者自身が必要な画像を選択する仕組みです。なお、類似度は、『校異源氏物語』の本文と、くずし字OCRによる諸本翻刻を照合し算出されています。

@UTokyo_GenLib(Twitter, 2021/4/27)
https://twitter.com/UTokyo_GenLib/status/1386933140283822080

韓国国立中央図書館(NLK)、VR技術を用いて30年後に実現するだろう図書館の姿を紹介する「未来の図書館特別展」を開催中

韓国国立中央図書館(NLK)が、2021年4月27日から5月31日まで、「未来の図書館特別展 The LIVE Library」を開催中です。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため予約制で行われます。

科学技術の進歩が作る未来の図書館空間とサービスをテーマに企画されたもので、仮想現実(VR)技術を活用した4つのゾーンでの体験を通じて、30年後に実現するだろう図書館の姿を紹介するものです。

最初のゾーン「知恵の風景コーナー」では、図書館のデジタル転換をモチーフに、未来の図書館の姿をメディアアートで表現した「知恵の風景(Wisdom Scenery)」の映像をプロジェクションマッピングの技術を用いて見ることができます。

2つ目のゾーン「VR未来の図書館」は、VRヘッドセットを装着して、未来の図書館空間を「旅行」するもので、図書館中央に位置する巨大なデータセンターや人と対話するロボットといった見慣れない未来の図書館の風景を眺めていると、人工知能(AI)司書が近づいてきて挨拶をし、仮想現実のなかのAI司書とコミュニケーションをとりつつ、ドローンで本を配送したり、ホログラムの本を閲覧できたりします。

韓国国立中央図書館(NLK)、「図書から答えを探す人工知能検索」「人工知能要約サービス」を試験公開

2021年4月20日、韓国国立中央図書館(NLK)は、「図書から答えを探す人工知能検索」「人工知能要約サービス」の試験公開を発表しました

「図書から答えを探す人工知能検索」は、人工知能(AI)が利用者の質問を理解し、その質問に対する答えを図書本文から探して提示するサービスです。これにより、利用者は知りたい内容を人に対して質問するように文章形式で質問することで、膨大な図書資料から求める答えを迅速に探すことができます。現在、NLKが所蔵する公共刊行物約6,400冊の本文の中から答えを探せるよう開発されており、今後、より多くの資料を対象にできるようサービスを拡大する計画です。

「人工知能要約サービス」は、社会科学・技術科学・人文学といった様々な分野の図書と論文のAIによる要約文を閲覧することができるサービスです。現在は段落ごとの要約のみ可能ですが、今後、章ごと、図書ごとの要約なども可能となると予想されるとしています。現在は528件の図書・論文の、1つから2つの段落の要約を見ることができます。

韓国国立子ども青少年図書館、人工知能(AI)・仮想現実(VR)・拡張現実(AR)を取り入れた体験型読書サービスの提供を開始

2021年4月1日、韓国国立子ども青少年図書館が、人工知能(AI)・仮想現実(VR)・拡張現実(AR)といった新技術を取り入れた新しい体験型読書サービスの提供を開始したと発表しています。第4次産業革命時代の子ども・青少年に、「読む」読書から「楽しむ」読書へと拡大された体験環境を提供することが目的です。

「こども資料室」等に備えられる「AI音声認識読書ロボット」では、子ども向けの童話・童謡・映像等約800種類の様々なコンテンツとAI・図書を融合させた面白い読書を提供します。

また、同館のメイカースペース「未夢所(未来の夢・希望創作所)」では、AI・VRといった技術を用いて読書活動を支援するとし、絵本を直接見て読んでくれる「AI読書ロボット」を備えて、文字を読めない子どもが読書を体験して興味を持ってくれるよう支援するとしています。

その他、韓国国立中央図書館(NLK)が製作した保護者を対象としたVR図書館や、コロナ禍で来館できない利用者が、図書館のウェブサイトを通じARを用いた読書体験ができるサービス等も提供されます。

Europeanaの画像分類パイロットプロジェクト(記事紹介)

Europeana Proの2021年4月6日付け記事で、Europeanaが取り組む画像分類パイロットプロジェクトの内容が紹介されています。筆者はEuropeana財団の機械学習エンジニアであるJosé Eduardo Cejudo Grano de Oro氏です。

Europeanaでは、パートナー機関から提供されたメタデータに付加価値を与えること(エンリッチメント)により、コレクションの検索・閲覧・推薦といった機能の向上に取り組んでいます。Europeanaの2020年から2025年にかけての戦略“Europeana strategy 2020-2025: Empowering digital change”でも、機械学習によるメタデータの自動エンリッチメントを目標の一つとしています。

本記事では、画像分類パイロットプロジェクトのうち、分類のための語彙の定義、Europeana Search APIを利用した注釈付きデータセット作成のプロセスを取り上げています。また、使用語彙、作成されたデータセット、データセット及び画像分類モデル作成のためのコードを、GitHub上で公開していることも紹介しています。

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