図書館財政

米国の学術図書館における、物理媒体・電子媒体のリソースの動向(記事紹介)

2021年4月28日、ProQuest社傘下の図書館システムベンダEx Librisは、米国の学術図書館における、物理媒体・電子媒体のリソースの動向に関するブログ記事を公開しました。

Ex Librisが提供するクラウド型図書館システム“Alma”のデータを用いて2020年11月に実施した調査を基に、2010年から2019年にかけての物理媒体・電子媒体のリソースに対する図書館の支出動向が分析されています。調査対象は、“Alma”を導入している米国の図書館の内、無作為に抽出された10館です。

結果として、全ての対象館で物理媒体への支出が減少し、電子媒体への支出が増加する傾向が見られ、以前は物理媒体への支出が電子媒体を上回っていたものの現在は逆転していること等が示されています。なお、同調査には新型コロナウイルス感染症の影響は反映されていないことを指摘しています。

全国学校図書館協議会(全国SLA)、「学校図書館整備施策の実施状況(2020年度最終集計)」を公表

2021年4月7日、全国学校図書館協議会(全国SLA)が、「学校図書館整備施策の実施状況(2020年度最終集計)」を公表しました。

2020年7月に全国1,741の市区町村教育委員会を対象にアンケート調査が実施され、1,029の教育委員会から回答が寄せられました(2021年3月3日時点。回収率59.1%)。

発表の中では、以下の項目の結果が紹介されており、市区町村ごとの結果がPDF形式で公開されています。

・2020年度予算における1校当たりの平均図書費と図書費予算額算定方式
・「学校図書館用の新聞購読費」の予算化状況
・学校司書配置の予算化状況と雇用形態
・自治体による学校図書館担当者の研修状況
・学校図書館による「新型コロナウイルス感染防止対策」実施のための費用の予算化状況
・学校図書館における新型コロナウイルス感染症感染拡大防止策や読書振興施策

お知らせ(全国SLA)
https://www.j-sla.or.jp/news/sn/
※2021年4月7日付で「学校図書館整備施策の実施状況(2020年度最終集計)」が掲載されています。

韓国教育学術情報院(KERIS)、報告書『2020年大学図書館統計分析および教育・研究成果との関係分析』を公開

2021年4月7日、韓国教育学術情報院(KERIS)が、教育部と共同で、報告書『2020年大学図書館統計分析および教育・研究成果との関係分析』を公開したと発表しています。

KERISでは2009年から毎年、大学図書館の蔵書・利用・資料購入費等の現状調査を行っています。同報告書は、全国433大学を対象に2020年の現況調査を実施するとともに、最近10年間の変化を分析し、大学図書館の現況と教育・研究成果への影響の要因を調査したものです。

主要な分析結果として、

・学生1人当たりの年間購入冊数は10年間で大きな変化はないものの、学生1人当たりの貸出冊数は約50%減少している。減少の要因として、学生が電子書籍を利用するようになったことや、講義においても電子資料や動画といった資料が多く活用されるようになったことがある。

・学生1人当たりの資料購入費は10年間で大きな変化はなかったが、電子資料の購入費の平均額は50%増加し、電子資料購入費が大学の2020年度の資料購入費の約69%を占めている(2011年は49%)。

文部科学省、2020年度の「学術情報基盤実態調査」の結果を公表

2021年3月24日、文部科学省は、「令和2年度「学術情報基盤実態調査」」の結果を公表しました。同調査は大学の学術情報基盤(大学図書館、コンピュータ及びネットワーク等)の現況を把握し、今後の改善と充実のための基礎資料とすべく、2005年度から毎年実施されているものです。2020年度調査の対象の大学は、国立86、公立94、私立621の計801大学で回答率は100%でした。

調査結果のポイントとして、以下の点等が示されています。

〇大学図書館編
・2019年度の図書館資料費は709億円で、2018年度までの減少傾向から転じ、前年度より1億円(0.2%)増加。そのうち、電子ジャーナル経費は325億円で、前年度より10億円(3.2%)増加。
・機関リポジトリを持つ大学は、620大学(77.4%)となり、前年度より17大学(2.8%)増加。
・557大学(69.5%)がアクティブ・ラーニング・スペースを設置。

全国学校図書館協議会、学校図書館整備推進会議・日本児童図書出版協会と連名で「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用に関する要望」を都道府県知事等に提出

2021年2月25日、全国学校図書館協議会(全国SLA)は、学校図書館整備推進会議・日本児童図書出版協会と連名で、2月5日に「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用に関する要望」を全国の都道府県知事、市区町村首長、都道府県及び市区町村教育委員会宛に提出したことを発表しました。

全国SLAらは、2020年12月に閣議決定された第三次補正予算において、「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金」に1兆5,000億円追加計上されることを受けて同要望書を作成しました。同交付金は感染症対応にかかわる政策について地方公共団体が利用可能で、コロナ禍による在宅時間を有意義に過ごすためや「新しい生活様式」への対応のため、図書館の整備充実などを図る「図書館パワーアップ事業」も対象になっています。

要望書は都道府県知事等に対して、同交付金を学校図書館における絵本・児童書の購入、百科事典や図鑑などの教材配備、新聞の複数整備に充当することなどを求めています。要望書の全文は全国SLAのウェブサイト上で公開されています。

フランス、図書館の資料購入に対する支援を実施:新型コロナウイルス感染症感染拡大による影響からの回復計画“Plan de relance”の一環

2021年2月16日、フランス国立書籍センター(CNL)が、地方自治体図書館の資料購入に関する支援について、同センターのウェブサイトで発表しました。

新型コロナウイルス感染症感染拡大による影響からの回復計画“Plan de relance”の一環として実施されます。地域の文化産業の要である書店の支援を目的としており、2021年と2022年に、各年合計500万ユーロずつの支援が行われます。

実施についてはCNLが受託しており、4月中に申請受付を開始する予定と述べられています。

E2358 - ロックダウン下の英国公共図書館レポートに見る図書館の貢献

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大により,英国では2020年3月から6月まで最初のロックダウン体制が敷かれ,公共図書館も少なくとも4か月の休館を余儀なくされた。ロックダウン期間中の公共図書館サービスについて,図書館関連慈善団体であるLibraries ConnectedおよびCarnegie UK Trustが調査レポートを公開した。本稿では両レポートについて概要を紹介する。

ウェールズ政府、ウェールズ国立図書館(NLW)とウェールズ国立博物館に合計620万ポンドの追加予算を配分:NLWに対する当初の予算削減方針を撤回

2021年2月3日、ウェールズ政府は、ウェールズ国立図書館(NLW)とウェールズ国立博物館(Amgueddfa Cymru:National Museum Wales)に合計620万ポンドの追加予算を配分することを発表しました。2020-21会計年度から2021-22会計年度にかけて、NLWに225万ポンドが、ウェールズ国立博物館に395万ポンドが配分されます。

英国のGuardian紙をはじめとする複数のメディアが、ウェールズ政府は当初NLWに対して予算削減を行う方針であったところ、反対の声を受けて方針が撤回され、追加予算の配分に至ったことを報じています。報道によると、2020年9月付のウェールズ政府の委託によるNLWの事業レビュー“Tailored Review”で、2007年から2019年までに収入が40%減少し、職員数も23%減少した224人となっていることなどから、持続可能性を考慮したNLWの適正な規模の予算配分の見直しに「至急の対応を要する」とする勧告が行われ、これを受けた予算削減によって、約30人の雇用を維持できなくなるなどサービスの縮小が懸念されていました。

米国の出版コンサルタントが共著で作成したレポート『新型コロナウイルス感染症と書籍出版産業:影響と2021年への展望』が公開される

米国の出版コンサルタントであるマクロイ(Thad McIlroy)氏が、自身の運営するブログ“The Future of Publishing”の2021年1月5日付の記事において、同じく出版コンサルタントであるグレン(Cliff Guren)氏・シエック(Steve Sieck)氏とともに作成したレポート『新型コロナウイルス感染症と書籍出版産業:影響と2021年への展望』(“COVID-19 and Book Publishing: Impacts and Insights For 2021”)の公開を発表しています。

同レポートは、新型コロナウイルス感染症が米国を中心とした書籍出版産業、及び出版産業の隣接分野に与えた影響について、3氏の調査の結果を報告するとともに、調査結果を踏まえた2021年への展望を示すものです。書籍出版産業全体については、米国出版協会(AAP)や市場調査会社NPDグループ、出版情報誌Publishers Weeklyのデータを用いて、2019年は横ばいか下落傾向にあった業績が2020年10月までは堅調に回復していることなどを指摘しています。

米・ITHAKA S+R、大学図書館の指導者層を対象とした新型コロナウイルス感染症影響下の戦略・予算編成に関する調査報告書を公開

2020年12月9日付で、米国のIthaka S+Rは、大学図書館の指導者層を対象とした新型コロナウイルス感染症影響下の戦略・予算編成に関する調査報告書を公開しました。

Ithaka S+Rは2010年から、米国の非営利4年制大学の図書館長等を対象として、大学図書館の戦略に関する調査を3年ごとに実施しています。3年の周期を空けた調査は傾向の追跡に適していましたが、2020年4月の2019年版調査結果の公開直後から、新型コロナウイルス感染症の感染拡大と人種差別反対運動の高まりが大学図書館に急速に影響を与えていることを認識し、Ithaka S+Rは3年の周期を逸脱して2020年秋に追加調査を実施する準備を整えました。

第1弾として、新型コロナウイルス感染症の影響に関する調査報告書が公開されています。調査は2020年9月に行われ、対象者全体の43%に当たる638の回答に基づいて報告書が作成されました。報告書は次のような所見を示しています。

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